もずのわくわく劇場日記 No.21-2


1998年 6月14日(日) いわきミュージック

ずいてん始末記! 観劇 編


いきなりポラ!


取りあえず場内へ入って見ると、刺青を派手に入れた御姐さんがポラショーをしている所だった。何処へ座ろうか…結局、盆前の真っ正面に座ってしまった。(笑)

駆けつけ一枚と言う言葉があるように、折角のポラショーだし、御姐さんは綺麗だし、撮らせてもらおうと、財布から1000円札を取り出し、御姐さんへ払い、一枚撮らせて頂いた。ポーズは「L・エル」だった。御姐さんが何も言わないうちに、ポーズをしたので、そのまま撮った。

写真を撮って、感光されるのを待つ。徐々に御姐さんの姿が浮き出てきた。なかなか良く撮れていたので、満足する。しかし、撮った御姐さんの名前が分からない。サインをしてくれたのだが、サインだから誰なのか読めない…仕方なく私のとなりに座っているおじさんに、聞いて見る。

「すみませんが、あの御姐さんのお名前をご存知でしょうか?」

おじさんは、しばし思い出すように「たしかぁ…あいねさんとか言う人だったかなぁ…」そう答えてくれた。えっ!ホントに?『あいね』さん…と言えば、名前だけは知っていた。たしかスルドイ踊りをするスーパーダンサーの方だと言うのを噂に聞いていた。そんな人にここでお目にかかれるとは、考えてもいなかった。ラッキー!だ。

しかし、ポラをやっていると言う事は、ステージは次の回まで待たなくてはならないのか…まぁ、今夜は帰りの電車を気にする必要はないので、楽しみに待つ事にしよう。しかし、ロック座の踊り子さんのポラがとれるなんて、ラッキーだ。やはり来て良かった!

ポラショーも終わり、次の人は…外人さんだった。シン**さんと言うアナウンスがあった。プロンドのソバージュのかかった長い髪が印象的だ。BGMに乗せて軽く流し、後は定番のタッチショーだった。何しろ客が10人しかいないので、今日はタッチしない訳には行かない…仕方ない、久しぶりに触りまくるか!本舞台の花道のお客から順に、タッチして来るのだが、ウエットティシュが一枚しかないのは経費の節減だろうか…一枚のウエットティシュを使い回しにするのなら、かえって手など拭かない方が衛生的かも知れない…

さて、私の番だ。考えて見るとタッチショーに参加するのは1年半ぶりくらいになるだろうか。手を拭いてもらい、さりげなく胸にタッチする。うーん…久しぶりの感覚で、そう言えば女性の胸は、こんな感触だったなぁ…と思い出し、別にどうと言う事も無くサンキューと言って、お終い。(なに期待してんだよー)
所が、客が10人しかいないものだから、一回りしてきても、持ち時間がたっぷり余っている。シン**さんは、この後どうしただろうか?答えは簡単!もう一度最初の人からタッチショーの続きを始めた。(笑)

さっきまでは、お客のお父さん達も、初めてだったためか、緊張してタッチしていたのだろうが、さすがに2回目となるとすっかり緊張もとれ、口数も多くなり、タッチの度合いも過激になって来た。とにかく、「触る」と言うよりも、「つまむ」「握る」「引っ張る」「舐める」「ヘソに指を突っ込む」…なんじゃこりゃ?こんなタッチ見たことない。それでも、踊り子?さんも手慣れたもので、適当に「お〜NO〜!」などと言いながらかわしていた。私は、同じ人に何回もタッチしてもしょうがないなぁ…と思いながら、手早くサッ!と軽く流して、次の人へ送る。

第二ラウンドも終わったのに、まだ時間が残っているようで、どうするのかと思っていたら、性懲りも無く第三ラウンドが始ってしまった…(苦笑)

さすがに、お父さん達ももういいよ!と言いたげに、ノルマをこなす様に胸をなぜていた。踊り子さんも、あくびをしながら、まだ終わらないの?といいたげに、投光室を見上げていると、マイクで「そろそろ終わりにしようか…」と言う声が流れて来た。(笑い)再びなんじゃこりゃ?

