もずのわくわく劇場日記 No.003


1997年11月23日(日)

浅草ロック座ライヴ! 11/1〜30 公演

本日の出演

1.ジャネット(仮名) 2.佐野あゆみ 3.かとう美梨絵 4.斎藤容子 5.小林愛美 6.高原奈美
7.殿田真美子 8.細井架奈美 9.クリスティーヌ(仮名) 10.麻宮淳子 11.フィナーレ


1.ジャネット(仮名) カイリさん

外人さんだが、けっこう有名な人だと思う。ヒントは、日本の領海水域の事を何と言うか?分かりましたね、そう言う名前です。

まずは群舞からのスタート。中央の台の上に電話ボックスの様なガラスの箱があり、その中には佐野あゆみが入っている。(ホワイトタイガーの柄のボディコン)そのまわりを取り囲むようにジャネット・麻宮・斎藤・殿田(ワインレッドのバラの柄のドレス、スリットが一本、足の付け根あたりまではいっており、そこからのぞく太股がセクシーだ)が踊る。

その中からジャネットが、抜け出ると、スパンコールの幕が引かれ、ゴージャスなスタンダードナンバーがかかる。ブラスセッションを中心とした曲構成で踊るジャネットを見ていると、まるでラスベガスでショーを見ているようだ。ブロンドの髪を掻き揚げるしぐさは思わず口笛を吹きたくなる。いつものジャネットのステージからすると、少しおとなしめではあるが、その魅力は十分に発揮していると思う。

彼女は、月夜の海からゆらゆら揺れる街の灯かりにあこがれて人間になってしまったマーメイドだと思う。スリムな肢体で盆の上に立つ彼女の後ろ姿は、魚の下半身を捨て、きゃしゃな二本の足を持った、まぎれも無い人魚の姿だろう…今度何処かで彼女を見かけたらそう思って見てくれ、私の言っている事が良く分かると思う。

2.佐野あゆみ

ジャネットは舞台袖に引っ込まずに、脱いだドレスをかかえてその場に居残り、佐野のショーに参加する。 佐野の衣装も最初のまま。ブーツはショートで黒のメッシュ仕立て、紐で編み上げてあり、足首の所で何回か巻き付けて縛ってある。

ジャネットは佐野の前に上半身を起こしてはいるが横たわり、佐野からじりじりとにじり寄られ、逃げ出すように舞台袖へと引っ込む。 佐野は羽のショールを巻き、ベットへと入る。 この羽のショールを使っている場面では、以前川崎ロックでピンクのウサギの出し物を演じた時の佐野を思い出した。 その時と比べると、今日の方が表情が硬い。佐野の笑顔はたとえようも無いくらい可愛いので、その笑顔が見られなかったのは私としてはとても残念だ…

衣装も代える事無く割と淡々と流れていく。脱ぐと言うよりも、衣装がはだけて、そこからこぼれ落ちる、たおやかな白い乳房をアピールしたかったのかも知れない…ただ、「あたしには関係ないもん!」と言うような表情で最後まで通していたが、もう一歩積極的に踏み込んでくれると、お客ももっと佐野に親近感を持ち、手を叩いてくれるのでは無かったかと思う…

3.かとう美梨絵

セーラー服に赤いチェック柄のミニスカート、また、同じ色と柄のちょっとかかとが高めの靴。手には学生カバンとはちょっと違うが、ソフトアタッシュのカバンを持ち、スキップしながら舞台しも手から登場。何の違和感も抱かせない中学生風。 余りにも違和感がないので、見ている方もムラ!っと興味を引かれる…?

