もずのわくわく劇場日記 No.61


2002年 12月 1日 (日) 渋谷・道頓堀劇場

「チームショー・ 雪女 編 」


今回は久々の渋谷・道劇の香盤の中から、チームショー「雪女」よりお届けいたします。全員のレポ書きたいけれど、とてつもなく長くなってしまいそうなので、今回は止めときます。すみません・・・

さて、注目のチームショー「雪女」は、清水ひとみプロデュース作品。特別企画 道劇伝統のストリップ芝居「雪女」と名を打たれております。伝説「雪女」の物語と言えば、木こりの親子が冬の山中で吹雪に会い、たまたま見つけた小屋で吹雪をやり過ごそうとエスケープするわけです。ここで元々の伝説をおさらいして置きましょうね。

で、囲炉裏にマキをくべて暖をとっている時、親子は一酸化炭素中毒で死んでしま・・・違うか。(爆♪) そうじゃなくて、親父さんが木こりの仲間に伝わる伝説、「雪女」の話を若い息子に語って聞かせるんですな。

「天気のおだやかな日に山に入り、急に雲が厚くなって吹雪の吹いてくる時にはなぁ、「雪女」と言う化け物が現れるのじゃ。わしはまだ出くわした事は無いが、その化け物はたいそうベッピンな女だそうな。だが、その女を見た者は決して生きては帰れない。女の吹きかけるたとえようも無い冷気で身も心も凍えさせられ、凍死させられてしまうそうじゃ。

しかし、ノコギリを見せると悲鳴を上げて逃げてしまうらしい。口裂け女には「ポマード !」と言えば逃げて行くと言うから同じようなものかも知れんな。ただしだ ! ノコギリの鬼歯が欠けていると、効き目が無いらしい。息子よ、お前のノコギリの鬼歯は欠けてはおらんだろうな。」

その話を身を震わせて聞いていた息子は「あぁ、大丈夫だよ。」と言いながら自分のノコギリを道具袋から取り出し、見てみると鬼歯が欠けていた。「はっ !」息子は一瞬息を飲んだが、そのノコギリを親父さまに見せないようにして言う。

「大丈夫、ちゃんとしているよ。」と親父様には言った。もし欠けていると言ったなら、親父様がパニックに陥ると思ったからだ。すると親父様が言う。

「そうか、それなら大丈夫だ。今夜のような突然の吹雪の夜は本当に雪女が現れるかも知れんでな。」

親父様は囲炉裏辺に寝転がり、高いびきをたて寝入ってしまった。息子は手に握っているノコギリの欠けた「鬼歯」をまじまじと見つめながら、山の神様に願う。「どうか今夜、間違っても雪女がこの小屋を見つけ、デリバリーしませんように・・・」と。

板戸に吹き付ける雪風が激しくなり、粗末な山小屋は孤立無援の様相をさらに呈して来る。囲炉裏の焚き火もその温かさを失いつつある。寝込んでしまった親父様を若い息子はぼんやりと見つめながら、囲炉裏の火を絶やさぬようにと小枝でかき回し、一人ぼっちの夜が更けて行くと共に、いつしか息子も睡魔に襲われうたた寝してしまった。

突然の事。吹雪にあおられた板戸がガタガタとしながら開いてしまった。凍てつくような風と雪が一気に小屋の中へ吹き込んでくる。息子は目を覚まし、さび〜っ ! と開いた戸を閉めに立つ。そして開いた板戸を閉めようとしてふと表を見ると、吹雪の中に薄い着物一枚で立っている女がいる。人の良い息子は「もし、こんな吹雪の夜にどうなさいました ? 難儀な事でしょう、小屋へお入りなさいな。」と声をかけた。

女は何も言わぬままうなづくと、小屋へ入って来る。息子はその得体の知れない女のために、残り火の少なくなった囲炉裏をかき回す。すると女は静かに言う。

「あなた様は雪女の伝説はご存知ありませんか。」

息子は「あぁ、先程親父様に聞かされてビビっている所ですよ。出なければいいのですがね。」

女は続けて言う。

「木こりをしているのですか ? 鬼歯は欠けてはいませんよね。」

「それが・・・ 雪女の話を知っていれば新しい物と取り替えて来たのですがね。」

女は優しくささやくような声で「では、鬼歯は欠けているのですね ?」と言う。囲炉裏をかき回していた息子の手が止まる。はっ ! と息が詰まる。背中を走る戦慄。女を見上げる。眼と眼が合う。次の瞬間 ! 女は笑い声をあげると囲炉裏端で寝入っている親父様をめがけてフゥーっ ! と白い息を吹きかける。「やめろーっ !」息子は叫ぶが・・・

親父さまはコチンコチンに凍り付いて帰らぬ人となった。息子は驚愕して振るえながら雪女に言った。「親父で釘が打てるのか ?」って、そんな事は言わないか (苦笑)

息子は雪女に言った。

「助けてくれ ! い、命だけは・・・ まだオレは女も知らないチェリーなんだ ! こんな若さで死んでしまうなんて、余りにも哀しい話じゃないか。せ、せめてあと一年 ! いや半年でいい、見逃してくれ !」

雪女は余りにも息子の事が哀れに思えて言った。

「あんた独り者 ? まだチェリー ? ウソじゃないわね ? いいわ、あたしが教えてあげる♪」

雪女の恐怖に倒れている息子は顔を引きつらせながら言った。

「ほ、ホントに・・・ ?」

雪女は「その代わりおねーさんの言う通りにするんだからね ! 言う事聞かないと、
フー ! しちゃうよ。」そう言いながら雪女は自分の帯を解き、息子の上に馬乗りになって押し倒した。雪女は気の強い女だった・・・