その次、イ*ンさん。

BGMに乗せて軽くステップだけ踏み、タッチショー。ヤンキー娘なのかやたらにテンションが高い。良く喋る。雰囲気はお父さんたちの宴会の続きみたいな感じで、ワイワイにぎやかに騒ぎながら、まぁ、楽しい雰囲気で悪い感じはしない。しかし、やっぱりウエットティシュは一枚だしなぁ…ともかくイ*ンさんは、グラマーな体つきで、いわゆる「巨乳」さんだった。こんな人を見たお父さん達は、黙っている訳が無い。もう、かきむしるようにタッチ…と言うより、「つかむ!」「まわす」「押す」和気あいあいと楽しくやっているのが、せめてもの救いか…

私の番が回ってくる。さすがにこんなに立派なものは触った事が無い。どっからタッチしたら良いものか考えてしまった。たしかにでかい!重い!ただの「肉」みたいで、色っぽくも何とも無い…ちなみに私は「巨乳」と呼ばれるものは、好きではない。こんなところで私の好みを言っても仕方ないが、私は小さくて形の良いおっぱいが好きだ(^^;

さて、もうタッチショーは飽きた。ちゃんと踊ってくれる人はいないのか!と、思っているとようやくお目当ての「東不美」さんが登場してくれた。

東二美


今までのタッチショーの雰囲気が大音響のヘビメタで、吹っ飛んだ!一瞬にしてミニロック座の空気が充満して来る。胸が期待で締め付けられる。心地よい緊張感に包まれていると、本舞台しも手の袖から、黒い衣裳をつけた東二美が飛び出す!やはりタッチシヨーよりも、この方が興奮する。激しいノリの曲に呼吸するように東二美が、踊りまくる!黒くて量の多いロングヘアーが乱れるのも気にせず、実に気持ち良く踊る。黒いエナメルのノースリーブの上着に、やはり黒のエナメルのミニスカート、御揃いのエナメルの黒いロングブーツ!照明が物足りない…しかし、そんな事はお構いなくズケズケと骨太のダンスを披露する。

あの時に浅草で見た新人の東二美が、今はこんなに凄いダンスをするのか!私はただ、ただ驚きとともに、東二美のステージを食い入るように見入る。もちろん、踊りの事など良く分からないであろうお父さん達も、東二美のパワフルなダンスに引き摺り込まれて、私と同じく手拍子を打っていた。黒い衣裳の間に見える東二美の素肌が、艶を帯びたようにセクシーだ。カチッ!カチッ!とした決めの素早い動き、身のこなし、やはりロック座の踊り子と言うプライドがそうさせるのか!なんとも嬉しい限りだ。うーん、ワクワクして来た。こうでなくてはいけない。こう来なくちゃ面白くない!

私は力いっぱい東二美のステージを応援するために手拍子を打った!曲が代わり、ブルースっぽい曲がかかり、東二美はエナメルの質感の衣裳を上着から脱ぎ、スカートも脱ぐ。衣裳を舞台の袖へ放り投げると、黒のボディコン姿になった。ブーツは履いたまま。先程のパワーで押しまくる踊りとは雰囲気を変え、大人っぽい溜めのある動きを見せてくれる。ブルース特有の物悲しい湿った感じが、上手く表現出来ている。男と女の悲しさ、淋しさなどを指先で転がすように、クールな演技が心を冷やす。そんなイメージを引きずったまま、ベットへ流れて行く。

正直言って、だいぶ体が柔軟になったようだ。あの時浅草で見たような、ロボットの様な体の硬さは、みじんも見えない。溜め息ものだ…ベットでは、甘さと言うよりも、ブラックコーヒーの様なほろ苦い、独特の世界をかもしだす。しかし、本当に上手くなったと言ってあげたい。黒いボディコンを下からめくりあげると、対照的な白い素肌が露出される。セクシーだ。十分に私の欲求を満たしてくれた。拍手を贈りたい。