ちょうど合い向かいの隣のビルの一室から、カーテン越しに少女の部屋をのぞいているようなヤバイけれど、でも見てみたい!と言う衝動を隠せないと言う心持ちになる。

部屋へ入って来た少女はカバンを放り投げ、靴を放り出し、傍らにあるテディーベアを「ただ今!」と言う感じで軽く抱きしめる。この場面で、私も熊のぬいぐるみになりたい!と思った方も多いだろう…私もそう思った。

大きめのクッションに腹ばいに寝そべり、少女雑誌にあるきわどい漫画を見ながら何となくモヤモヤ… とした気分になり、自分の胸をまさぐる。 そして、今度は藤製の整理タンスの引き出しを開け、着替えを始める。 中から出て来る真っ白なシミーズ(×とはこの頃言わない)スリップを着る。それとやはり白いレース仕様のTバック、おじさん達にはむしろ刺激的な装いだろう… そこからベットへと舞台は流れる。

童顔に均整のとれた肢体は、中々見ていて小気味良い。ロビーに貼ってあった写真よりもずっとかわいい。 始まりが中学生風だったために、見ている方はベットの場面でもそのイメージを引きずってしまう。 「君!そんなことしちゃあ…あぁ、ダメだってば! ほら!ママが部屋に入って来たら…ダメだってば! あっ!もう…ほら…」おっと!すっかり自分の世界に没頭してしまった。 中々の好演であった。

4.斎藤容子

十月のロック座公演で、佐伯みすずが演ったのと同じような衣装と音楽で始まった。 黒のフード付きのコート風の衣装で、舞台中央にたたずんでいる。BGMは黒い雰囲気のオペラ調の重い感じの曲から胸の前のボタンを引き千切るように脱ぎはじめる。眼の動きが上手い。うつろな感じで宙を泳ぐ、かと思うと油断しているお客に針のような鋭い視線を突き刺す! コンマ一秒たりとも眼が離せない… 絹糸のような細く艶やかな髪をかき上げ、降り注ぐ赤や青のライトの中をさまよう様にあえぐ。 少しぽっちゃりとした体つきは見ているものの欲情をそそる。平常心ではいられない。

彼女の舞台は初めめて見たが、ベットが良かった。カップにいっぱいのミルクを注ぎ、その中に真っ赤なストロベリーを泳がせ、口の中に運ぶ。 そして、すぐには噛まずに舌の上でミルクのあまさを感じながらコロコロと、もてあそぶ感覚が彼女のベットの演技そのものだ。 顔の表情は硬いと感じる向きもあるが、それを凌ぐ魅力が彼女にはある。

5.小林愛美

小林・佐野・細井・ジャネット・クリステイーヌによるチームダンシィングでスタート。小林の衣装だけ、赤のレザーでも、ジャケット、ブーツ風のカバーが、めの荒い網になっいてる。 その他の人は、赤いレザージャケットに、やはり赤いズボンだが、パンツの部分とはセパレートしているものだ。

ストロボライトの中をキレの良いタイトなダンスで見る者を楽しませてくれる。 しかし、その中でもバックで踊るジャネットのダンスに注目して欲しい。同じ動きをしていても、どこか綺麗にまとまっていて、心底彼女はダンサーなのだなぁ…と感心した。

いや、ここは小林の場所だった。五人によるチームワークの良いダンスで楽しませてもらった後、小林が前へ出て来る。 赤いライトの中、これもまた真っ赤なアンダーウェアーで踊る。 赤い手袋が上品だ。盆の上で束ねた髪を解くと、今までのダイナミックな動きとは違う小林の世界が広がって行く。

ドライアイスの煙が音も無く、すーっと広がって辺りを包み込むように、小林の胸元から不思議な空気があふれ出す。いつの間にか小林の世界に引き込まれてしまった様だ…幻だろうか赤い光の中に浮かぶ小林が、女神様のように思えて来る。そのやわらかな瞳で見つめられると、何とも言いようの無い幸福感で心が満たされていく。あぁ、何故か涙があふれて来た。 こんな感覚は初めての事だ…

小林は時々音楽に合わせて、座ったまま赤い手袋をした腕でポーズを決める。そのリズムがとても気持ちいい。こんなに上手い人だとは知らなかった。休憩のアナウンスがあった後も、その余韻だけは体の中に残っていて、見終えてすごくリラックスした気分だった。

★休憩 ★

6.高原奈美

小林と細井が 「マグマ大使」の嫁さんとおんなじ様な銀のコスチュームで、頭にマグマ大使と同じ角をつけて、花道へ小走りに出て来る。 ちょっとした軽い演技をするのだが、この時の細井と小林の「おすまし顔」が何ともおかしくて、ヘラヘラせずにはおれなかった。(失礼)