「おいっ ! ダメじゃないかぁ、もっと大きく硬くしなさい !」
「そんな事言ったって、いきなり脅かすんだもの、腰が抜けてしまって上手く出来ないよ !」
「あぁっ ! あたしに逆らうわけ ? 親父さまみたいにフーッ ! しちゃうよ。それでもいいの ? 男なんでしょ ! しっかりしなさい ! 」
「あぁ〜ん・・・(涙) 」

ぎこちない息子の初体験が終了し、雪女は帰り際に言い残した。

「お疲れ様。どうだった ? 楽しかった ? 満足出来た ? 一つだけお願いがあるんだけど、3ヶ月の間、絶対に他の女としたらダメだからね。あなたの事をしばりつけようなんて思っている訳じゃないんだけど、ほら、ゴム付けてなかったしさ、出来ちゃった時に責任取ってもらわないといけないしさ。もしそうなってもあたし降ろさないからね。そろそろあたしも歳だし、一人でいるのはさみしいかなって(笑) ねっ♪ 約束してね。たった3ヶ月の事だからさ。」

息子はと言っても本人の方。息子は初めての儀式をこんな形で済ませてしまった。まぁ、ともかく「男」にはなれた訳だし・・・ねぇ。この事について息子はこんなコメントを残している。

「はぁ、あれってこんなもんかと・・・ 血は出なかったですが、何しろ相手が雪女ですからねぇ・・・ 冷たいの何のって ! あそこが凍傷になるかと思いましたよ。」

マジかい ? (@_@;)

ともかく命の危険は去った。山を下り親父様の葬儀もつつがなく済ませ、息子はいつしか雪女の事も忘れかけていた。春になって山の木々は花を咲かせ、鳥達のさえずる声もにぎやかになった。息子は知り合いの紹介で、嫁もめとっていた。いつものように息子は木こりの仕事へ出かけようとして家の中でしたくをしていると、誰かが玄関の戸をドンドンと叩く。「おや ? 誰か来たようだ、すまんが見て来ておくれ。」と女房に言った。そして言われた女房が戸を開けると、ひとりの女がたたずんでいた。

「はて ? どちらさまで ? 」

「・・・」

女は何も言わないので、女房はその女を待たせて置き息子に言う。

「あ〜た、きれいな女の人が見えてますけど、お知り合いの方かしら ? おかしな事にならなければいいのですがねっ !」

「きれいな女の人 ? さぁ、知らんな。保険の勧誘じゃないのか ? お引取り願なさい。」

「そう。じゃぁ、そう言うわよ。」

息子の女房は再び玄関へ行こうとした時、女は勝手に家へ上がって来て息子をにらむと言った。

「チェリー君 ! これって一体どうなってるの ! まさかあたしの事、忘れたなんて言わないよね !」

その女に「あたしの事忘れたとは」と言われてはっ ! と息が詰まる。背中を走る戦慄。女を見上げる。眼と眼が合う。次の瞬間 ! 吹雪の一夜を思い出した。雪女 ! 

「忘れてた訳 ? マジィ〜 !? この女は誰よ。女房 ? ふざけないで ! なんなのよ。あの晩あたしと交わした約束も忘れた ? なら思い出させてあげるわ。チェリーだったあなたを男にしてあげたのはだれだっけ ? 腰が抜けて上手く出来ないあなたを優しくリードしてあげたのは ? えーっ ! あなたって人はたった3ヶ月間の約束も守れない人だったの ? 冗談じゃないわ。あのね、あれからいつものヤツが来ないのよ。で、薬局行って検査薬買って調べたんだけどさ、陽性反応でたよ。あの時あたしそうなったらなんて言ったけ ? 産むわ。一人でも産むからね ! 子供じゃあるまいし、その女と別れてあたしと一緒になれなんて言わないよ、でも ! お腹の子の養育費、きっちり払ってもらうからね !」

生気を失った息子の顔は真っ青になっている。黙って聞いていた女房はこめかみに血管を浮かび上がらせ、ぶちきれた !

「ちょっと待ちなさいよ ! 言わせて置けばいい気になって ! 少しぐらい器量がいいからってねぇ、思い上がらないでちょうだい ! 出来た出来たってね、豚の子じゃあるまいし、ちゃんと産婦人科でみてもらった訳じゃないんでしょ ? ただ単に遅れているだけなんじゃないの ? そんな未確認の一方通行な話で養育費だの認知だのって、話にならないじゃない !」

「なんだって ! あんたには関係ないじゃん、だまって引っ込んでな ! これはあたしと彼との一対一の話よ !」

「彼 ? 彼 !? よくもウチの亭主捕まえて彼なんて言えるわね ! 過去に何があったのかなんて知らないけどねぇ、いまさらノコノコ出て来ても後の祭り ! 聞く耳持たないよ。アンタみたいな雪女はとっとと山にお帰り !」

「山に帰れってか ! 雪女にケンカ売るなんていい度胸してるじゃん !」

「あ〜言ったともさ。売ったケンカは返品効かないからね !」

「バ〜カッ ! クーリングオフつーのがあるんだよ ! 知らねーのかドアホ !」

「どあほー ? 言ったわねぇ〜 ! 」

「言ったがどうした !」

「引っかいてやる !」

「やったわね〜 !」


息子は取っ組み合いのケンカをしてる女達を見て、修羅場を抜け出し一人旅に出た。
女って怖い・・・

たしか「雪女」の伝説ってこんな話・・・だよね ? (爆♪)


次回へ続く・・・





[ 本日の香盤 ]

1.あさくられみ 2.富田未来 3.藤沢あき 4.朝川留衣 5.愛田桃子 6.琴葉鈴 7.黒木純
8.チームショー「雪女・西野さゆき、高汐花歩」9.フィナーレショー



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