ベットショーが終わると、ポラになった。白い長めのネグリジェと言った衣裳で、これまた雰囲気の切り替えに持ってこいの衣裳だ。私は迷わず千円札を出して、ボラを撮らせてもらおうと、手を上げた。二美さんがやって来た。

「こんにちは、東二美です。どうもありがとうございます。」というので、私は二美さんに言った。「こんにちは、二美さんのソロステージを見るのは今日が初めてなんですけど、ダンス上手くなりましたねぇ…びっくりしました。」二美さんはそっちの事に驚いたようで、「へぇー、私の事、何処で見たんですか?」というので、「去年浅草ロック座で、群舞だけやってましたでしょ?あの時に見てました。」そう言うと、二美さんは床にべったりと座り込んで、「あー、あの時ねぇ…あの時は、御姉さん達について行くのが、必死だったから、夢中だったものね。とても人に見せられるようなもんじゃなかったよね。(笑)」ちょっと懐かしい様な視線で話していた。

私は、「でも、あの時はまだ新人さんだったからね。インパクトはありましたよ!あの時に私、東不美の名前を憶えましたから。」というと、二美さんは、ニッ!と笑って、言った。「ふふふ、私まだ新人だからね。」私は二美さんがテレ隠しに、そんな事を言ったのだと思ったが二美さんは「あたしは今でも新人なんだって思って、毎日踊っているの。ヘンに舞台になれちゃうと、見えて来る物が見えなくなっちゃうでしょ!だからね、毎日新人なんだって思って、いつもドキドキしながら舞台に立っているのよ。そんなドキドキするような気持ちがね無くなっちゃうと、きっといいものが出来なくなっちゃうと思うから、何処かに新鮮な気持ちを残しておきたいの。」そんな風にスッパリと言い切る二美さんは、輝いているな!と思った。一度見て、通り過ぎて行くお客が多いこの様な劇場でも、自分なりのポリシーをもって、力強いステージをしている不美さんは、魅力的だった。

結構、長い間ポラショーと言う事を忘れたように、二美さんとおしゃべりしていたのに、他のお客さんが文句も言わず、黙っていたものだとあたりをそれとなく見ると、他のお客さん達は、私と二美さんの会話を聞いて楽しんでいたようだった。別にトークショーではないんだけど…(笑い)そして、二美さんも思い出したように、「そうそう、ポラだった!」といいながら、続けた。

「せっかく来てくれたんだから、二美とツーショット撮りませんか?」唐突にそう言われて、チョット焦った。ポラはたまには撮っていたけれど、さすがにツーショット!と言うのは撮った事が無くて、どうしようか迷ったが、一枚くらい撮ってみてもいっか!と、お言葉に甘えて、盆の上に上がり込んだ。そして、二美さんの横に並ぼうとしたら、二美さんはそっちじゃ無くて、私の後ろへ来てくれと言う。何でだろう?と思っていると、後ろから二美を足で挟んでくれと言う。そんな事をいきなり言われて、すっかり気持ちが動転してしまった。

「そんな事したら、死んじゃいますよ!」と私。「何で?死んじゃうの?」と二美。「だって、恥ずかしいじゃないですか!」と私。「じゃあ、二美と一緒に心中して!(笑い)」「ふ、普通にならんで撮ってくれればいいですよ!(汗)」と私。「なぁーんで?つまんないよー!」と二美。「つまんなくっても、いいですからぁ…」と私。「しょーがない人ね!」と二美。「どうせ私はしょーがない奴ですよ。」と言うやり取りを、お客さんたちは、ヒューヒュー言いながら楽しんでいた。

