もずのわくわく"遠征"劇場日記 No.SPECIAL


渡辺理緒 Special Edition 〜序章〜


あなたの腕に... 胸に抱かれて私は聞いた。" 君は僕のものだ " と... 男が女を愛する時、心はすべて女のもの、男は恋の素晴らしさを語る。女の悪いところもその眼には映らない。彼女のためならと友をも捨てる。

男が女を愛する時、男はすべてを捨てる。今みつけた大切なものを守るために、暖かな部屋を捨てて雨の中にも眠る。もし彼女がそうしてと言うのなら...

男が女を愛する時、男はすべてを捨てる。彼女のいとしい愛を守るために、どうか優しくしておくれと頼みながら。男が女を愛する時、心から愛する時、女は男の悲しみになる...

女が男をもて遊んでも彼には分らない。恋する瞳には何も映らない。
そして男は言う...

" 愛してる 愛してる・・・ すべてを捧げるよ 何もかも " と ...

大切な恋を守るために泣きながら " お願いだ、優しくしておくれ " と ...

男が女を愛するのなら裏切ったりしないで。他の女を抱いたりしてはダメ ! 愛していると言ったじゃない ! それなのにこっそりと背を向けて...

これが男の世界なのね...


渡辺理緒は再び走り出した。
それぞれの者が胸に思い描く大きな『夢』を一身に抱きかかえながら。

どうして... どうしてこんなにまでして渡辺理緒は走り続けるの ?
それはね、渡辺理緒は一人で踊っているんじゃない。
多くのファンや、渡辺理緒を慕う踊り子達の夢をのせてステージに立っているのさ。

そう、「夢」なんだ... 

渡辺理緒がステージに立つ事で、ファンや渡辺理緒を慕う踊り子達の見果てぬ「夢」を、渡辺理緒はかなえているのさ。たとえそれがストリップ劇場のステージでなくなる日が来たとしても、きっと渡辺理緒は身体がキシんで悲鳴をあげるまで、「もうこれ以上踊れないの... 」と悲痛な叫びを上げるまで、彼女は踊り子として懸命にステージに立って踊る事だろう...

そんな「渡辺理緒」の事を人々はみな絶賛し、喝采の拍手で賞賛するに違いない。けれど...

けれど、みんな「渡辺理緒」と言う踊り子の存在も、やがてはセピア色したフォトグラフのように、いつの日にか薄れて行くかも知れない... だからこそ今、この日、この時、この瞬間、彼女のステージを強く心の中に焼き付けて、不変の実像としよう。渡辺理緒の「夢」のステージは「一期一会」、どんな時でも生まれたての生命(いのち)の息吹が満ちている。しかし、流星の瞬き(またた)にも似た、儚い(はかな)一瞬の輝きのようでもある。

今、私達がなすべき事は、渡辺理緒との一瞬、一瞬を彼女と共有し、どんなに時が流れても決して色あせる事の無い伝説を作り上げる事、語り続ける事、そして絶え間なく彼女にエールを送り続ける事なんだ。幸運な事に今、私達にはそれをする事が出来る。彼女のステージを私達の心の光で照らそう。一人一人の光は弱くても、渡辺理緒を愛するみんなが集まれば、それはまばゆきスポットライトとなるのだ。そして、その光を全身に浴びて、踊り子・渡辺理緒はステージで汗をかいて今日も踊る...

さぁ、そろそろステージの幕を開けよう。誰もが愛してやまない、渡辺理緒のために...


構成・文/もず
Words by Calvin Lewis
from
WHEN A MAN LOVES A WOMAN



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