もずのわくわく劇場日記 No.27


2002年1月27日 (日) 渋谷・道劇 「不夜城 編」



■ 今回は渋谷道劇専属、泉希(みずき) & 綾月雪乃(あやつき ゆきの)
  お二人による、ショートストーリー風チームショー「不夜城」を
  お届けいたします。どうぞお楽しみ下さい♪


渋谷道劇・ショートストーリーチームショー

■「不夜城」より


オープニングは暗転している舞台、シモテから綾月が部屋へ忍び込むシーンから始まる。・・・

不信な男の黒い影、黒のレザー(皮)のジャケットに同じくレザーパンツ、そしてやはり黒のブーツに黒の手袋と言う出で立ちで綾月が腰をかがめ、辺りの様子をうかがうようにして登場し、舞台の中央あたりで片ヒザをつく。
丁度、ドアのノブのあたりが顔の位置になる。

どうやら、とあるホテルの一室のドアの鍵をピッキングして施錠を解除し、忍び込もうとしているようである。
そしてテープに録音されている声が流れる。

「オレが歌舞伎町から離れるためには・・・」

ドアの鍵が開いた様で、ノブをゆっくり回しドアを開けて部屋の中へと忍び込み、シモテのソデ近くの床に置いてあるスーツケースのところまで、コツコツと歩いて行く。そしてその前で再びしゃがみ込んだ不信な男(綾月雪乃)は、そのスーツケースを手早く開けると、中を物色しはじめた。

そしてその中から皮の財布のようなものを取りだし、中を開けるとそれはどうやら財布と言うよりも、カードケースの様だ。パラパラと開いてそれらを見た男は愕然とする。どうやら何か重大な意味のあるものらしい。
男にとってそれは余りにも意外なもののようで、その衝撃でにわかに顔が青ざめて行く。そして再びテープに録音された音声が流れ、綾月はそれに合わせ演技をする。

「この女はオレよりも強い人間だ。自分の欲しいものが分っている ! 」

このセリフから分るが、ホテルのこの部屋の借主は女のようだ。
そして、この男はその女の事を見知っている。察するに、この男は知り合いと思えるその女のホテルの部屋に忍び込み、歌舞伎町の闇の世界から逃れるための資金をこっそりと盗み出し、逃亡しようと企て、その女の意外なもう一つの顔を見つけ、愕然としていると言ったシチュエーションのようだ。
そんなところへ女が不意に帰って来た。

男はあわててそのカードケースをスーツケースの中へ投げ込み、ふたを閉めて部屋の奥へ隠れた。(舞台ではカミテのソデへ消える)

ドアの鍵が開いている事には何の不信もいだかず、一人の女がドアを開けて部屋の中へと入って来た。その女は細身なボディーに派手な服装、髪は肩口あたりまでで軽い感じにウェーブのかかった髪で栗色に染められている。
軽やかな足取りだ。見たところ歌舞伎町でホステスか何かをしていると言った感じだ。中々男好きのする仔猫のような人懐こい目をしている。

女は(泉希)出先から戻ったので、くつろごうと手持ちの小物を軽く整理するために部屋の中を動き回っている。すると、部屋の奥の方から (シモテのソデから) 冷たい目をした男 (綾月) が静かに女の (泉希) 背後へと忍び寄って行く。そして女の真後ろへ立つと、左腕を女の肩上から白く細い首に巻き付けると、右手に持っているオートマチックのピストル、ベレッタの銃口を、無造作に女のコメカミに押し当てた。

突然の出来事にハッ ! と身をすくめる女。心臓の鼓動がドキドキと大きく波打つ ! 一瞬、時の流れが止まったかのよう。しかし、女の頭の中では身を守るため、生き延びるための経験と知恵が、無意識に行動となって表れた。