そして、普通にならんで撮ると言う事で話がつき、いざお客さんに二美さんがカメラを渡して、撮ってもらおうとすると、今度はお客さんが逃げ出した。ストリップに旅の勢いで入って来たような人ばかりだったので、ポラとかに馴れていない。何をどうしたら良いのか、分かっていない人達のようで、急にトイレに行く人はいるし、席を替ろうとし始める人はいるし、シャッターを切ってもらうだけなのに、やたら時間がかかってしまった。二美さんがようやく若そうな人に頼み込んで、OK!もらうまでの間、私は一人盆の上で座っていた。何と言う間の抜けた話だろう…

ようやく二美さんとならんで、ツーショットをとる事が出来た時には、時間が来てしまい、結局この時のポラは私一人のためだけにあったようなものになってしまった。(笑い)何と言う贅沢な…出来た写真にプリクラを貼ってくれ、サインも書いてくれた。このポラは、私にとっては思いで深い一枚になった。しかし、二美さんの横で、ニンマリしているおじさんは何処の誰だろう…もう、ツーショットは撮らない事にしよう。(苦笑)

そんな一騒動あった後、次の踊り子さんの登場だ。

*ッキーさん。外人さんなので、またしても踊らず、タッチのパターンだろうと思っていたが、そうではなかった。この人はフランス人かな?と思えるような、チャーミングでスラリとした、細身の美しいひとだ。ブロンドの腰まであるロングヘアーがとても良く似合っていた。なのに何故か、スカイブルーの腰みのをつけており、衣裳はフラダンスだ。そして、手にはやはりクリスタルブルーのタンバリンを持っていて、BGMはユーロビート。曲に合わせてタンバリンをたたいてクルクル廻っている。???良く分かんない…
とにかく、ここへ出て来る外人さんでは、一番普通に、気持ち良く踊ってくれたので、手拍子などしていた。しかし、一通り踊ったあとやっぱりタッチショーとなってしまった。所が、これがまたどうした訳か、本舞台中央でおじぎをした後、何故か盆の正面に座っている私をめがけて真っ直ぐ歩いて来た!私は「ん?」と固まっていると、*ッキーさんはニコニコしながら私の所へ来て、手を出せと言って来た。タッチはいいけど、何も私から始めなくても…そんなに私はすけべに見えたのだろうか?(苦笑)

まぁいいや、軽くサラリと流して終わりにしようと、言われるままに手を出して、拭いてもらった後、お決まりのタッチショーとなった。けっして乳房を揉むような真似はせず、サラリとタッチして、サンキューと彼女に言い、終わろうとした時、彼女は、白くてスマートなボディーを私に押し付けて来た。そして、細くて長い腕を私の肩から首に回し、私の顔を引き寄せるように抱きしめる。私は彼女の形の良い胸に顔を埋めた形になった。場内の他のお客から、おぉーーーっ!と言う歓声が起きた! 私は突然の出来事にドギマギして彼女から離れようとしたが、彼女の細長い腕が私にからみついていて、身動きが出来ない…何となく嬉しいような悲しいような…彼女は顔を傾けて私の耳元でささやくように「まだ終わらないよ…」というと、私の耳へキスをする。彼女の息が熱く耳元にかかる…私はもう、どうしていいのやら分からなくて、固まってしまった。

彼女の甘い香りが鼻をくすぐる…何となく夢の中にいるようで、溶けてしまいそうだ。どうしたら良いのだろう…思考回路が作動しなくなってしまい、彼女の耳元で「とっても良い匂い…」と取り止めも無い事を口走ると、彼女はさらに誘惑するように私の耳元で、「ふっふっふ…」と、含み笑いをした。遠くの方でお客がざわついているのが分かる。気がつくとライトが当っているようだ。BGMも踊り子さんがショーをしている時と同じ音量で鳴っている。フランス語のような切ないバラードが流れていた。なんじゃこりぁぁぁぁぁ……

