もずのわくわく劇場日記 No.104


2004年 2月16日(月) ニュー道後ミュージック 4

最強!アンサンブルローズチームショー 前編


アンサンブルローズ 2004


あの! アンサンブルローズが帰って来た!
2002年8月20(火)、川崎の夜空にひときわ大きくまたたく、一つの星があった。
その星を見るために、大勢の人々は川崎へと集まった。

ある者は天高くきらめくその星を欲し、長いヒモを投げ掛けて手元に引き寄せようとした。またある者は、星の下に集いてお祭り騒ぎを繰り広げ、笛や皮無し太鼓で囃し立てた。しかし人々の歓喜の騒ぎをよそに、その大きな輝く星は宇宙の果てへと、金色に光る尾を引いて飛び去り、人々の目の前から無情にも消えたのだった。

それはそれは・・・ 蒸し暑い川崎の夜の出来事だった。
ひときわ大きくまたたく星を、心を照らす光を求めて、人々は流浪の旅に出た。
しかし、あてどない遥かな旅は、無駄ではなかったのだ。
銀河の星の海を航海し終えたあの巨星は、再び我々の元へ現れたのだ!

もう逃すまい、今度こそ平たいヒモで巨星をしばり、我々のものにしよう。
そして未来永劫、我々の心の闇を照らす光としよう!
さぁ、みんな道後に集まれ! 輪になった太鼓で囃し立て、踊り狂うのだ!

えっ? 前置きが長いってか? だって... 
中々ステージ始まらないんだものォ〜 (^o^) 激爆♪

ステージは暗黒のカーテンが引かれていて、何も見えない。
静まりかえった場内にはグビッ! ビールを飲み干すノド越しの良い音が聞こえた。そして緊張して握ったタンバリンの金属音が、チャラ♪ と漏れる。あぁ、これは私のタンバリンの音か。まだかァ〜 こっちもいつまでも緊張してられないぞぉ〜 (爆♪)

するといきなり雷鳴が、がらーんっ!と鳴った。げっ!不意を突いて始めるとは!
そしてここで、ミュ〜ジック!スタート〜♪




音もなく暗幕が開き、その裂け目からはまばゆい光が放たれ、麗しき女(ひと)・渡辺理緒嬢、そして男装の麗人・新庄愛嬢の姿! 目に鮮やかに、そして銀河のスターダストを散りばめた夢の別世界! 待っていた、待っていたんだよみんな! その星の再び輝くその時を

渡辺理緒嬢は黒いロングドレスをシックに着こなし、メリーゴーランドターンをしながら、ニッコリと微笑み、新庄愛嬢はキリ!と黒サテンのスーツに身を包み、ブラックハットを目深にかむり、シェイキーなダンス。何てこの二人、カッコイ〜んだろ♪ 渡辺理緒嬢は止めどもなくひたすら優しく女性らしく、新庄愛嬢はどこまでもクールでシャープ、男でもあこがれる程男らしく。

----- ここは社交界のパーティー会場。

派手に飾り立てた女達と、金をステータスに女をあさるNOBOBY な男達がひしめき合い、むせ返る熱気と声高な自慢話が渦を巻く。そんな中でひとりの女がこの場にふさわしくない、黒いロングドレスを着て壁の花となり、たたずんでいた。

そしてまたその会場の片隅に、虚飾の花ばかりを咲かせる者達の欲望にヘキヘキとした一人の男が、黒い帽子を目深にかむり、それらの者どもを冷ややかな視線で見つめていた。

そんな男の目に、ひとり壁にもたれながらポツンとたたずむ黒いドレスの女の姿が映る。「おや?」男は不思議とその黒いドレスの女の事が気になり出した。「華やかなパーティー会場に黒いドレス?」一度気になりだすと、黙ってはいられなくなった。男は黒いドレスの女の所へつかつかと歩み寄り、一人たたずむ女の背中越しに肩をトントン! と指先で小突く。

するとその黒いドレスの女は振り返り、真っ赤なルージュの口元をわずかに緩ませて微笑んだ。遠くから見ていたので、その女の顔は分からなかったが、今こうして近くで見ると、それはそれはあまりにも美しく、奥ゆかしい蒼いバラの花を想像させるような女だった。

「はっ!」男はたった一瞬でその女の虜となり、振り返って自分を見つめる黒いドレスの女に歌うように言う。

I WAS BORN TO LOVE YOU 〜♪
With every single beat
of my heart

Yes, I was born
to take care of you
Every single day.....

