もずのわくわく劇場日記 No.83-2


2003年 11月 9日(日) 川崎ロック座

実力派踊り子シリーズ 第ニ弾! 雅麗華さん 登場 !

「徹底解剖! なにゆえ雅麗華さんはすごいのか! その2」


「ス」の観劇人なら、少なくとも「雅麗華」の名前くらいは知っている事と思う。
天才踊り子と一言で言ってしまえば、それで終わりだが「天才は 1% の才能と、99% の気付きから生まれる」と言われる。えっ?「99% の努力」じゃないのかって? そんな事を言うのは凡人である。努力すればどんな事でも、誰でも出来るとお思いだろうか?
答えは NO! だ。

日夜無駄な努力をどれほど重ねても、何も出来ない。ましてや実行力の無い人に成功はありえないのだ。何かを見て何がどうなのか? 何で自分にそれが出来ないのか、それをするためにはどうすれば出来るようになるのか? 「気付き」の無い努力は徒労に終わるのだ。

「雅麗華」は生まれ持った 1% の才能を武器に、ステージ上で、OFFステージで、色々な「気付き」を重ね、自分のダンスの世界を他人に「天才」と言わしめるに至ったと私は思う。ぼんやりとステージを見ていてはいけない。そのステージは、どこが、どんな風に、どうして良かったのかと言う具体的な質問を、自分に投げかけてみて欲しい。そして、それらの自問に対して、自分なりの答え、仮説を立て、もう一度実際に検証し、実行する事で、一つ前へ進める。

前置きが長〜い! それではともかく川崎ロック座での「雅麗華嬢」のレポからスタート♪

香盤は5番手。果たして今日はどんなステージを見せて頂けるのかと、立見席前の鉄柵にしがみついていた。シモテ側の壁と幕の後ろで、チラリと客席をさりげなく見てから雅麗華はステージに立った。ズドド、ズドド、ズドド! 激しく場内を震わすミュージック!

「別れて欲しいの!彼と。」
「そんな事は出来ないわ!」
「愛しているのよ彼を!」
「それはあたしも同じ事!」

宇崎竜童の歌う「絶体絶命!」意表を突いたオープニングナンバー。
眼をくらますライトを浴びて現われたのが「雅麗華」嬢。
ガーン!といきなり眼を奪ったのは、雅麗華のヘアウィッグだ!なんなんだこれは!
キラキラと光を跳ねるミディアムボブスタイルのパーティーグッズのヘアウィッグ。ラメラメのヘアウィッグをサラサラと揺らして、踊り始めた雅麗華は一瞬でお客の注目を奪う。一瞬驚いてから衣装に眼をやると、合わせの着物なのだが、それは丈の短い、ちょうどミニスカートをはいたくらいの長さ。右半身シースルーで、左半身が布地。色は奥深い赤、絵柄は平安調の牛車に白い花を合わせたアレンジ。正面とソデのところにそれぞれ描かれている。

ひざ上10cmくらいの着物のスソには綿入りの縁取りがあり、R状にカーブを描いて帯に至る。帯は錦の金刺繍の物を、お腹の前で結んでいる。足元は黒のエナメルショートブーツ。着物のスソから伸びた足の肌の色をシャープに引き締めたコーディネートとなっている。

夕暮れ迫るカフェテラスと歌うミュージックをなぞるように、雅麗華はステージの上を体全身を揺らしながら踊る。両手を広げ、足を振り上げ、背中を丸め、跳ね返る弾丸のような素早さで、カミテへそしてシモテへ。ただ普通に見ていると、そのダンスはそれほどインパクトのあるものではない。極普通に、普通の踊り子が踊っているようにしか見えない。だが、そこには隠された技が埋め込まれていた。それについては後述する。