それなのに何故かこの雰囲気から抜け出せなくて、まいったなぁ…と思っていると、彼女が何かゴソゴソ動いているのが分かる。何しているのだろう?と思って、私もモゾモゾ彼女のことを見上げると、彼女はベットを踊っていた。ん???とすると…私は彼女のベットの相手役と言う訳なんだろうか?パニック!になってしまった。どーしよう!焦りまくりながらもBGMのバラードが気持ち良く気分を盛り立てる。この時に私はふと!思った。踊り子さん達はこんな気分の良い環境で、ベットを演じていたのだろうか…これはナルシストの踊り子さんにとっては、この上も無く快感だろうなぁ…と思った。真奈さんが「ダンスよりも、ベットの方が好き」と言っていた事が、良く理解出来た。

こうなりゃこっちも破れかぶれだ!恥を捨てて、ベットの相手役でも何でもやってやろうじゃないか!どすこいだ!と、自分の気持ちを高めるために、BGMのバラードに耳を傾けながら、自分なりにイメージを描く。テーマは「フランス映画」「エマニュエル夫人」のように、美しくも限りなくエロチックな世界を表現しようと心に決め、彼女の甘い香りの中、細い背中を抱きしめ、触るか触らないかくらいに、彼女の背中に手を滑らせる。彼女のブロンドの長い髪が私の指にからむ。再び彼女が私の顔を両手で抱きしめ、細面の彼女の顔が、私の髪に密着する。彼女はゆっくりとした動作で私の髪をくしゃくしゃにする。彼女の胸にうずまっている私の耳に、彼女の心音がドキドキと聞こえて来る。

私は彼女の肩に手を置き、そこからゆっくりと腕を手先に向かってなぜるように手を滑らせて行く。片手を下へ向かって、斜めに伸ばしている彼女は残りの右手を私の首にからませている。私は滑らせていった手で、彼女の手を握り、次に彼女の指と指の間に自分の指をうまく挟み込み、曲に合わせるようにゆっくりと肘を折り、彼女の肩口まで持って行く。そして、左手は彼女の腰へ回して支えるようにし、握りしめた右手で彼女の肩を徐々に押して見る。彼女のレスポンスも反応が良い。そのまま彼女は私の意図するとおり、ゆっくりと背中を後ろへ反らして行く。私は握っていた彼女の手を放し、両手で彼女の腰を支える。

私が思っている以上に彼女の体は柔らかく、何処までものけぞって行く。もうこれ以上曲がらない、という所まで彼女に任せたまま、私は思っていた。普段、踊り子さん達がベットを演じている時、いともたやすくブリッジをしているが、実際に、見ているだけでなく踊り子さんに触れたまま、後ろへのけぞってもらうと、これほどすごいものなのかと、改めて感心してしまった。踊り子さんの筋肉や筋が、グゥーッと伸びたり、ちじんだりして行く肉感と言うか、触感というのか、言葉には言い表わせない感動がある…

彼女は私に腰を支えられたまま、のけぞってなお、両手を中に泳がして演じていた。気の済むまでやらせて置いてから、元に戻り、私の耳を軽く噛み、わざと熱い息をかけるように「アリガトウ…」とささやき、ようやく彼女のベットが終わったようだ。BGMも終わった。

私も自分なりに結構ナルシストなんだなぁ…と思っていたら、客席から拍手が起きたのには、びっくりした…それにしても、踊り子さんのベットの相手役など、めったに出来る経験ではない。もちろんこんなのは初体験だし、これからも経験する事は出来ないであろう…いゃぁ、大変貴重な体験だった。

あいね嬢

*ッキーが終わったあと、誰が出て来るのだろうと、期待していたら、場内アナウンスによると、あいね嬢のようだ。と言う事は、どうやら香盤がこれで一巡したようだ。とにかく、スーパーダンサーの異名を取るあいね嬢のステージをワクワクしながら待ちわびる。テンポの早いリズミックな曲が流れて来た。あいね嬢は黒いスーツ風の飾り気の無いシンプルな衣裳で、黒いショートブーツのダンシィングシューズ、紐でくくってあるもので、4月下の川崎で安藤有里嬢が履いていたタイプのものだ。BGMといい、衣裳といい、あいね嬢の引き締まった表情といい、統一性の高いハードボイルドなステージがスタートした。