そのうちに本舞台中央に高原が立ち、三人で踊りはじめる。 何故か右手の人差し指に銀の指サック?結構長い奴をしていて、それをポイントに踊りを進める。(宇宙船の話だからって、E.Tを意識したのだと思う)そうこうしている所へ、何者だか良く分からない麻宮が下手より偉そうに登場する。黒の大きな髪飾りに、そんなに引っ張って大丈夫なのか? と思わせるほどきつく髪を結い上げている。また、何故か着物を羽織っており、異質感を演出しているのだろう。そしてやはり、右手の人差し指に銀の指サック、しかも他の三人とは違い、長さもひときわ長く、形も先っぽが四角くなっている。その指で細井・小林をゆっくりと指差すと、二人は高原の銀の衣装を脱がし下手へと退場する。そして高原のダンシィングタイムとなった。

私は高原を見て、「ヤンキーの、ねーちゃんが出て来た!」と思った。ロビーに貼ってある高原の写真もまた、頭の毛真っ青のすごい写真だった…。

ところが、高原のソロステージになると、これがすごく面白い。見て取れるように威勢の良い気質がストレートに踊りに反映しており、中々個性的だった。 ちょっと粗削りな感じではあるが、客との駆け引きにも強く、「それ!どうだ、あたしはこんな感じよ!」とアピールしていた。 客の反応を肌で感じて、すぐにそれを表現して行けるのは彼女の強味だろう。

7.殿田真美子

久々の殿田登場!前回8月のロック座公演のトップバッターで、あの時は舞台の上に組まれた盆踊りのやぐらの上から浴衣姿で登場した。

さて今回は…。血がにじむような真っ赤なイヴニングドレスで現れた。すると、小林・かとう・斎藤・クリスティーヌの男役が、ダークスーツに帽子を目深にかむり、殿田を取り囲むように踊る。この時、斎藤の振り付けが、すげーカッコよかった。殿田からパッと後ろへ飛びのくように両手を広げながら、一回転して床に座り込むのか、と思うとサッと右足を下にすっと伸ばしてちょうど野球の滑り込みの様なポーズで、舞台ぎりぎりまで後ろ向きのままスライディング!しかし、その時にも顔は下を向かずに、殿田から眼を放さない。かなり難しい振り付けだと思うが、それを感じさせずにサラッとやって退ける斎藤に拍手!!

男役を演じている人達は帽子を目深にかむっているため、誰が誰やら分かり難かったが、靴を見ると自分の出番の時にはいていた靴を、そのままはいているので良く分かった。余談…

殿田は男達から舞台かみ手側の椅子に座らされて、服を脱がされ、胸をまさぐられ、太股をなぶられ、苦悶の表情で迫真の演技をしている。見ていて何とも胸がドキドキするエロチックなシーンだった(小林!こんな迫真の演技してる時に笑うな!)そんな時に再び麻宮が出て来て(先程と同じ格好)あの人差し指で、男達に命令を下す。 すると男達はすごすごと退き上げる。残された殿田に、麻宮は赤い羽のショールをやさしく肩へかけて退場。 殿田のベットが始まる。

緩やかな曲と共に、まるでバラの花びらが一枚一枚ゆっくりと開いて行くように、殿田は盆の上で身体を解き放つ。肩から掛けていた真っ赤な羽のショールを、盆に縁取るように広げ、その中での演技だ。 天井を見ると、赤いライトが一つ残らず点灯され、そのすべてが殿田へふりそそぐ。何もかも真っ赤な空間が広がっている。 眉間に寄せる「しわ」と額に浮かぶ「血管」が、ライトの影に現れ、その表情がなまめかしい…はっ!殿田の桃色吐息が、かすかに聞こえた!思わず息をのむ…

曲も終盤に差し掛かり、殿田は真っ赤な羽のショールを手にとり、すっと立ち上がると大きくそれを宙へ払う。 そしてゆっくりと花道を引き揚げる途中にも、右の客、左の客と丁寧に座りオープンしながら本舞台へ進んで行く。 その時、それは起こった!本舞台と花道の付け根の所で、オープンしていると、その正面で見ていた一人の好青年が 「すくっ!」 と立ち上がり、殿田に小さな箱を差し出した。

