もずのわくわく劇場日記 No.72


2003年 4月 27日(日)・30日(水) 栗橋大一劇場

「仁科ちあきのハッピイーウェディング 編 」


きらびやかな照明と仰々しいテーマ曲の流れる栗橋大一劇場は、たくさんのお客達の人イキレの渦巻くリアリティーの無い、別世界へと変わっていた。誰もがうたかたの夢をみるために劇場にやって来る。ある種の逃避行、そう言っても過言ではないだろう。しかし、フラストレーションとペイシェンス(欲求不満と忍耐)、現実のシャバを生きて行かなければならない人間には、時としてこう言った場所にエスケープし、身も心もすべての束縛から解放してやら無ければ、シャバの狂気に巻き込まれ、とてもじゃないが「まっとうな人間」ではいられない。少なくとも劇場、いや、飲み屋でも雀荘でも何でもいい。その世界に没頭し、我を忘れられる場所を持ち合わせている人間は、辛うじて精神の安定を保つ事が出来るだろう。さぁ、田んぼの中にどっしりと構える栗橋大一劇場、いよいよ花のトップステージを飾るは「仁科ちあき嬢」の登場だ。

テーマ曲のエンディングで一度幕が閉じられ、刹那の沈黙。再び音もなく幕が左右に引き分けられ、暗闇の中に白い影。舞台中央で背中を向けたまま、じっとスタンバイしている仁科ちあき。今回の出し物は「ちあきの花嫁・ハッピーウェディング」と言う演目。どう言う訳かリオファミリーはみんな「花嫁」づいている。渡辺理緒、神崎雪乃、そして仁科ちあき・・・ 観劇の父である自分は、三人の花嫁を見送るハメになったのだ。(爆♪)

脱モーニング娘 ! 今までの仁科ちあきのステージでは無いパターンのナンバーだ。オープニングの曲が関を切ったように流れ出す。ドチャカドンチャカ♪ ドラムスのリズムにベースのソロがからみ、仁科ちあきは満を持したかのように、軽快なステップを踏み始めた。そして、クルリと客席へ向き直り、両腕を広げてYの字ポーズから腕を曲げ伸ばしてのダンス & ダンス。

白いハーフブーツが右へ左へと跳ね回り、それにシンクロする手拍子 & タンバリン。ウェディングドレスはショートスカート仕様、髪につけたヴェールはスカート丈より少々長いくらい。仁科ちあきはベビーフェイスに薄紅のコスモスの花が咲いたような微笑を浮かべ、小さな口元をほころばせながら曲の歌詞をたどっているのか、それともメッセージを投げかけているのか、とても愛くるしく踊っている。

仁科ちあきが動くたび、髪に付けたヴェールがそよ風に揺れるようにフワリと舞う。何と言うフレッシュな幼花嫁か、観劇の父は思わず涙ぐむ・・・ふと見ると仁科ちあきは舞台中央で正面を向いたまましゃがみこんで一曲目はエンド。

ジワ〜とした静かなイントロの二曲目で、仁科ちあきはひざまずいたまま両腕をゆっくりと回し、それを胸の前で組み、これから幸せな一生が送れますように、どうか祝福を・・・と神妙に神様に祈る。幼妻ちあきの行く手に待ち受ける大波小波、神様は果たしてちあきを祝福してくれるのか・・・

ステージは再びクールビートのリズムが弾け、すくっ ! と立ち上がった仁科ちあきが、一曲目を継承するようなダンスを披露する。そして途中、手袋の指先を一本づつ引っ張りながら、左手の手袋を外し、その手袋の中指をちっちゃな口にくわえ、それから右手の手袋も同じように外した。そしてウェディングドレスを脱ぎ捨てると、三曲目に突入する。

モームスの曲に、ほ〜らいこうぜっ ! って言う曲があるが、あれに良く似た曲で、外人版モーニング娘って感じのする元気良くて底抜けに楽しい曲。今回の出し物、色々な意味でキーポイントになった曲である。この事については後で述べる事にする。 この曲を踊る仁科ちあきは久々に大ブレーク♪と言った感じで、実にフレッシュで、実にコケティッシュで、実にポップで、実になんだ、つまりとってもいい♪って私は言いたい。とにかくつべこべ言うよりも、ちあきのステージを一度でいいから見てあげて欲しい !