本舞台中央で体全体を使い、リズムを刻む。右手を天井へ向けて振り上げる。シュッ!と音が聞こえるくらい鋭い身のこなし、この一瞬だけであいね嬢のレベルの高さが私には分かってしまった。腕の付け根から中指の爪の先に至るこのわずかの距離の間にも、並み外れたダンシィングスピリットが、ほとばしる。まさに居合い抜きの緊張感、静寂、静から動へ一気に転じる氷の様な冷ややかな動き。近寄るものはすべてぶった斬る!そう言った空気が舞台の上で野放しになっていた。

小柄なあいね嬢の何処からこれほどのパワーが湧き出て来るものかは分からないが、素人目に見ても彼女の踊りのキレの良さは一目瞭然であろう。腕を曲げる、顔を背ける、ハイキックは顔までついてしまう!一つ一つの技に何の無駄も無い。すべて計算し尽くされた完成度の高いシビアなステージングに私はひたすら見入る。放心する。息を止める!もはや場内の誰もが私と同じ思いに浸っているだろう。

噂には聞いていたが、これほどまでにスルドイ踊り子さんだとは知らなかった。タイトでヘヴィーな感じの曲が終わると、拍手のさなか一度しも手へ引っ込み、衣裳を代える。次の曲はライトな感じの明るめなアップテンポな曲。先程の緊張感の糸をぷっつりと切ったように、穏やかな微笑みを浮かべてとても柔らかく優雅に舞う。衣裳はオレンジとグリーンの配色をしたプリント柄の、フレアーなワンピース。長いスカートの裾が、まるで春風に吹かれて恥ずかしげに揺れる少女のうぶな心のようだ。手先の演技がそよそよとしなやかで美しい。先程のヘヴィーなダンスからこの様なデリケートなダンスまでこなしてしまう何と言う芸の広さか。スカートをつっている肩の紐を滑らせ、素肌が露出する。ベットへの導入…背中の小ささに思わずホロリとする。しかし、彼女の右腕のひじから肩、乳房の上辺りまで、ニシキヘビだろうかTATTOOが刻まれている。女の柔肌とニシキヘビのからみつくコントラストがかもしだす、怪しげで妖艶なエロチシズムが絶妙のバランスで浮かび上がる。どこをとってもスーパーダンサーと呼ぶのにふさわしいあいね嬢の華麗なステージに脱帽した。

舞台は一変して、ポラロイドショーとなる。「はいどーも、あいねでーす。」ちょっと高めの声に一本芯がとおった声をしていた。先程は誰なのかも知らずに、ポラを撮ってしまったので、今度はちゃんとあいねさんだと認知して撮らせてもらおうと、手を上げた。「ありがとー!」と、嬉しげに私の所へやって来た。あいね嬢は私が声を発する前に、私へ声をかけて来た。意味不明にあははっ!と笑われたので、どうしたのだろうとあっけに取られる私を見て、あいねさんは言った。

「お客さん!随分と真剣にアタシの事見ててくれたねぇ。焦ったよ!(笑い)」私は「えっ?」と漏らした。「眼が鋭かったよ、気がついてからうぅ、見られてる!って感じで、思わず気合入っちゃったもんね!」なんと…鋭いダンスをする人から逆に鋭いと言われ、思わず苦笑してしまった。そんなに視線が鋭かっただろうか…そんなつもりは全然無かったのだが。

またしても「エル」のポーズを作ろうとしていたので、私はあいねさんに注文をつけた。「すみませんが、そのTATTOOが良く写るようにポーズしてくれませんか?」と頼み込むとあいねさんは、「あぁ、これ?気に入ったの?綺麗に撮ってね。」といいながら、体を斜に構え腕をカメラに納まりの良い角度で、こちらに向けてくれた。そうしながらも、こうしようか?こっちの方がいい?などと、色々な角度を試してくれた。恐れ多い事だ。その時に撮ったのが、この写真である。

と、御見せ出来ないのが残念である(笑い)とても気の良い御姐さんだった。

さて、香盤も一回りしたしと言う事で、ロビーへ出た。そして、色々な踊り子さんの写真コレクションでも拝見しようと、ちょいと一服のつもりでタバコに火をつけたら、テケツにいるおかみさんから、いきなり怒られてしまった!