僕は君を愛するために生まれて来たのさ (^o^)丿
なんてキザなセリフ... 
こんなんフレディーマーキュリーじゃなきゃ歌えんな (爆♪)

その言葉を聞いた女はさらに深く笑い、男に手を差し伸べる。男の心が熱く燃えた。差し出されたか細い女の手をぎゅっ!と握りしめ、男は女の手を引いて会場の中央へ踊り出る。会場の誰もが場所を開け、二人の踊りを羨望のまなざしで見つめた。男と女はそんな中、 二人の世界で楽しく踊り続けるのだった。

-- 場面転換 ---

英語のセリフ。そして、カレラハ・ドコカラ・ヤッテキタノカ? スパイ大作戦のテーマが怪しく鳴り、黒スーツの男・新庄愛が一人ステージの上をダンス。黒いアタッシュケース(のつもりのダンボールの箱)を持ち出す。とても大切そうに扱っているので中には何か重要な物が入っているに違いない。

そして黒スーツの男・新庄愛は周囲に誰もいない事を確認してから、そのアタッシュケースを開けると、中から一つのペンダントを取り出す。それは銀色に輝く長いチェーンのペンダントで、そのチェーンの輪にひときわ大きな宝石がついている。黒スーツの男・新庄愛は、チェーンを手から吊り下げるようにして持ち、それをじっと見つめながら心の中で一人つぶやくのだった。

「どうやら無事のようだ。数十億円とも言われる世界最大級のルビー。これを手に入れるためにどれほどの金を使った事か。ビッグビジネスプロジェクトをするために、愛する理緒を日本に残し、海を渡ってやっとの思いでビジネスプロジェクトを成功させ、コイツを手に入れた。このルビープロジェクト、少々汚い手も使ったが、オレはこれを必ず愛する理緒に贈り、そしてオレ達は結婚するんだ!」

黒スーツの男・新庄愛の回想録・・・

日本を発つ日、理緒は空港まで雅治を車で送り、「理緒ちゃん、そんな事しなくていいってば。重いんだから本当に。」と雅治が理緒の事をなだめているのに、理緒は雅治の止めるのも聞かずに車のトランクから雅治の大きなスーツケースを引っ張り出していた。「大丈夫だもん♪ あたし案外力持ちだし、これからこのスーツケースの中に入っている服や品物で、雅治さんがビジネスと言う戦場へ戦いに行くんだって思うと、なんだか胸が一杯になっちゃて... こんな事でもしないと、あたし泣き出すかも知れないよ。」雅治は理緒の事を見つめた。理緒のそんな気持ちが胸に暖かかった。そして理緒のためにも絶対にビジネスを成功させて、理緒に飛び切り上等のウェディングドレスを着せてやると、改めて決意を固めたのだった。

空港のロビーで理緒は突然雅治にしがみついた。いきなりだったので雅治は一瞬驚いたが、雅治は気を取り直して理緒の背中にそっと腕を回した。雅治の胸に顔を埋めた理緒の髪が自分の顔の所で甘く香る。二人とも何も言わぬまましばしの時が経つと、理緒の方から離れた。「よし♪ これでしばらくの間、大丈夫。」そう言いながら理緒は無理やり笑うと、いってらっしゃいと言いながら、おどけて雅治に敬礼をする。雅治は優しい瞳で理緒を見ると、「行ってきます。きっと成功して帰って来るからね、その時はオメカシして出迎えに来てくれるね。」理緒はうなづき「もちろんよ、精一杯のオメカシして迎えに来るね。」と涙で流れた化粧で、真っ黒になった目を細めて雅治を搭乗ロへ送り出した。

「あれからもう2年かぁ... 理緒は元気にしてるだろうか、やせてたりしてはいないだろうか。妹の雪乃ちゃんは、相変わらずお茶目にしてるのか。あぁ、早く日本へ帰ってみんなに会いたい。だが、このルビーペンダントを組織の連中が狙っている... こうしている間にもきっと自分の事を捜して、やつらはコイツを取り戻そうと血眼になっているのに違いない。」

黒スーツの男・新庄愛はルビーペンダントをその手の中でギュッ!っとにぎりしめ、小さく丸めてズボンのポケットに無造作に突っ込んだ。世界最大級の数十億円とも言われるルビーペンダント。この時何気なく、黒スーツの男・新庄愛が取った行動が運命の明暗を分ける事になるとは、誰一人気がついていなかった。

部屋のドアが音もなくすっと開いた。そしてそこから足音を忍ばせ、何者かが黒スーツの男・新庄愛の背後に迫る! しかしその事に黒スーツの男・新庄愛は気がつかない。その時、背中に冷たく硬い感触の棒のようなもので押された気がして、黒スーツの男・新庄愛は背後を振り返ろうとする。

「動くな!」

ぐいっ!っとさらに背中を押され、自分の背中に押し当てられている物が何であるのか、黒スーツの男・新庄愛は悟った。拳銃をにぎりしめているのは女だった。ホワイトタイガー柄のボディースーツに黒のエナメルの編み上げロングブーツ、赤い髪をポニーテールにキリッと結い上げていた。そして冷たく鋭い眼をして黒スーツの男・新庄愛の背中に銃口を乱暴に突き立てている。

「誰だお前は! 組織の者か。」
「Be quiet ! 答える必要はない。」

そう言うと、その女は乱暴に黒スーツの男・新庄愛を拳銃で小突きながら、無理やりイスの所へ追い立てる。その間も銃口は黒スーツの男・新庄愛の後頭部、首、顔面と押し当てられたままだ。いつ発砲され殺されるかも知れない。黒スーツの男・新庄愛は額から脂汗を流し、なされるまま、誘導されるまま、突き飛ばされるようにして、にイスに座らされた。