三曲目のファニーダンスを踊り終えると、仁科ちあきは一度シモテに消え、場面の転換になる。しばしあって、今度はカミテより白いベットドレスで静かに登場、ベットへの導入となる・・・

花嫁となる時、そのうれしさから様々な夢を胸に想い抱き、どうか幸せになれますように、祝福をと神様に願った幼妻・仁科ちあきだったが、神様は二人に一つの試練をお与え給うた。花婿にはかつて無いほどの苦悩を、そして花嫁には行き場の無い悲しみを・・・

ただ、ただ、うれしくてはしゃいで、楽しく過ごして来た甘い新婚生活。そんな暮らしに黒く厚い雲が立ちこめ、幸せな二人に降り注いでいた光をさえぎり、どんよりとした重い空気が二人を包み込んでいった。バブルの崩壊・株価の暴落・デフレ・・・ 会社の倒産、借金、債務の取立て・・・幸せだった二人は何もかも失った。夫はやっきになって手を尽くしたがどうにもならなかったのだ。しかし夫はどんな時でも何も心配はいらないと、妻には悲しいほど努めて明るく振舞った。

妻はそんな夫をやり場の無い悲しい想いで、毎日見つめていた。一人で無理を背負い込まないで・・・私はあなたの妻なのよ、あなたの微笑みの向こうにあなたの心の痛みが見える・・・

仁科ちあきは歌うような優しいしぐさで曲の歌詞をたどりながら踊り、盆に進み出た。

♪あなたの痛みを分けて下さい・・・
 半分私に分けて下さい・・・
 守って救えるわけじゃないけど 一緒に泣きたい・・・

 世界でたった一人のあなたに 出会えて良かった・・・

白いベットドレスのスリットを分けて腰の脇のヒモをほどくと、それを左足の足首に巻きつけ、盆にはべる。摩周湖のように美しく澄み渡る、仁科ちあきの黒い瞳が切なく濡れている。息を飲んで見守るいくつもの眼こそが、仁科ちあきを照らす照明であるかのようだ。そんな中で仁科ちあきは体を泳がせ、右ひざと右手を付き、体を正面に向けひねるようにして左足をリフト、真っ直ぐサイドに伸ばすポーズを切る。その状態のままからさらにツイストして、うつ伏せになりつつ左足を後ろへアップ ! 仰向けに体を直して両膝を縮め、大きくロール・・・

盆から立ち上がり、ステージ中央へ戻ったところで、さらに極めつけのブリッジで FIX 。意表を突かれ思わず拍手に力がこもる。立ち直って両腕を広げ、それを高く回しながら体の向きをカミテに向けつつ、ゆっくりと両腕を上から顔の前辺りまで下ろしてきて再び祈りのポーズをしてフィニッシュとなった。

そう、神様からお与え給うた試練を、二人の愛の力をあわせて乗り越えて行こう、半分と半分で一つになれる、それが本当の幸せなんだわ。きっと神様がそれを教えてくれたんだと気が付いて、仁科ちあきは最後に祈りのポーズをしたのだった・・・

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仁科ちあきこと、おこちゃま@ちあきクン。

今週は栗橋大一劇場でハリキッテます。と言う事で、先週DXK に乗っていたちあきクンを横目にしながらも、大和に行って結局1度も顔を出せなかった私。今週は気持ちも新たに「一本道 !」仁科ちあき一筋の観劇となりました。