女は (泉希) 、男に命乞いをする訳でもなく、取り乱すでも無く、男好きのするカワイイ顔に微笑みを浮かべゆっくりと身をひるがえすと、男の黒いレザー(皮) のジャケット背中に、滑らかな白い肌の露出する両腕を愛おしく
まわし、化粧の香りのする顔を男の胸へと押し当てる。

男はそんな女の顔を上からじっと見つめる。そしてまとわりついている女の体温をジャケットの上から感じて、そんな女に心の甘さ・隙(すき) を与えてしまう。どうやら女の正体を知り得た今も、この女を愛しているのか・・・

(綾月雪乃) は、女(泉希) を抱きしめる。女の髪の甘い香りが気分を切なくする。男は持っていた拳銃をあっさりと女に取られてしまう。
すると、どこから取り出したものか、女は回転式のリボルバーの拳銃を取り出し、男の顔に向ける。一瞬驚き、両腕をヒジから曲げてホールドアップ。2、3歩後ずさりする。

拳銃の冷たい銃口を男に向けたまま、仔猫のような人懐こい目に、女は不敵な笑みを浮かべた。すると男はホールドアップした腕を、OH NO〜 ! と言う様に手のひらを返し、おどけた仕草と顔で、「もうこんなゲームは止めにしようぜ・・・」とでも言うようにゆっくりと、それでも女の様子を確かめる様に一歩、二歩と近ずいて行き、女の手から拳銃を取り上げ、今度は男の方から女を抱き寄せる。(舞台中央あたり)

すると何故かスローなダンスの曲が流れ、二人は優雅にダンスを始めてしまう。(この辺りのシーンは、申し訳無いが思いっきり笑ってしまった。ハードボイルドなストーリーには、似つかわしくないなぁ〜 と思えたからだ。)

そんなダンスシーンが終わると、抱きしめ合う二人。
二人はその場、床の上に溶け合う様に抱き合ったまま座り込み、顔と顔を寄せ合い唇と唇を重ね合う。(ホ、ホントにキスしたぁ〜っ ! )

そして倒れ込み、寝そべった男の上に女が覆い被さり、体をまさぐリ合う。すると、不意に女は立ち上がり、「シャワー浴びて来るネ♪」と言う仕草で男(綾月雪乃) から離れ、カミテの袖へと消える。一人その場に残された男は座り込む。

胸のポケットから KOOL メンソールのタバコを取りだし火を付け、肺の奥深く吸い込む。頭をカミテ側、足をシモテ側に向け、左手を床につき左足を伸ばし、右足のヒザを立て、はべる様に横座りしながら、ややうつむき加減で思い詰めるしぐさ。

「オレが歌舞伎町から離れるためには、この女について行く方がいいのかも
 しれない・・・ あんな物見なきゃ良かったなぁ・・・」

あんな物とはカードケースの事だ。再びアテレコのセリフが流れる。
しばらくすると、シャワールームからグリーンのバスタオルを素肌の上に巻いた女がカミテのソデから微笑みながら出て来る。そして片ヒザ立てて座っている男の背中越しに甘えるように両腕を回す女。すると男は・・・

「オレの女になりたけばホントの事を言えっ !! 」

と、まとわり付いている女を激しく突き飛ばした。「あぁっ !」 小さな声を立てて床に崩れ落ちた女は、当惑の表情のまま「どうしたの ?」 と男に不安な視線を投げかける。男は床から立ち上がりながら、そんな女を見ていらだつ。「うるさい !」と言う様にぶっきらぼうな足取りで、シモテのソデへ歩いて行きながら、くわえていたタバコをスーツケースの方へ投げ捨て、舞台から消える。

ついシャワーを浴びる前まで、お互いの心は通じ合ったものと思っていた女は、動揺を隠せない。秘密のカードケースを見られていることなど、まったく知らないのだ。しかし、この女もまたこの男同様、男の事を愛しているようだ。しかし、突然の男の態度が豹変した事に、ひとり残された女は、悲嘆に暮れる。