突然の出来事に殿田はあわて、声をあげて驚いていた。「きゃあ! へ?…あれ?!」 その好青年は笑みを浮かべたまま、二度三度やさしくうなずき、着座した。 しかし、殿田はほんの数秒ではあるが、踊りをとめてしまった! よほど気が動転したのか、はっ!と我に帰り曲に合わせて踊りを続けたが、もらったばかりの小箱が気になるのか、右手に持ったまま何度もそれを見ながら踊っていた。

良く見ると、その小箱には何か小さな紙片が貼られていたようで、そこに書いてある文字を何とか読みたかったようだ。殿田は舞台から引っ込みながらその紙片に書かれていた文字を読んでいた。一体何が書かれていたのだろう? 後になってこの紙片がある事件?を引き起こすとは、その好青年は知る由も無い…

8.細井架奈美

お待ちかね「デイジーカナミ」のステージ。今回は天使様の出し物。天使の綿毛の様な羽を背負い、小振りのかんむりの様な髪飾りをし、真っ白いさらりとした飾り気の無いドレス、良く見ると胸がすけて見える。ちょっとうれしい…

ロリっぽく踊る。その後ろには中央に宇宙船の内部をイメージさせるための舞台装置があり、それを挟んで上手側に かとう とジャネット、下手側に小林と高原が頭からすっぽりと白いベールの布をかぶり、その中で透明なプラスチックの玉、中で電球がヒカヒカと光っている。大きさは、直径約20センチ位だろうか… その玉を両手に持ち、勢い良く前へ出したり、引っ込めたりしている。

ありゃ何なのだろう? 私は高原に聞いて見たかった。「それ…楽しい?」 見ているとみんな結構気に入ってやっているようだった。その人達の迷演技をバックに細井がロリっぽく踊りながら、天使のステッキで皆の頭を一人一人チョコン!と触れていくとベールをはずして中から出て来る。

みんなを出した後、小林と細井は真ん丸い風せんを持ち出し、しばし二人でそれをつきあって無邪気に遊ぶ。そして細井のベットへと流れる。 盆の上で服は脱いだが、天使の羽はつけたままで、演技する。

それにしてもあの、「細井スマイル」は反則技だ。あんな可愛いスマイルを投げかけられたら、誰でもメロメロになってしまう。 あの真珠のような白い歯は細井スマイルには無くてはならないアイティムだ。まぁ、可愛い可愛いで流れてしまった様だったが、以前に川崎で見た時よりも、今日の方が伸び伸びとしていて、細井本来の持つ「良さ」みたいな物が良く出ていただろう。

9.クリスティーヌ(仮名)

スパイ大作戦の様な出し物。コートに帽子をかむり、黒いサングラスをかけ、カーテンご越しに登場。舞台の右サイドと左サイドにブラインドが下りていて、そのうしろ、右側が佐野、左側が殿田。二人とも黒のレオタードにマシンガンをかかえている。その二人を踊りながらクリスティーヌが狙い撃つ!

最初に撃たれるのは殿田。撃たれた瞬間を表現するのには、銃声がした時にパッ!とブラインドを閉める。一瞬にして撃たれた殿田の姿が消えるので、本当に弾丸がヒット!したような気持ちがする。

そして佐野も撃たれ、一度クリスティーヌは下手に消える。音楽が替り、再び下手側から登場するクリスティーヌの衣装は、東急ハンズのパーティーグッズ売り場で買って来たような、「全身網レオタード」右の肩口から左の脇腹へかけて、赤いバラの花が斜めにあしらわれている。 軽く踊った後、背中のファスナーを引き降ろし、ベットイン。

彼女の場合は、顔を真横から見た角度が一番美しい。スウェーデン美少女と言った感じだ。痩せ気味の身体にアイソの良い笑顔、強烈な印象こそ無いが良い。また、どう言う意味なのか分からないが、右の足首の所に、「危優」と言う文字が、火炎の絵柄の中に書かれていた。