するとそのホワイトタイガー柄のボディースーツを着た女・渡辺理緒はどこから持ち出して来たのか、ブラックレザーの手錠を取り出し、重い鎖をジャリッ!と言わせて、黒スーツの男・新庄愛の腕をイスの背もたれの後ろに回し、身動きが出来ないようにした。

黒いスーツの男・新庄愛はイスにROCKされ、暴れようとしたが、ホワイトタイガー柄の女・渡辺理緒から硬い拳銃のグリップエンドで一撃され気を失ってしまう。ホワイトタイガーの女・渡辺理緒は静かになった男を見下ろして、仕事に取り掛かる。そう、この黒スーツの男・新庄愛が組織から、だまし取った世界最大級の宝石、ルビーペンダントを取り戻すのだ。

ホワイトタイガーの女・渡辺理緒は、手馴れた手つきで男が持っていたアタッシュケースを開き、中を物色する。それは世界最大級、時価数十億円の宝石ルビーペンダント、大切に保管されているはずだからだ。だが、無い! どこにも無い! ホワイトタイガーの女・渡辺理緒はあわてた。

「どこに隠しているのっ! 身ぐるみはがして捜すしかないわね。」

するとホワイトタイガーの女・渡辺理緒は、イスの上でぐったりしている黒いスーツの男・新庄愛の所へ行き、服の上からボディーチェックをする。だがそれらしい感触は感じられない。幸いな事に無造作にズボンのポケットに入れられたルビーペンダントは、ポケットの裏地と一緒に、新庄愛の腿の内側にまわり込んでいた。ホワイトタイガーの女・渡辺理緒は、それに気がつかず内腿のふくらみを、男のモノと勘違いしていたのだった。(筆者、書きながら一人で笑う)

ボディーチェックしても見つからない事に、ホワイトタイガーの女・渡辺理緒は手段を選ばず、さらに行動をエスカレートさせ、乱暴に男の襟首に手を掛け、グイッ!とワイシャツを上へ引き抜く。そして次に男の黒いスーツに手を掛け、ボタンを外して脱がした。するとその下にはその女と同じ、ホワイトタイガーのボディースーツが見える。その男は身元を隠して組織に潜入する時、組織の者の振りをしていたからなのか? すると組織の者はすべてこの衣装... と言う事は、きっとこの組織の名前は「ホワイトタイガー」と言うのに違いない。(笑)

そのホワイトタイガーの女・渡辺理緒は次に男の前へ回り込み男のズボンのベルト、フォック、ファスナーをそれぞれ外してから、靴を片方づつ脱がし、放り投げる。そして最後の砦、ズボンのウェスト部分に手を掛けると、足元まで引き下ろし、脱がしたズボンもその場に放り投げると、無い!無い!無い!と思いつつ、そのままそこから男の事をほったらかしにして、どこかへ消えてしまった。

ホワイトタイガーの女・渡辺理緒のここまでの行動は、実に手際良く、まるでマジシャンがマジックのステージを行っているかのようだった。それにしても、ずいぶんとあきらめの良い組織の人間だろうか。

一人取り残された黒いスーツの男・新庄愛。
うぅ〜ん・・・と意識が戻り、イスの上で動こうとして手錠をつないだ鎖がカチャ!と音を立てる。「そうか!」ハタと気がついて記憶を取り戻す。自分はホワイトタイガーの女・渡辺理緒に襲われて...

手錠の鎖をガチャガチャ言わせながら、四苦八苦してようやく行動を束縛していた手錠から手を抜く事が出来た。イスから立ち上がると、ふとその時気がついた。「なんだ、この身なりはっ!」手を広げ、足先から上へと自分の姿を見る。

「そうか!あの女、服まで脱がして例の物を探していた... と言う事は、やられたか!」

あわてて荒らされた部屋の中を見回し、散乱した自分の服の中からズボンを拾い上げ、ポケットの中に手を突っ込む。スパイ大作戦のテーマが止まる。そしてゆっくりと手を引き抜くと... 男・新庄愛の手の中からシャリッ♪ 吊り下げられた世界最大級、時価数十億円のルビーペンダントが、ゆらゆらと左右に揺れ、美しい輝きを放っていた。

男・新庄愛はニヤリと笑い、それを空中に放り投げるようにして、すばやくキャッチ! あはははっ♪ と声高に笑い、チャラ〜♪ スパイ大作戦のテーマが再開し、男・新庄愛は消えたのだった。

こうしてアンサンブルローズ・チームショーの前編は、まんまと組織の追っ手を出し抜き、日本で男・新庄愛こと、雅治の帰国を待つ愛する恋人「理緒」のために、雅治が手に入れた世界最大級、時価数十億円のお宝「ルビーペンダント」を護り切ったと言う、「ルビートリガー・エピソード 1」と言うべきお話でした。ちなみに今回のアンサンブルローズのチームショーは、二部構成の作品なんですよ。




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