そして女 (泉希) は、盆へと進んで行きベットショーへと流れて行く・・・

------道劇の専属さん達のベットショーは、すべてオナベットである。社長の清水ひとみ女史の方針なのだと言う。何でなんだか自分には良く分らないが、清水ひとみ女史の「こだわり」なんだろうね。

そんなベットショーのエンディングにかぶるように、またしてもカミテのソデから男 (綾月)がゆっくりと登場してきた。その表情は、何かを決意した思い詰めた表情だ。右手には銀のベレッタを無造作に持っている。

Gun イメージそして舞台の中央、バックスクリーンのところ
から足音を忍ばせる様に、盆の上に立っている
(泉希)の背中にゆっくりとそしてしっかりと
した足取りで近づいて行く。男の視線のすぐ目
の前には、女のしっとりとした背中があった。

そんな女の背中には一瞥 (いちべつ) もせず、
不意に後ろから女の首に腕を回し、自由を剥奪(はくだつ)する。そして遠くを見ているような視線で女の頭の右脇に固い銃口を押し当てた。

「うっ !」 女は短く声をあげた。身動きも出来ず、ささやかな抵抗として首を締め上げるようにきつく回された男の腕を両手でつかむ。が、それ以上の事は何も出来ず、男の意思に従うしかなかった。今度はさっきまでの脅しとは違う ! 本気だ ! 女は直感でそう思った。

男は女の首に腕を回したまま、遠くを眺(なが)める様な視線であとずさりするように、女を引きずって行くと、舞台の中央のどんずまり辺りで止まった。女が視線だけで男を降りかえるように一瞥(いちべつ)した。そして視線を正面へ戻した時、覚悟を決めたようだ。

女は男の腕の中で動かない。悲しげな表情と言うよりは、すべてを受け入れた、容認したと言う顔をしている。拳銃のトリガー(引き金)を引こうとしている男と、自分の過去と現在と未来のすべての終末を受け入れた女、それぞれの胸の中に去来する想いとは一体なんなのだろう。金か ? 愛なのか ?
それとも現実からの逃避なのか・・・

ともかく二人にはすでに結論が出ていた。「こうするしかないんだ !」
遠くを見ている男は、静かに拳銃の撃鉄を親指で引き倒し、人差し指が徐々に拳銃のトリガー(引き金)を引き寄せて行く。そして・・・

女の右、側頭部に銃弾は打ち込まれた。
飛び散る女の頭の肉片とおびただしい鮮血が、返り血となって男の黒いジャケットを真っ赤に染めた。(ここは筆者のイメージ)
そして女は、男の腕の中でぐったりとなり、死んだ・・・

------ここでここをクリック♪ するのだ ! (曲/ The Wild Wind by B'z )

たった今まで生きていた女を腕の中に抱き、しばし放心する男。握り締めていた拳銃を力無く床に落とし、女を抱いていた腕の力が抜けた。
すると女は、糸を切られたマリオネットのように床の上に崩れて落ちた。

Gun イメージ2 覚悟していたはずの男だが、ヨタヨタと何かを
 追いかけるような足取りで歩き出し、盆に進む
 と床に倒れ込む。

 そして自分の出した結論に自信を失ったかの
 ような悲痛な表情で胸をかきむしり、みずから
 手にかけた女の体と愛の感触を回想し、それが
女へ捧げるレクイエム(追善供養)だとでも言うように、男役の綾月雪乃がベットを繰り広げて行くのだった・・・

------------ E N D -------------

☆彡 編集後記

いやぁ〜 今回初めて「渋谷道劇」へ行ってみました。もちろん自分の目的は渡辺理緒さんの応援だったのです。がぁ ! この劇場の綺麗さと、観劇環境の良さには驚きました ! まぁ、一般に言われている「天井の低さ」は、確かに否めませんでしたが、喫茶コーナーのゆったりとした作り、そして喫茶コーナーでドリンクを飲み、くつろぎながらも設置されたモニターで舞台の様子を見ながら楽しめるって言うのは、もう抜群に良いですねぇ〜

