もずのわくわく劇場日記 No.52


2002年 8月15日 (水) 浅草ロック座

「懐古的香盤 編」


久しぶりに浅草ロック座の香盤を見て、ニンマリとした私は、浅草へ行こうと決断した。二年ぶりの
浅草ロック座・・・ 「ス」を、劇場へ通うようになったのは、ここからだ。ここから私の観劇人生
は始まった。その頃活躍していた踊り子さん達は、雅麗華・蘭錦・東なつ美・倍宝美々・白石千鶴・
旧三代目東八千代(桜ひろみ) さん達、少し後になって村上麗奈さんとか・・・

今回の浅草の香盤見ると、私がハマッタ頃の人たちが、たくさん出演している。なんて豪華な♪
しっかりと浅草ロックのHPからプリントアウトしておいた割引券を、窓口に差し出して入場した。
浅草の町を散策して来たので、2回目からの観劇となった。


第1景 プロローグ 全員によるオープニング。打ち上げ花火の音と、ステージ全体に下ろされたブラ
          インドに、ステージから打ち上げ花火を模した照明が当てられ、いかにも夏の風
          物詩を思わせる演出がなされる。

第2景 芯無し   お江戸日本橋、七つ橋・・ をモチーフにした曲で浴衣姿の踊り子達が、ステー
          ジ、花道、前盆へと広がりながらの日舞。男方と女方とに踊り子が別れており、
          それぞれにカップルを作り進行する。芯無しとはその名の如く、特に中心となる
          踊り子を作らず、出演者全員のプレビューと言う演出である。

第3景 雅麗華   洋舞。雅麗華をメインに、その脇をベテラン倍宝美々及び東なつ美が固めている
          ステージの中央で真っ赤なドレスをフリルで飾り立てた衣装。そのフリルのふち
          を、ゴールドのラインでまとめている。晴れやかなドレスの衣装は、雅麗華の体
          温で温まり、命を与えられたかのように雅やかに揺れる。
  
          そんな雅麗華のカミテ側に東なつ美、シモテ側に倍宝美々と言う布陣で、二人は
          雅麗華とは対象的な、薄いパープルのスーツ姿。倍宝・東、共に力強いダンスで
          三人の息もピッタリと、お見事なステージで強くロック座を感じさせてくれた。

第4景 外人A   ステージサイドに一本づつポールを立ててのアクロバチックな構成のショーであ
          る。ブロンドの長い髪をなびかせて、ラメラメのショートドレスから伸びる長い
          脚には、自然と目が引き付けられてしまう。また、ポールを使って優雅に ROLL
          する滞空時間の長さは、特筆物ではないだろうか。

          背が高く、動きの一つ一つにとても見栄えがあり、ベットタイムで決めるポーズ
          の高く伸ばされた脚が、予想を反する位置まで到達し、オリンピック組織委員会
          では公正な計測を試みたいと言う、見解を打診して来たとかしないとか・・・

第5景 四代目東八千代 (三代目・雅・沙羅・美々・涼子・カヲルコ)

          バリバリ現役の四代目・東八千代は、とてもエネルギッシュなステージをする。
          前半よりもやはりベットに入ってからの方が断然良い。四代目と言えば、何と言
          ってもあの風車のような脚の回転技。雅麗華もベットの時、少し風車をやったが
          この技に関しては、四代目の方が見栄えがある。また、今回知ったのだが、この
          風車にはスタンダードバージョンと、大車輪とがあるようだ。
     
          スタンダードバージョンは平素ソロの劇場で見る事が出来る。そしてこの大車輪
          は、もう脚の付け根から総て回転させて、なを且つ腕はきちんとした振りを見せ
          ると言う荒業。こんなに激しいベットショーは見たことがない ! 四代目の名前
          は、伊達じゃあない、他の踊り子の追従を許さないまさに「足芸」の世界だ !

