もずのわくわく劇場日記 No.93


2004年 1月8日(木) 初春・道後シリーズ 第七章

2004年 渡辺理緒 最新作品

化身 〜 KESHIN 〜


■ 暗闇の場内に現われた獅子

正月と言うのにどんよりと重くよどんだ空気が場内を支配する。
一体これから何が始まるのか、かたずを飲んでステージに目をこらす観客。

そんな道後のステージに姿を現したのは、真っ黒なマントに身を包み、金色のたて髪を背中に長くたれ下げた渡辺理緒の姿であった。しかし背中を客席に向けているので、顔は見る事が出来ない。

場内に突然の雷鳴がとどろき、つづみの音が静々と聞こえて来た。背中を向けたまま山の如く立っていたその人影は、ゆっくりと振り返りながら客席をにらむように、するどい視線を差し込んできた。こ、これは一体何者なのか!

嵐の前の静けさなのか! 何かとてつもなく恐ろしい事が起きる予感を覚える。
「ガラガラ!ビシー!」再び稲妻の閃光が走り、耳をつんざく雷鳴が激しく響いた。
金色のタテガミの間から、ぎょろりと光る目が見えた。するとその得体の知れぬものは、地を這うような低い声で何かを言い始める。

「From rio hayaku koushin site hoshina♪ Everyone waiting your message...」

とそんな事言ったような気がする。違うか...(爆♪)

その低いヴォイスは我々に対する何かのメッセージなのか? 黒いマントの襟辺りに施された真っ白な羽を滑らすようにしながら、そのマントを取り去りつつ、流れているBGMに合わせながらゆっくりと踊り出した。金色のタテガミは、どうやら獅子の様である。

「獅子舞」には違いないが、それはありきたりなものではなく、歌舞伎調の日舞だ。扇子を懐から取り出し、感情を出さずに淡々と踊っているように見える。しかしながら、それでいてその所作の日本的な美しさは、さりげなく見る者の心にスッ!っと入り込んで来る。

体をひるがえし、舞台の上を楚々と円を描くように回りながら、獅子は盆に向け花道で歌舞伎で言うところの、「六方」を踏みながら暫く!暫くーっ!と言うようにして、また舞台へ戻り、タテガミを振り乱して踊り、花道の付け根あたりでスック!と仁王立ちになり、客席をめがけて「はぁーっ!」と、無数の細い紙糸がクモの糸のように広がった。BGMのエンドと共に、クモの糸を素早く引き寄せながら、獅子はカミテのソデへと消え、第一景が終わる。

 BGMが換わると、更に緊張感の加わる曲になり、
 足元を一歩、また一歩と確かめるようにしながら
 カミテより再び渡辺理緒紛する獅子が登場する。
 その手には聖なる刀、「いかずち丸」を握りしめ
 ていた。獅子は、「聖刀・いかずち丸」のサヤを
 抜き払うと、「いかずち丸」の諸刃は冷たい光を
 放つ!

 ギーン!獅子は聖刀を振り回し悪に立ち向かう!
 ヒラリ! ヒラリ! と獅子の太刀を巧みにかわ
 しながら悪魔は激しく抵抗するも、一瞬のスキを
 突かれて傷を負う! 獅子はもんどりうって倒れ
 た悪魔を見て、じわりじわりと追い詰める。
 着ていた着物から左腕を抜き、片肌を脱いだ。
 すると豊満な♪ 豊満な真白き乳房が惜げもなく
 こぼれ落ちるも、獅子はお構いなく「聖刀・いか
 ずち丸」を両手で中段に構え、そして悪魔にとど
 めを刺すため、顔の側面に構える。

 にじり寄る獅子・渡辺理緒!
 「やめろ! 待てぇ!」
 そんな悪魔の断末魔の叫びにも獅子は動じない。
 「覚悟!」獅子は聖刀・いかずち丸を、渾身の力
 を込めて悪魔に突き立てる!「ぎゃぁーっ!」

いかずち丸の刀身は、冷たく悪魔の体内深く差し込まれ、刹那の悶絶の後、しばしの痙攣を残して悪魔は地に溶けて行った。獅子は肩で息をしながら、「怨敵退散!勝利は我にあり〜!」と、聖刀・いかずち丸を天高く振り上げて宣言する。

カミテの幕の中へ獅子・渡辺理緒は消え、舞台の上には壮絶な戦いの余韻が残る。
BGMが終わるまでしばし間があり、BGMが次の曲に代わって、暗い舞台の中へスポットが当てられると、カミテのソデから渡辺理緒がスパッ!と現われた。その渡辺理緒の姿はすでに獅子ではなく、目にもまばゆい美しさ!神々しくも気高きアマテラスの姿であった。ウォ〜ッ!場内の観客がうなる!

 淡く気品の漂うパープルの衣に身を包み、髪にはフラワーアレンジ
 メントの髪飾り、戦いの化身・獅子のいかつさはもうどこにもない
 軽やかなアマテラスリオの姿に誰もが心を奪われ、心を洗われた。
 そうだ!このように美しきアマテラス・リオを見ていれば誰も悪事
 など企てたりはしなくなる。小銃を持つ兵士達には、銃の代わりに
 花咲く小枝を! ナイフを持った強盗には、ナイフの代わりに生命
 を育てるジョーロを渡せ!

今地球の人類が見るものは、迷彩色の軍服ではない。人をあやめる戦車や飛行機ではなく、自分の心を写す鏡なのだ!今、あなたはどんな顔をしてこの地球を見ているだろうか、苦しい痛みにゆがんだ顔をしてはいないだろうか!今こそあなたの黒い瞳に、美しきアマテラス・リオを写し出すのだ!美しいものを見ている時には、他人と争う事など考えない。美しいものを見ている時には、誰でもみんな優しくなれる。

アマテラス・リオはその身を以って、我々に啓示し、この素晴らしい地球を悪魔の手から守ったのである。アマテラス・リオは盆にいでて、愛のベットを舞い踊り、地球と高天原を結ぶブリッジで、民衆の心に呼びかけたのだ。

「愛は地球を救う・・・」

愛が地球を救う、愛こそ地球を救う。悪魔はアマテラス・リオの命がけの戦いによって消えた。あとは我々が心眼を開き、どのようにこの世を汚れなく美しく育てて行くのかと言う行動が問われている。これこそが2004年 渡辺理緒・最新作「化身」の中で渡辺理緒が伝えたい鮮烈なメッセージなのだった。

何をどうしていいのか分らないと言う方は、また来月、2月11〜20日の聖地・道後ミュージックにご来場あれ。きっと渡辺理緒嬢が、やさしくみなさんを導いてくれるだろう・・・

※ アマテラス・リオの聖刀「いかずち丸」で尻をさされた方、今年も払い清められてきっと幸せな一年になる事でしょう。このォ〜、福男♪ (爆♪)
ちなみに、このレポートの写真は、「化身」の物ではなく、かつての作品「KATANA」と「連獅子」の合成写真、及び「ピンクマーメイド」の物ですが、「化身」のイメージと雰囲気が良く似ていたので、あくまでもイメージ画像と言う事で、ご了承下さいませ♪ 元写真の提供は、渡辺理緒公式HPです。

つづく・・・



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