オープニングの曲を一曲丸ごと踊って、雅麗華は一旦引っ込み場面転換。
そして2曲目の曲が、静かに誰もいないステージに流れ出す。

We will, We will rock you〜! クイーンのカバー曲で、オリジナルバージョンとはかなり違ったイメージの曲調。怪しげな雰囲気のイントロから始まる。フェイドインするように、カミテから雅麗華は登場する。渡辺理緒の作品「ラ・ポリシア」でも、この We will rock you は使われているが、渡辺理緒のようなステップウォークはしない。スッ!と現われて、フラッシュストロボのように、短いダンスを刻むように踊り、曲のリズムがユーロビート風に変わるタイミングで、押さえ込んでいたパワーを一気に爆発させるかのようにして、ハイテンポなダンスへと突入する。

この曲での衣装は、黒のトップと黒のTバックにクロームメタルの装飾が施されたものである。靴はそのままエナメルのショートブーツの黒。ヘアウィッグはかぶらず、自前のロングヘアーだ。ステージへ出ると、その髪を軽くほぐすように整え、ダンスに臨む。曲がユーロビート調になると、これまた渡辺理緒のチームショー「連獅子」を彷彿させる、首を激しく回して髪を振り回すシーンもある。これを地毛でやるとは...

We will rock you のこの場面は割りと短めでフェイドアウトしながら終わり、雅麗華もそのままソデへ引っ込み、再び場面転換になる。が、曲の方は We will rock you のフェイドアウトにかぶせながら、3曲目のイントロへつながる。う〜ん... なんと言う曲だったか題名は思い出せない... なんて言う曲だっけなぁ〜私が中学生の頃ヒットしていたバラード... ん〜 思い出せない... ラ〜ビンユ〜 シャララララ〜 シャララララ〜♪ ッて言う曲、これじゃわかんね〜か (爆♪)

とにかくその曲のオリジナルのカバー曲で、日本語に訳して歌われている曲に乗りながら、カミテからもう一度、雅麗華は登場する。衣装は黒地に濃紺のバラのガラの入った、トップレス・コルセット、それと先ほどのTバックで、靴はやはりそのままエナメルショートブーツ。

この場面からベットへ流れて行くようだ。ソフトに体をなびかせるようにして、割と長めにステージで愛のバラードを踊る。ゆっくりとゆっくりと花道を渡り、盆へと進んで行く。盆へたどり着くと、体を倒しながら盆にはべる。横たわりながらじっくりと、片足を手で引き寄せストレッチ。開いて伸びた足の上に上半身をじわ〜っと倒し込む。ハチミツをボトルから、ホットケーキの上にトロ〜リと流すみたいな感じなのである。

この時すでにBGM は4曲目が流れている。トランペットの音色が、物思いにふけっているようなフレーズの... 題名なんだっけなぁ〜 これも思い出せない... (苦笑) 胸の中の炎が揺ら揺らと、しだいに大きく燃え上がって行き、私にもあなたにも偉大なる成功は必ずやってくる、さぁ!共に手を取り合って、それをつかむのだ。と思える胸を熱くさせる曲だ。

その曲の中で雅麗華は、次々と晴れやかなポーズを繰り出し、観衆から大きな拍手喝さいを浴びる。身を縮め、伸びやかに天を仰ぎ、ブリッジをしながら左足をゆっくりと高らかに持ち上げ、空と大地の自然の恵みをその体に取り込み、祝福を受け、今まさに大輪の花を広げたと思わせるとても美しいポーズだ!

感動する、胸が熱くなる、涙が込み上げる... 差し上げられたその足をゆっくりと降ろし、ブリッジから立ち上がり、花道を渡りステージへと戻ると、振り返るようにして客席側を向き、両手を広げて微笑。そのままの立ち位置で、5曲目がスタート。

Get up! Get up! Get up! Get up! Burnnin' love〜♪ 中森明菜は歌い、雅麗華がオープンを踊る。名前の通り、品が良くて風流、麗しく華やかなオープンショー♪ 片ヒザ立ててニッコリと微笑むその黒い瞳の先には、涙を流して彼女を見つめる私がいた・・・



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