さて、本文の方でも書いていましたが、今回のちあきクンの新作は、関東では二週目の披露でした。関東初出は4/11〜20の DXK なんですが、ちあきクンによりますと、中日替えをしたそうで、その週の前半と後半では同じ出し物なんだけど違うらしいですよ。どこが違うのかと言うと、キーポイントと書きましたが三曲目が追加されて、ヴァージョンアップされたと言う事らしいです。

そもそも、DXK の前半で踊ってたのがオリジナルで、勉強熱心なちあきクンは競演されてた某お姐さんにステージを見てもらい、ご意見を伺ったところ、「ん・・・悪くはないけど、"ちあきらしさ" みたいなもんが全然出てないな。」と言われ、そッスかね ? とそのお姐さんに振付をレクチャーしてもらい、このレポに書いたような作品になったと言う話です。

まぁ、確かにあの三曲目のところが無かったら、楽しさは半減していたと自分も思いますな。とにかくあの三曲目の時のちあきクンは、抜群にカワイクて絶品ですからね♪ しかしそこをちゃんと見抜いて、フリ付けてくれたお姐さんって言う人はサスガ ! ですね。やっぱ、プロの眼って違うなぁ・・・

またこの作品は、仁科ちあき三作品目のオリジナルなんですが、今回の作品は仁科ちあきにとって、ちょっとした冒険でもありました。今までの「ラブレボ21」・「桃色片想い」とは少しだけ路線を変えて、大人っぽくセクシーに・・・ という言ってみれば仁科ちあきが、踊り子として益々成長して行くための、踏み台となる作品です。そして実際ステージを見たお客さんから感想を聞いたちあきクンは、考え込んでしまった。

それは、「今までの方が可愛かったのになぁ」、「いや、今回の方が断然いいよ♪」と、感想が真っ二つに分かれたと言うことです。自分の場合は後者の方と言うか、今までの作品も良かったけど、今回のは一番いいんじゃないかと思うわけです。何を以ってそんなにいいのかと言いますと、まず「覇気」があった事、よく私が「スイッチが入った」とか「誰かボタンを押して来て」とか言ってるヤツ。そして、とにかく一番成長したなぁと思うのが、顔の表現力。今まではカワイイ、カワイイで、ニコニコしていただけなんだけど、オープニングからベット前のリズミックなダンスをする時にこそ、もう〜顔から踊りに入ってる前向きな表情があるって事。

ベットの時の表情ってのは、踊ってる方もイメージしやすいから、それなりに誰でも出来るっちゃ〜 出来るんだけど、オープンニングからのリズミックなダンスで、あんだけ顔作れると言うのは、立派なもんだよ。何かを伝えるように唇を動かして踊れるって言うのは、お客にしてみたらすごく気になるでしょ ? ほら、何か話しかけられてる気がするんだけど、聞こえない・・・ えっ ? なに ? って聞き返したくなるでしょう。つまりは、客の気持ちを自分に引き付けられるって事で、客席に傍観者を作らない。当然、全員参加型のステージになるよね。

さらに、ベットでの身のこなしに、「しなり」が出て来た。ポーズを切る時に足をあげるとしても、まず「腰」からグッと入って行きながら、ギュ〜ッ ! と「ひねり」が微妙に加わって来て、「タメ」と言うのか、タイミングと言うのか、バッターがボールを打つ時に充分に引き付けて置いてから・・・スウィング ! イメージわかる ? そんな感じでポーズを切っていたんだよね。うん♪

えっ ? チョット誉めすぎじゃないの〜 ? と思うかもしれないけど、長年に渡り「仁科ちあき」を研究している観劇の父である私には判るのだ ! (爆♪)




  仁科ちあき今後のスケジュール

  5/1〜5 (五日間) 札幌道劇
  5/21〜31 奈良スターミュージック
  6/1〜10 新宿ニューアート(チーム)
  7/11〜20 ニュー道後ミュージック
  7/21〜31 SHOW UP 大宮



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