もずのわくわく劇場日記 No.17


1998年 4月26・29・30日(日・水・木) 川崎ロック

川崎ロック顛末記… [観劇レポート編]

今回の出演

1.佐野あゆみ 2.華すみれ 3.宝美緒 4.坂上なつみ 6.柚木真奈 6.安藤有里 7.斎藤容子 8.フィナーレ


1.佐野あゆみ

ご存知ピンクバニーの出し物。再び佐野の軽快かつ、ポップなウサギのオープニングから始まり、ベットへ流れて行くと言うもの。甘い顔立ちの佐野の微妙な表情が、際立つ秀作。

本舞台左手の袖幕から手を出して、おいでおいでをし、その後にピョコン! と飛び出してくる。29日の二回目のステージのときは、胸にバスタオルを巻いた斎藤が、茶目っ気たっぷりに、佐野が顔を出す前に、ヒョッコリと顔を出した一幕もあった。

飛び出した後少し踊り、体につけていた衣裳だと思っていた長いショール状のピンクのフリフリを外し、その先端を袖幕に大きな安全ピンで止め、クルクルっと回って取る。しばし踊り、今度は大きな籠を持って来て、舞台左手の方からイヤリング、ウサギ耳、手首にしていたワイシャツの袖口の様なものを放り投げて籠に入れる。そして、ピンクのナイトウェアーに着替えてベットへと流れて行く。本舞台上に椅子があり、その上に座りながらの進入である。

ベットは佐野の持ち前の甘いマスクと、柔軟な演技でお客を魅了して行く。オープンショーでは、白いコットンのワンピースに、お腹のチョット上辺りに赤い刺繍のラインか横に一回り回っているだけの、シンプルなデザインのものだった。そして明るく楽しく進行して行く。プレゼントも多数あり、中々充実したステージだった。

2.華すみれ

エキゾチックな雰囲気を会場いっぱいに充満させて登場する華すみれ。鳳凰のカラフルな冠を頭に乗せ、胸を覆い隠すように左右対称に、やはり鳳凰のきらびやかな刺繍が施された衣裳。紺色のスパンコールで飾り立てられ、下は、紺のシースルーのスカートに、更に同じシースルーのズボンをはいており、裾の所にも、紺のスパンコールで縁取りがある。その縁のスパンコールの部分に、金のラインが入っている。とてもきらびやかで、美しい衣裳である。この衣裳を見るだけでも、十分に楽しむ事が出来る。

しかしながら、そんな美しい衣裳といえども、「華すみれ」の「上品な微笑(びしょう)」を引き立てるための一つのフレームに過ぎない。スローテンポの踊りが続く出し物なのだが、退屈な感じはしない。むしろ、緩やかな時の流れの中で、揺ら揺らと見る者の心をリラックスさせてくれる、環境的なステージングは、特筆ものである。「踊りを見せる」のではなく、「踊りを魅せる」と言ったタイプの踊り子さんなのだ。

私は「華すみれ」のポラを撮らせてもらったのだが、とかく、事務的に流れやすいこのポラショーでも、おっとりとしていて十分に納得のいく、ポラを撮らせてもらった。写真を渡す際も、さりげなくルージュをつけてくれるサービスにも、好感を持つ事が出来た。

3.宝美緒

生っ粋のロック座の踊り子さんである。「生っ粋の…」と言ったのは、「宝」 と言う名前による意味だけではない。由緒正しき伝統のあるロック座の踊り子として、高いプライドを持ち、数少なくなった「踊り職人」的なステージ展開を持ち味としている踊り子さんである。

「宝」と言う名前を持つ踊り子さんは、最近少なくなったが、「宝」と言う名前は伊達ではなく、ふやけたお客を叩き出す様な、鋭い視線でお客と勝負する!そんな、プロの踊り子である。この手のタイプの踊り子さんと言えば、他に「宝京子」 「雅麗華」 などがいるが、いずれを取っても、一本筋の通った本物のストリップを見せてくれる数少ない人達だ。

「宝美緒」を見るのは、今日が初めてだったが、私の思い描いていたイメージを遥かに越えた、ハイレベルなステージであり、身のこなしといい、お客を振り回す程の大きな存在感といい、ロック座の踊り子さんならではの、間合いの取り方が嬉しく、私如き素人が、四の五の言える様なステージではなかった。ボクシングに例えるならば、ジャブを出すと見せかけておいて、きついボディーブローが飛び出して来る。今度はボディーブローを警戒してガードを下げると、右ストレートが容赦無く飛んで来ると言った、何とも気をぬく事が出来ない緊張感のある、そして心地の良い正真正銘の正統派ストリップショーであった。ただ、オープンショーをしている時に、ふとどなたかがやらかした仕草にもらした重低音の「フフッ…」と言う笑い声には、戦慄した。(笑い)