「タバコ吸うなら外へ出て吸いな!」

おっ?外?何で?ここはロビーでタバコ吸えないの?と良く見ると、ドアが入り口とは別にもう一つあって、ドアに喫煙所と貼ってあった。恐る恐る開けて見ると、内庭の様になっていて、そこで吸えるようになっていた…初めてなもんですみませーん!と言おうとしたが、おりしもW杯のサッカーのクロアチア戦をやっていたので、おかみさんも興奮していた。余計な事を言って、また怒られると恐いので、黙って外へ出て休憩した。その場所の壁にも、これから出演予定の踊り子さん達のポスターが一同に並べてあり、興味深く拝見した。それにしてもこれから大物がたくさん出演予定だ。

雅麗華・火の里・村上麗奈・宝京子さんなどびっくりしてしまう。宝京子さんは8月だそうだが…みたい!とても見たい!一昨年だったかなぁ宝京子さんをニューアートで見たのは…やっばり踊りの天才だったし、それ以上にエンタテイメントの天才でもあった。みたい…夏休みの頃だし…何とかならないかなぁ…

さて、改めて写真の見学をしよう。数え切れない程たくさんの踊り子さんの写真が展示されていて、これを見ているだけでも楽しい。一々名前を挙げているときりがないので、その中で私が気に入ったものは、殿田真美子さんのショートカットにパーマをかけて、微笑んでいる物が嬉しかった。ショートカットの殿田真美子さんは、はじめて見た。なかなかかわいい。そして、もう一枚絶品だったのは、黒須麻里さんが、バリバリのアイドルよろしく、少し紗のかかったものすごく可愛く写っているのがあって、これ売ってくれないかなぁ…と、思わず言いそうになってしまった。それと、村上麗奈さんのサイン色紙があったので、これもほしーーーい!と思った。

また、東八千代4.5.6代目の浅草ロック座の襲名披露の時のカレンダーも貼ってあり、まだこれあったの…と、うれしくてたまらなかった。そんな頃丁度日本は負けた…やがて頼んでおいた送迎車が来たので、ホテルへ引き上げた。

ホテルへついて部屋へ戻ると、何処へも出かけなかった仲間が起きていて、何処行って来たの?と言うので、ストリップと答えると、不思議そうな顔をして私の所へ来て、クンクンと犬のように匂いを嗅いでいる。何してんだよ!と言うと、「お前、ソープ行ったろ?」と言うので、「そんな所行ってないよ。」というと、彼は「嘘をつけ!ストリップ見てるだけで、こんなに女の匂いがする筈無い!」と言うのだ。そう、その通り。あの時の*ッキーに抱きしめられていた時にすっかりコロンの匂いが移ってしまったのだ。そうでなくても劇場へ一日中いると、踊り子さん達のコロンの香りが服に染み付いてしまい、家でも「何処行ってきた?」などと言われる事もしばしばある事だ…(苦笑)

仲間には「悪かったね!私一人で楽しんでしまって!」とちょっと気分が良い思いをさせてもらった。(笑い)すぐに着替えて、布団にもぐりこんだのだが、なるほど、寝ていても自分でコロン臭くて寝られなかった…さて、蛙が出る前に早いとこ寝付かなくては…だが間に合わなかった。蛙は私の枕元にいた!そして猛獣の鳴き声も…こりゃ朝まで眠れそうに無いトホホ…