第6景 三代目東八千代 (五代目・雅・亜里沙)

          島唄のイメージの通り、南国の島の娘達の踊りで始まる。のんびりとした動きか
          ら、島の娘達の暮らしぶりが伝わる。また、ことさら「海」を意識させる構成と
          なっており、サポートの踊り子二人がブルーの布を広げ、衣装替えをする三代目
          を隠し、その布でうねる波の様を表現すると言った凝りようだ。

          三代目の着替が済むと、波の二人は静々とシモテに消える。乙姫様なのか、身に
          まとった着物と言い、かつらも日本髪ではなく、それらしい物を着けている。
          原由子が唄う曲に乗せて、愛らしく三代目が顔をほころばせ、移動盆で音もなく
          花道を前盆に向かって出てくる。この三代目のやわらかな微笑には、日常を忘れ
          させてくれるモルヒネのような不思議な温かさがある。きっと浦島はこの微笑の
          「虜」となり、何もかも失うハメに陥ったのだろう。とても美しいベットだった

休憩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


第7景 2部頭   倍宝美々・東なつ美

         今も踊っていてくれると言うだけで感動してしまう二人。男役をやらせたらこの
         人の右に出る踊り子はいないと言われる倍宝美々。そして、正統派フラメンコを
         踊りこなす、抜群の身のこなしの東なつ美。昔はロック座一門の踊り子と言えば
         流派の正統派踊り子には、「宝」や「東」と言うエンブレムがついた。

         「東」は現役時代の、初代・東八千代の一字。そして「宝」は、初代・東八千代
         の直弟子だけに与えられた由緒ある冠。「この子達は私の宝だ !」と初代・東八
         千代の思入れから「宝」と言う名前を与えたと言うのは有名な話。

         今は「宝」を拝名出来る踊り子はいない。悲しい限りだ・・・「東」に関しては
         ○代目・東八千代と言う名前を除けば、多分単独では「東ニ美」さんが最後の人
         かも知れないが定かではない・・・

         私個人的には、このような伝統と文化を末永く守り通して欲しいと思うのだが。
         AVから踊り子になって、それでも踊り子として芸を磨き、玄人になる人もたくさ
         んいるから、きっかけは何でも良いと思うが、踊り子として最初から、一筋通す
         「根っからの踊り子」と言う道も閉ざして欲しくないと思う。

         ゆったりとした曲にあわせて登場する二人。大人の色気が甘く別世界へと誘う。
         移動盆の上と前盆とで、Wのベットを演じる形で進み、またそれぞれの位置を変
         えて行く。マイペースな進行のままラストまで流れて行った。

第8景 亜里沙 (きらり・カヲルコ・綾)
         
         亜里沙は初見。ショートカットに汗の雫を滴らせての熱演。各所に工夫の跡が見
         られる。浅草ではなくほかの劇場で、ソロステージを見てみたい気がする。

第9景 沙羅 (3代目・雅・亜里沙・キラリ・シイナ)

         マント姿に皮のムチを持って登場した沙羅。サポートメンバーはステージ上に、
         横一列、等間隔にイスを並べて座り、BGM のエクソシストに合わせて腕を中心に
         した踊りをしている。その前へ進みながら、沙羅は皮のムチを床に叩きつけ凄む
         そしてイスに座り踊っているそれぞれを、いたぶるようにして思う。快感・・・

         ところが、それぞれのメンバーもやられっぱなしではなく、イスから立ち上がり
         反撃をするために沙羅に迫るも、沙羅の前に返り討ちとなり敗走。勝ち誇る沙羅
         は、黒いドレスに着替え、前盆へと進んで行く・・・

第10景 外人 B  花の髪飾りをつけ、乙女ティックに登場。大作りな外人さんには・・・ ? 気も
         するが、ポーズはやはりダイナミック。ブロンドの長い髪をとき、背中を思切り
         のけぞらせると、ウェーヴの掛かった髪の毛の中に生首って感じで、うわっ ! 
         ここまでにしておこう・・・

第11景 五代目・東八千代 (四代目・沙羅・雅・美美・なつ美・亜里沙・涼子・カヲルコ・
              シイナ・キラリ)

         鬼の面を被った三人が、スソの短い着物を着て和太鼓を演奏するシーンから始ま
         る。タッカ・タッカ・タッカ・タッカ・・・・ドドン ! ドドン ! ド・カッ !
         荒れ狂う日本海の波しぶきを彷彿とさせる見事な演奏。