また、この方は私と相性がいいのか、結構気に入られてしまったようで、29日の三回目のオープンショーの時には、私に向かって、「あついーーー!」と絶叫してくれたが、私にはどうする事も出来なかった(笑い)また、30日楽日の日には、最初から最後まで、ポーズを取る度に、私に視線を投げかけて来るので、ずーっと、美緒さんから視線を外す事が出来ずに、緊張しながら拝見しなくてはならなかった。

更にまた、楽日の二回目? のときに、リボンさんが投げた紙の細いテープが、天井から釣り下げられたライトに引っかかってしまったのを見て、垂直ジャンプをして、テープを取り除くと言う一幕も有り、お客達から喝采の拍手が鳴り響いていた。そんな美緒さんのオープンの曲は、某レディーの「SOS」で、30秒置き位に私へ視線を投げかけて来るので、クチパクで歌っていた。そうしながら「SOS、チャチャッ!」×2の所を手拍子を合わせて叩いてあげると、気分が良いようだった。

4.坂上なつみ

邦楽のみをBGMに使用した「坂上なつみ」のステージは、中々エネルギッシュな物であった。スラリとした体型にロングの髪が良くに合っている。限りなく黒に近い紺色のワンピース型のロングドレスに、ビーズが細かく全体に施されているので、七色のライトがかわるがわる当てられる度に、衣裳の色彩が変化して見える。その辺りも視覚的にとても面白い。

クリクリっとした大きな眼を更に大きく見開いて、キビキビと踊りをこなしている。坂上の持ち味はとてもスリムなので、ワンピースの横に入ったスリットから見える足のラインが、とても美しい。ベットへの導入は、舞台右手から、白い羽のショールと黒い下着と黒のエナメルのピンヒールのみ着けていて、白い羽のショールで胸を隠しながらソロリそろりと一歩づつ盆へ向かう。盆にはべってからは、四つんばいになり首に掛けたショールの端を手に持ち、ゆっくりと横へ流す。スローな動きも難なくこなす。

ポラショーでは、初々しさがあり、一枚千円と言う値段にもかかわらず、売れ行きは好調であった。お客さんにも、必ず両手で握手をする所などは、とても好感が持てる。ただ、お客のポーズのリクエストの「Vで撮らせて」の注文に、「すみません…V、出来ないんです。」と恐縮し、お客を苦笑させる一幕もあったが、これからどんどん進歩して行くであろう坂上を、永い眼で見守ってあげよう。

休憩

5.柚木真奈 (柚木承認番号001号)

98年2月8日、 私は「沙羅」のステージを見るために川崎ロックを訪れた。その時に初めて「柚木真奈」に遭遇した。その時は少しポッチャリとした色白な肢体に、微笑みを浮かべながら、やはりポップなステップを踏みながらの舞台であった。誰からも愛されていそうな人柄の良い踊り子さんと言う感想を抱きながら見ていた。濃厚な派手さはなかったが、何とも言いがたい暖かさがこの人のステージにはあるとも思っていた。そんな思いはオープンショーの時にブレイクした。

お客の一人一人をとても大事に扱ってくれる人だったのだ。いたずら心を起こした私に、柚木は敏感に反応してくれた。そんな優しくも楽しいオープンショーは初めてのことだった。ステージを見終えてもずっと柚木と共有したわずかな時間が心を離れる事はなかった。その日、川崎ロックからの帰り道、何度も「柚木真奈、柚木真奈…」と繰り返しつぶやきながら彼女のステージを思い返していた。何時の間にか柚木真奈は私の心のアイドルになっていたのだった。

そして今日、再び柚木真奈に会える、ステージを見る事が出来る。朝っぱらから私は浮かれていた。

漆黒の暗闇を切り裂くように光が舞台を照射する。その一瞬の出来事に私は幻惑したが、意識を失わないように身体を緊張させた。息を止め、眼を大きく見開き、そのすべてを見届けようと舞台を見据える。そんな緊張感は虚しく開放されてしまった。舞台上には、純白の衣裳に身を包んだ妖精がひとり、ピュアーな微笑みをたたえ現れた。「柚木真奈」そう、人なつこい眼をした愛らしきダンスの妖精。