10.麻宮淳子

今回ロック座にて、初めて舞台に立つそうだ。ただ今売り出し中の彼女である。ロビーではここでしか売っていないビデオの販売もしている。さて舞台の方は…

舞台中央に麻宮が立ち、(今日の最初から折りに触れ何回も彼女がチョロチョロと同じ格好、同じ表情で出て来るので、ちょっと見飽きた)その両脇に佐野・かとう・細井・殿田が左右に分かれて踊る。みんな手には白いビニールの傘を持ち、その傘を客の方へ向けてクルクルと回しながらそれぞれのホジションを入れ替えて踊る。何故か細井一人が楽しそうに傘を回しているのだが、良く観察していると、一番傘を回すのが上手なのは、かとう美梨絵である。彼女は柄の曲がっている部分に巧みに指をからめ、とても早くかつ、美しく回していた。佐野はもっと練習してくれ。

それぞれのポジションで踊っていたみんなが、ひとかたまりとなって傘で麻宮を隠す。その後ろで麻宮が今まで着ていた衣装を素早く脱ぎ、準備の出来た所でみんなが散らばり退場。 そこには、クレオパトラ風???と言ったらいいのか…ペルシャ風?と言ったらいいのか…そんな様な衣裳で立っている。

そして軽く踊った後、盆に進みベットへと移る。 横たわりながらブルーを基調としたライティングのなか、麻宮のショーが盛り上げられていく。ちょうど視覚的には、深い海の底へ沈みながら、海面から差し込む太陽の光がだんだんと遠のいて行くと言った感じのするとても美しい照明が印象的だった。

10.フィナーレ

先月と同じ曲でのフィナーレ。カンカン踊りの衣裳にノーパン。踊り子さんの誰もが、楽しそうに適当に私語を交えて踊っていた。 と、これで終わらない。殿田の所で起きたプレゼントの小箱の事だ。プレゼントを殿田にあげた好青年は、やはり、ニコニコしながらフィナーレを楽しんでいた。もちろん殿田に熱い視線を送っていたのだが、何故か眼を合わせてくれない。

好青年は「あれ…全然きずいてくれないや…」とさほど気にもせず、細井にも熱い視線を送った。すると、細井はすぐに好青年の視線に気づき、あの可愛い細井スマイルで答えてくれた。その時、ふとそのとなりから別の視線を感じた好青年は、その方向を見るとその視線の主は斎藤だった。眼と眼がバチ!っと合い、好青年は焦ってあいまいな微笑みをし、視線を他へずらす。

好青年は佐野へ熱い視線を送っていると、視界の隅にまた別の視線を感じ、その方向を見ると、斎藤が見ていた! 再びドキッ!として、会釈などをし、高原へ視線を飛ばす。高原は、けんかを売って来る様な目で(ウソ!)好青年から送られた視線に答えている。

そろそろフィナーレが終わろうとして、みんな舞台に座ってスカートを振って微笑んでいる。好青年も 「あぁ、終わっちゃった…」 と、油断していたがふと見ると、斎藤が好青年の事を見つめていた。好青年はゲっ!と驚き、あわてて手を振った。好青年は心の中で考えていた。「何故斎藤は僕の事ばかり見つめていたのだろう… もしかすると、僕みたいなのが好みのタイプなのかな?」 と、鼻の下を伸ばしていたのだが、万が一にもそんな事がある筈も無い。ではなぜ!…好青年は考えた末、思い当たる節が一つだけあった。

さっき、殿田にプレゼントを送った時、小箱にメッセージを書いた紙片を貼っておいた。それを殿田が興味深そうに読んでいた。…それだ!きっとそうだ! 引っ込んだ殿田が、あの紙片を斎藤に見せたに違いない! なんて奴だ! 斎藤に好青年の正体がバレてしまったのだ。 そのために斎藤は好青年の事をどう思って見ていたかは分からないが、ずっとフィナーレの間、見つめ続けていたのだろう。おそらく間違いないだろう。それにしても好青年の正体って誰だったのだろう…・