         五代目・東八千代シモテの床の上に密かに伏せ込む。和太鼓の演奏が終わると、
         五代目が静々と起き上がり、舞台中央へ悲しげな面持ちで進む。BGMにひばりの
         佐渡情話。日本髪の五代目が目に美しく映える。
 
         ♪佐渡へ〜 へぇ〜 へぇ・・・ 島の娘はなじょして泣いたぁ〜 恋は辛いとォ〜

         歌っている場合じゃなっかった。つまりこの景はのテーマは「佐渡情話」である
         恋はつらいと一人、娘は海辺にやって来た。恋煩いの胸の苦しさに痛たまれず、
         浜をさまよっていると、カミテからこの地を縄張りとするヤクザの一団が、娘に
         目を留めた。

         「あぅっ ! そこの娘っ子 ! おめェ〜見かけねぇ顔だな ? ほぅ〜、中々ベッ
         ピンさんじゃぁねぇか。チョイと顔貸してくんねぇか。」

         親分・雅麗華が、娘・五代目の腕をぐいと引く。嫌々と抵抗を試みるが、思うに
         任せない。子分衆もそれを取り巻く・・・
         するとそこへカミテ上段より、颯爽と登場したのが四代目・東八千代 ! 
         着流し姿も粋でイナセで水も滴るいい男 ! いよっ ! 日本一 ! カチン♪

         「兄さん方、チョイと待ちねぇ ! どちらさんもがん首そろえて、その娘をどう
          なさるつもりでぇ。オラオラ、娘さん嫌がってますぜ。」

         娘・八千代は一瞬の隙を見過ごさず、ハラ ! と四代目の背中に隠れてなつく。

         「うるへぇーっ ! カッコつけるんじゃねぃぞ ! 野郎ども、たたんじめぃ !」

         BGM も一転、竜童組・韋駄天。舞台は大立ち回りへと・・・
         ひとしきりの素手による立ち回りの後、雅麗華親分は白ザヤの長ドスを持ち出し
         てそれをゆっくりと引き抜く ! キラリと抜けば飛び散る氷の刃 ! ベンベン♪
         うぬっ ! とこの時、東八千代は見定めて、ハガネの長ドス抜くとはこれ、卑怯
         なり ! 打ちかかる子分をば払い除け、孤軍奮戦丁々発止とあばれるも、ここぞ!
         とばかりに切り込む親分・雅 ! 振り上げた人斬り包丁、かわし損ねた四代目の
         わき腹に、ザクっ ! ザクッ ! ザク ! ザク・ザク・ザク・ザク ! 

         着物を斬り、腹の皮を斬り、肉を引き裂き、血煙立ててもんどり打って倒れ込む
         助っ人・四代目東八千代 ! 立ち離れて見ていた娘・五代目は事の成り行きに
         あわてふためき、言葉を失い、思わず落ちていた棒きれ拾い上げ、エイッ ! と
         ばかりに打ち込むも、所詮、か弱き娘のあだ花、雅親分の長ドスに、斬られて
         あえなく浜のクズと散果てた・・・

         「ケッ ! バカな奴らよ。」捨てゼリフを残して、真っ赤な鮮血のついた長ドス
         を、一振りするとサヤに納めて「オイ、野郎ども ! 引き上げだぁ !」 と子分
         達を引き連れて、シモテへと消えていくぅ〜 ! 

         ハァハァと虫の息で立ち上がったのは娘・五代目東八千代。
         着物を脱いで前盆に・・・ みだれ髪を手で直し、柳腰でのベットショー、いと
         美しきかな。日本の美、ここに極まれり・・・

第12景 フィナーレ (全員)

         ♪ Cafe 〜 Cafe 〜 Cafe 〜 Cafe 〜 Cafe 〜 Cafe !

         踊り子総勢15名の華、咲き乱れての豪華なフィナーレに、惜しみない手拍子と
         歓声が響く中、浅草ロック座今年の会長プロデュース公演はかくも賑々しく今日
         の終演とあいなった。めでたしめでたし♪



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