ツバの大きな帽子に丈の短いベストの様な上着、ミニスカートにパールホワイトのパンプス。アウトラインに白い花が一列に飾られたレッグカバー、手には白い日傘が握られている。右へ左へと軽快なステップを踏みながら、はじけるようにダンスを繰り広げる。手に持った日傘をまわしながらのパフォーマンス。休憩明けの沈滞していた空気を一気に払拭(ふっしょく)させる新鮮なオーラを場内に充満させている。

舞台右手の隅に置かれた白い椅子に座り、大きなツバの帽子を外し、白いレッグカバーの巻かれた足を上手く使い、アップテンポなリズムを損なう事無く、客の目を釘付けにする。以前見た時よりも柚木のフェイスラインがほっそりしていた。柚木が左へ動けば、客の視線は左へ動き、柚木が右へ動けばお客の視線は右へ動く。誰もが皆柚木のダンスに引き込まれている。私はと言えば、柚木の人なつこい眼を追いかけながら、手のひらがかゆくなる程、手拍子をしている。

曲が代わり、一度引っ込んだ柚木が衣裳を替え、再び登場する。白いシースルーのナイトウエアーに白いエナメルのピンヒール、胸がキュン! となるラヴバラード。本舞台の上でしばしゆるく踊り、ベットへの流れを演出する。そして、花道を横たわりながら二度ローリングし、盆へと進む。

先程までのポップな流れとは打って変わり、甘く切ないベットシーンが展開される。明るく快活な柚木のベットは限りなくロマンチックなものである。しっとりとしたスムーズな動きに眼を奪われたまま、夢の世界へ引き込まれて行く。背中を反らし、恍惚とした表情で視線を宙に泳がせる。すっかり虜となった私は、感極まり思わず 「真奈ちゃん!」 と叫びたくなるが、大切な彼女の舞台の邪魔をしてはならない。すんでの所で思いとどまり、官能の空間に心を埋没させた。

さて、お待ちかねのオープンショーここでは何も遠慮は要らない。思い切り柚木への溜りにたまった情熱をぶつければ良いのだ。手の骨が砕けてしまうのではないかと思われるほど、手拍子をしながら柚木が来てくれるのを待つ。満面の笑顔を振りまきながら、柚木はお客へサービスする。満足そうなお客達の表情がここからも見て取れる。そして、ようやく私の待ち望んでいた時間がやって来た! 今だ!

私は素早くローソンのビニール袋の中から、貢ぎ物を取り出し、柚木の前へ差し出す。今回は五月の定番、「こいのぼり」だ! もちろん、ウケを狙った物であり、それを手に持って踊ってくれたら、どんなにかお客も楽しめるだろうか、と狙っていた。それに付け加えて、噂の 「シアターずいてんオリジナルポストカード」 に柚木へのメッセージを書き込んだものを手渡した。さて、当の柚木はどうしただろうか。

柚木は、唐突に差し出された不可解な 「こいのぼり」 を見て、爆笑するかと思ったらば、さにあらず、とても丁重に「どうもありがとうございます」と言ってくれた。私は内心、ズルッとコケたが、こんな馬鹿にしたような物に対してまで、丁寧な御礼を言ってくれる柚木真奈と言う誠実な踊り子に心から拍手を送った。そして、ずいてんの送ったカードには、興味を持ったらしく、チラチラと見ながら盆の方へ再び戻って行った。それで終わった… と思っていた所が、何と柚木はずいてんの送ったカードを胸元へ差し込んだ。この時、私は痛切に思った。私はカードになりたい…

柚木は、そのままカードを他のお客へ見せびらかす様に胸元へさしたまま、オープンショーが終わるまで、踊り続けた。私にとっては、思いがけない柚木の「粋な計らい」に狂喜していたが、この事で某氏は私の事を 「ずいてん」 だと確認されたそうである。

三回目のステージの時だが、この回のフィナーレを見て帰る事にしたので、今日の柚木のステージを見た感想を、ずいてん名刺の裏側に書いて、やはりオープンショーの時に手渡した。すると、パブリックなショーの中、私の為だけにほんの一瞬だったが、時間を割いて私の為だけに(思い込みの強い男だ…)私の為だ… クドイか… 開脚オープンをしてくれた。そこまではとても手放しに喜んで居たのだが、次の瞬間!私のずいてん名刺をひとさし指と薬指の間に挟み、更に中指を添え、何と! 大切な局部にあてがってしまったのだ! お主はなんちゅー事を…さすがの私も、「えーーーーっ!」 と声を出して叫んでしまった。