さすがの自分も最近は、一日中劇場に貼りついているってのが、結構ツライです(苦笑)。ところがこの劇場では、そう言う感覚はほとんど感じないので最高でございます。そのような観劇環境だけではなく、各ステージの流れのテンポの良さ♪

初めは8香盤表で、チームショーもある・・・くたびれそう〜などと先入観と思い込みがあったのですが、それぞれのステージがおよそ16分と言うもので、もうなんて言うか、次々にNEXT ステージがどんどん始まって行く・・・中間の休憩は無いのですが、1〜8までの香盤が終わった後に、結構ゆったり出来る休憩があって、快適にショーを楽しめるんです。
まぁ、お目当ての踊り子さんのショーが短編になってしまうって言うのは苦笑するしか無いですがね・・・

自分が観劇を始めた頃は、割とどこの劇場もこんな感じであったと思い出しました。ところが最近、どこの劇場でもポラタイムがすごい長引いて、香盤の流れがつっかえてしまう時も多く、自分個人的にはこれが疲れる原因の一つであったりするんですけど、まぁ、自分もポラ撮るしね、劇場的にもポラは必要な物だし楽しみにしている人もたくさんいるし・・・

さて、道劇専属踊り子さん達ですが、これがまた若くてピチピチ♪ ハイテンション ! い〜ですねぇ〜♪ 知らないうちにこっちも踊り子さん達のペースに乗せられてしまって、元気良くなっちゃう。(爆♪) 観劇生活もそれなりに長くなっている自分には、何か初心に戻ったって言う気になっちゃって、もうワクワクですぅ〜♪

なんて言うか、やっぱし専属さんがたくさんいるって言うのが、ある意味、道劇のカラーを強く打ち出せるって言う強みかなぁ、ハッキリ言って道劇のチームショーって別に期待していなかったんだけど、ところがぎっちょん !
すごい良かった♪ 

今回始めて見た「不夜城」。
もちろん映画にもなってるし、ビデオも出ている。
映画なら二時間くらいの上演時間あるんでしょ ? それを20分で、舞台で、ストリップでやってしまう ! 驚いちゃうねぇ〜 今回演じたのは綾月雪乃さんと泉希さん。頑張ってました ! 綾月さんの男役が、松田優作みたいでカッコ良かったですし、泉希さんの女役って、もちろん女性なんだけど、すごいかわいくて思わずマジマジと見てしまいました。

んで、このレポートを書くに当たり、やっぱちゃんとビデオ見てストーリーなんかをキチンと追って行った方がいいのかなぁ〜と、一応レンタルしてきているんですが、考えてみると原作の「不夜城」のストーリーをなぞって行っても意味の無い事に気が付きました。えっ ? どうしてかって ?

だって、自分が見たのはストリップの舞台で演じられた「不夜城」ですから、主役はあくまでも綾月さんと泉希さんのお二人。ストリップと言う舞台の中でこれをやってしまうって所が良い訳で、あれはあれ。これはこれ。ちゅー事です。

なので自分もそのように舞台を見ていない人でも、舞台の様子をイメージ出来る様に、出来る限り文章とイメージ画像とMIDI、あの手この手で再現したつもりです。そんな思いが読んで頂けたあなた様に伝わってくれれば、自分は満足でございます。どうでしたでしょう ?

では次回もずのわくわく劇場日記、おっ楽しみにぃ〜 (^_^)V


本日の香盤
(もずの観劇・2回目フィナーレ〜4回目チームショーまで)
  1 森園えりか(S)
  2 渡辺理緒(S)
  3 知奈 樹(S)
  4 真希しおり(P)
  5 五木麗菜(S)
  6 「不夜城」泉希 & 綾月雪乃(チーム)
  7 上條 連 (P)
  8 岬 ゆうら (S)
  10 フィナーレ



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