もずのわくわく劇場日記 No.50


2002年 6月 14日 (金) 新宿ニューアート

「SNAシリーズ Vol.11 」

「シンデレラ even if・・・ そのW」

 〜 葉山小姫 嬢のステージより・イメージストーリー 編 〜


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[ 第四話 Hotel Blue ]

ホテルのドアにカードキーを差し込むと、ドアのレバーは軽く開いた。
彼は部屋の中へ先に入ると、明かりをつけた。
天井に埋め込まれたダウンライト、そしてフロアスタンドの柔らかな明かりが
ようこそ・・・と二人の事を待っていたように灯った。

とりあえず彼はテーブルとセットになったイスにすわった。
あとから吸い込まれるようにして、サキが明かりの灯った部屋に入って来る。
サキは彼の座るイスの脇をすり抜け、やはりオーシャンビューになっている
窓のところへ行き、レースのカーテンを開ける。そして額を窓ガラスに押し
当てるようにして、下界の様子をうかがった。

真下には広い道路が走っており、そこには白い光と、赤い光が対面して流れる
まるで川の流れのように見えた。一通り見回すと、自分が地上から相当高い
場所にいる事を改めて認識する。

そしてカーテンを静かに引き寄せると、サキの方からポツリと言った。

「静かだね・・・まるで時間が止まっているみたいだ・・・」

サキはクルリときびすを返し、床に敷かれたベージュのカーペットの上を、
ドレスの長いスソを広げるように、銀のサンダルで歩き出し、大きくて広い
ベッドの上にそっと腰をおろした。

相変わらず何にも言わない彼の事を、ちらりと見てうつむき、掃除の行き
届いているカーペットに視線を落とした。

「なんか切ないね。さっきの事・・・怒ってる ?」

サキは、ちょっとしたいたずらのつもりで、酔っ払った振りをして彼にした
一連の行動を反省している。しかしそれは、大好きな彼と久しぶりに逢い、
二人で一緒に楽しく過ごせる嬉しさから、はしゃいでしまっただけの事だ。

彼はそんなサキを見てため息をついた。そして微笑みながら静かに言う。

「どうして ? 怒っていると・・・」

サキはしょげている。じっとしたまま彼に言う。

「だってぇ・・・」 そこまで言ってサキの言葉は途切れた。

彼の胸の中には、重苦しい空気が詰まっている。
タイムリミットが近づいていた。
チラリとゴールドのロレックスに目をやると、まもなく午前12時になる。
彼はまたマルボロの箱を取り出し、残り少なくなった中から一本引き出し
火を付ける。少しは気がまぎれると思ったからだ。

「サキ、今日は楽しかったかい ?」

サキは彼の顔を振り返る。

「うん。港の夜景がきれいだったなぁ〜♪」サキの顔に微笑が戻る。

彼もサキの幸せそうな笑顔につられて顔だけで笑う。そしてうつむく。
燃え尽きそうになったマルポロを灰皿でもみ消し、彼も言った。

「オレも楽しかった。いい思い出になったよ。」

サキは彼の言葉が過去形になっている事が、不思議でまじまじと彼の顔を
のぞき込んだ。何でなのか判らない。

「思い出になったって ? どういう事 ? ヘンよ? まだこれからじゃない
 まるであたしたち終わっちゃう見たいじゃない。おかしいよぉ ?」

彼はサキの視線を避けるようにしてイスから立ち上がると、窓へ向かって
歩き出す。そしてカーテンを開けると、開かない窓ガラスを透かして遠く
を見ている。

「ねぇ、どうかしたの ? 冗談なら止めてよ。とても悪い冗談だよ、
 そんなのって。まださっきの事怒ってるんでしょ、それならあたし
 あやまるよ。ゴメン・・・あたしホントは酔っ払ってなんかいな
 かったし、あなたに甘えたかったんだ・・・
 ほったらかしにされてた分まで、あなたに甘えて見たかっただけ。
 ほらぁ、こんな風にあなたにしがみついて・・・」

サキはベッドから立ち上がると、彼の後ろからしがみついた。
とてもきつく抱きついて、彼の背中に頬をくっつけた。不安な気持ちを
彼の背中に押し付けた。彼のコロンの香りが甘く、切なく香った。

彼はそんなサキの事を振り返り、抱き寄せた。サキの小さな体が震えてる。
いじらしかった。彼はサキの額にかかる髪を手で上げて、額にくちびるを
そっと寄せた。そして、落ちかけた口紅をたどるように、くちびるを重ね
合わせた。腕の中でサキの温かなぬくもりが伝わって来る。彼が支えて
いないと、サキは崩れ落ちてしまうような気がした。

彼はサキを抱きかかえ、ベッドの上へと運び、ゆっくりと降ろした。
ベッドがきしむ。彼はサキから離れた。サキはベッドの上から、じっと
彼の事を見つめている。再びテーブルとセットになっているイスに座り、
彼は彼の言っていた「サキにとっても大事な話」をする時が来たのだと、
心の中で自分自身に言い聞かせた。


次回へ続くぅ〜♪ (ToT)

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●もずさんより

このイメージストーリーは、葉山小姫 嬢の出し物より、ダンスパートが終わ
って、ベットに入った所のシーンから、もずさんがイメージを膨らませて書
いているものであり、実際の人物・ロケーション・ましてや葉山さんの話を
書いている訳ではありません。葉山小姫さんのベットがすごく良かったので
もずさんが勝手な妄想を書いているだけの事です。あしからず・・・




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