すると何となく自分のとった行動に気がついた柚木は、「あっ!」 と声を漏らし、その後、私を見つめながら大爆笑していた。その光景を見ていた周りのお客達も大爆笑して、私の周りは笑いの渦が広がってしまった。「そんなぁ…」 と第二声を発した私ではあったが、心の中では、爆笑していた。こんな大爆笑のオープンショーで楽しめるのも、相手が柚木真奈ならではの事だ。

ラストフィナーレでは、本舞台の上で横一列に並んでいる時にもかかわらず、舞台の上から 「今日はホントにありがとーねー!」 と声を出して、言ってくれた。何と言う義理堅い素晴らしい踊り子であろうか。地方遠征をしない私にとって、再び柚木真奈に会える日はいつになる事か分からないが、いつまでも彼女の事を心の中で応援し続ける事だろう。

6.安藤有里

柚木真奈のステージの残像に浸りきって夢心地の私に、「渇!」を入れるように安藤有里は登場した。安藤有里を川崎の舞台で見るのは初めてだった。三月の十五日、浅草ロック座でのステージでは、美しくエレガントな天使の様な安藤のステージを堪能していた私だったので、今日はどんなステージを見せてくれるのだろう…と、とても期待していた。

ライトを七分通りに押さえたステージの中、スポットを浴びて現れた安藤は、黒ベースに白の細い立てのストライプが入った男物のスーツに、つや消しの黒いシルクハット調の帽子を目深にかむり、やはり黒のショートブーツ仕様のダンシィングシューズと言う出でたちだ!

私は興奮した!安藤有里のタイトでハードボイルドな飛び切り上等なダンスが見られる! 胸がワクワク、ドキドキしていた。私は安藤のこの様なステージが大好きだ。もちろん天使の様な美しい出し物は素敵なのだが、体格に恵まれ芸術的な女性らしさを持つ安藤の魅力を最大限に演出するのは、この様なスリル、サスぺンス、そしてタイトなハードボイルドなステージだと私は思っている。

「男装の麗人」 まさに眼のまえにいる安藤を一言で言い表した言葉だった。ブラックなイメージのBGMでカチッ! カチッ! とした絶妙な動き、見ている側の思う所で気持ち良くポーズが決まる。スリムな安藤がダボっとルーズに着こなすブラックスーツが何とも言えぬ色気を発散している。顔の表情は、ぱっちりとした黒い瞳に、いくぶん開いた紅い唇、そしてそこから見られる真っ白な歯。髪は前髪だけを束ねて帽子をかぶっているので、顔の輪郭が浮き立っている。何ともセクシーだ。何の言葉も思い浮かばない程、安藤のダンスを見る事にのみ、私は没頭していた。

曲が替り、帽子と上着を脱ぎ、白いワイシャツとサスペンダー付きのズボン姿になり、ステージの真ん中に立つ。ミディアムテンポのタイトな曲に合わせ、スボンのジッパーだけをゆっくりとじらす様に引き降ろし、本舞台左手の奥へ流れて行く。そこで、BGMが流れつづける中、座り込んでサスペンダーを肩から外し、ズボンを脱ぎ、ダンシィングシューズから黒い皮のロングブーツに履き替える。

この一連の流れは、やはりロック座の伝統的なパフォーマンスであり、ロック座所属の踊り子! と言うプライドを暗にお客にアピールしているのかも知れない。また、そんなパフォーマンスを見る事によって、お客達も「ロック座に来ているのだ」と言う、存在感を自覚出来るのかも知れない。

極自然な流れの中で、着替えが済んだようだ。そろりそろりと舞台の中央で白いワイシャツのボタンに、細く長い指がかかり、一つ、また一つとボタンを外して行く。思わずため息が聞こえて来る様な会場の中で、安藤はすべてのボタンを外した。花道を抜け、前盆へと進む。膝の上まであるブーツが印象的だ。黒い網のストッキングをガーターベルトで吊り、黒い下着に白いワイシャツが絶妙なコントラストをかもし出している。ボリュームカ感のある美しい黒髪が白い安藤の顔に掛かる。黒く透き通る様な瞳が、男達の心を見透かす様に光る。髪を掻き揚げるしぐさが悩ましい。

そして「男装の麗人」は、なまめかしい女に戻る時がやって来たのだ。痩身な体躯には有り余る程のたおやかな胸の膨らみが、黒いシースルーのブラから透けて見える。そして、ワイシャツを脱ぎ、いよいよ自由を抑圧している黒い下着から自らを解き放つのだ。体のラインが美しい。高浜省吾がもし、この会場にいたならば、是非ともあの繊細なタッチの水彩画で、安藤有里を描いてもらいたいものだ。

「男装の麗人」と言うのは、ボーイッシュな人が演じるよりも、安藤有里の様な、極めて美しく女性的な人が、その華奢な姿を隠して演じる事で、今回の様な極上のインパクトのある舞台が成立するのだと、私は思う。ストリップファンの人なら、いや、そうでなくても一度は見ておきたい素晴らしいステージであった。

オープンショーでは、やはりシンプルな白のコットンのワンピースに、スクエアトゥーのライトスチィールブルーの靴を履いていた。派手なポーズはとらずに、座ったままオープンして手拍子をしている。ポジションは主に、前盆の上と花道脇の本舞台の所で、花道は通過するだけだった。ただし、本舞台上にとどまっている時間は、割と短いので早めに贈り物はしないと、すぐに幕がしまってしまう。ここがスムーズに渡せないと、リボンさんがタイミングをつかむのに焦る事になってしまうので、注意が必要だった。

7.斎藤容子

3月の浅草ロック座で斎藤を見た時、驚いた。ピンクパンサーの出し物を演じていた川崎で見た時は、ポッチャリとした可愛い斎藤であったのだが、何時の間にかすっかりシェイプアップされ、可愛いというよりも、すっかり美しく変身していた。そんな事を思い返しながら、今日の川崎ロックにやって来た。果たして演技派の斎藤は、どんなステージを見せてくれるのだろう。

黒い幕が引かれている所から始まる。メッシュのライトが幕にあてられるとヘビメタの曲が吠える。そしてゆっくりと幕が開いて行く。舞台の床に頭を右に向け、背中を向けて倒れ込んでいる斎藤。ヨロヨロと頭をもたげると、舞台右手のライトのパイプから太く重い鎖が斎藤の首へつながっていた。出でたちはすべて黒で統一されている。黒のスリップ、それもボロボロに引き裂かれたようになっている。そして黒い網のストッキング、靴は履いていない。腕には黒のカバーをしている。また、ベージュ色の皮の太い犬の首輪に鎖がつながっていた。

そして、斎藤は曲に合わせて、苦しそうにもがく。鎖を引き摺りながら、花道の方へ長い髪を振り乱しながら、這って行く。そして鎖に引っ張られるようにして本舞台の方へ戻って行く。舞台左手の隅に椅子が置いてあるのだが、そこでもがく。そしてもがきながら首輪をはずし、腕のカバーを外し、それを引き千切るような仕草で投げ捨てる。そして、椅子の所へ行き、右足のストッキングだけを脱ぎ捨て、スリップも脱ぐ。そうすると下は、ボディースーツだった。ひたすらその様な「もがき」の演技が終わると、椅子を引きずって舞台左手の袖へ消える。

曲が変わり、ひなびたようなライティングの中、左手より憂い顔をした斎藤が寂しそうな顔をして、ぽつり、ぽつりと歩きながら登場する。白い衣裳で統一されている。フレアーなレースのワンピースの仕様で、靴も白いハイヒールだ。そしてベットへ流れる。選曲されていたバラードがすっごく綺麗な曲で、斎藤の真っ白な衣裳、くっきりとした目鼻立ちで、魅力たっぷりのベットだった。

オープンショー! 真っ白い白い羽がぐるりと回っているツバの広い帽子に白のシースルーの短いマントに白いツーピースの衣裳で、明るく元気に振る舞う。白ずくめの衣裳だったので、小さくて厚い真っ赤な唇が印象的だ。MY OH MY SO NEVER SAY GOODBYE ! MY OH MY SO YOU AND MEと歌いながらの楽しい斎藤のオープンショーであった。

斎藤のファンはとても多い。青年からおトウチャン、おじいちゃんに至るまで、年齢不問である。やはりスターの素質が元々あるのだろう。斎藤のベットの間中、自分の世界の中で泳いでいるお父さんは、よほど斎藤のファンなのだろう。気持ちは分かるが、ベットの最中だよ〜(楽日より)

8.フィナーレ

何故に真奈さんの隣に美緒さんが立っているのだろう。真奈さんに手を振ると、美緒さんがニッコリ笑って手を振ってくれる(笑い)その横で真奈さんがありがとうね! と顔中で言ってくれる。有里さんの短い真っ赤なチャイニーズドレスが眼を引く。容子さんはとても楽しそうにニコニコ微笑んでいた。