もずのわくわく劇場日記 No.120


2004年 7月 19日(月)

神崎雪乃デビュー9周年記念レポート

愛と感動のステージ・影炎-かげろう- 編



いよいよ我らが神崎雪乃の登場だ! 場内が暗くなりこれから始まる神崎雪乃のステージへの準備が調ったようだ。私は先に帰ってしまったタンバリンさんや、今日はこられなかった雪乃隊の人の「想い」まで、一身に背負ってタンバリンをにぎりしめ客席に立つ! 私がやらなきゃ誰がやる! 高見盛のように気合を全身に込め、いつでも来い! いつでも出て来い! と鼻息を荒くしている。

「あっ、ごめんなさい♪」と小声で言いながら、手で私を押しのけながら、客席へ侵入して来た者がいた。おのれ! 抵抗勢力か! グッとにらむと、 「あ、すみません。」そう言って次々にカーテンをめくり上げ、踊り子さん達が立ち見席に並んだ。

げっ! 私の周りはすっかり踊り子さん達で囲まれてしまった。一体、一体ど〜なってるんだ! でも私は負けない! 私を誰だと思ってるんだ! 雪乃隊だぞ! しかし、踊り子ってヤツはどうしてこうもオーラが強いんだ。一瞬たりとも気を抜く事は出来ない。一人雪乃隊の孤独な戦いが始まった!

タリラン、タータータカ、タリラン、タータータカ♪ 場内におなじみの KILL BILL のテーマがヘヴィーに流れ出す! カミテから白い着物に身を包み、刀を右手に持った神崎雪乃がシモテを向いたまま、一歩、二歩と歩み出す。チャー、チャ〜チャン♪ タンバリンスタート! チェイク!チェイク! よし、リズムは完璧につかんだ。バッチリだ。ゆとりが出来たので神崎雪乃に目を向ける。すると...

えーーーーっ! な、なんなんだ? 神崎雪乃の様子がいつもと違う! この存在感のある空気! 重厚な足取り! いつもとまるで別人じゃん! 演技に腹がすわってると言うのか、自信に満ちていると言うのか、道後で見た時とは比べ物にならない。

体をひるがえし、おもむろに刀をサヤから抜く。眉と眉の間に寄せるシワが、いつに無く殺気立ち、寄らば斬る! 命欲しくば何も言わず立ち去るがよかろうぞ。さぁ、いかがいたす。ははは、さればこちらから参るぞよ。

刀のサヤを捨て、神崎雪乃は上段から顔の正面に立てて構え、鋭い刀の刃に手のひらをすべらせて不敵な含み笑い。そのパフォーマンスに恐れおののいたのか戦わずして散りじりに逃げる刺客達。怨敵退散! かんまんぼろん!

場内にこだまするもずタンバリン。シャキシャキ♪ 客席に立って神崎雪乃のステージに見入っている踊り子達にはさまれて、「やべぇ〜なぁ〜、オレのタンバリンって、この踊り子達にも聞こえてるんだろうなぁ〜」と踊り子達を見回す。「うわ、みんな真剣にステージ見てる。他の踊り子達の前で、雪乃隊のタンバリンさん、ヘタだなぁ〜なんて思われたらマズイなぁ。」チラっとそんな事考えたら異常に緊張が走る。そのせいかタンバリンの音がヴォリュームダウンしてしまい焦る。

帯を解いてそれを両手に広げて持ち、左から右へ向かって斜めに流す。神崎雪乃は腰を落としてポーズをとる。そのまま反時計回りにゆっくりとターンして、サヤに収めた刀を着物の袖で包むようにして拾い上げ、胸にかかえるとほどいた帯の中に織り込むようにして、両ひざを床に着いた自分の前に供えるようにした。

妙にジィ〜ンと染込む神崎雪乃の演技が、言い知れぬ空気となって沈黙の世界へといざなう。着物の丈を決めているヒモをほどくと、ハラリと白い着物ははだける。神崎雪乃は二曲目になって立ち上がり、スローなエニグマの曲を踊る。その落ち着き払った仕草と、揺れるようなナチュラルな感じがとってもいい。

神崎雪乃のステージに、無意識にタンバリンを振っていると、また周囲の踊り子さん達の様子が気になり、ちょっと観察するが、みんな石のように身じろぎ一つせず、食い入るようにステージを見ていた。神崎雪乃は一度カミテに消え、場面転換を図り曲も終わる。

時計の秒針がチ、チ、チ、チ! と時を刻むような、三曲目のイントロが流れ出す。すると It's SHOW TIME ♪ 銀のレオタードスタイルで神崎雪乃が勢い良く登場! リズミックなダンスショーとなり、腰を振り、足を振り上げ、ステージ狭しと踊りまくる。サラリと流れるようなダンスの踊り方、これだ! 一番この場面が神崎雪乃らしいダンスステージだ! 足を交互に交差しながら微笑を浮かべ、横歩きのステップ♪ 曲の途中でレオタード風の衣装の胸の部分を取っ払い、客の視線をここに集める。そして肩幅に足のスタンスを取り、両腕を前に広げて美笑し、なにか伝えたい言葉を含むように唇を動かす。拍手が起こる。

ゆきのたん この曲ではやや早めにカミテに消え、ステージ上にしばらく
 曲だけが流れ続けている。そしてその間に次ぎの場面のため
 に衣装を着替え、気持ちを切り替え、四曲目のイントロと共
 に神崎雪乃は登場するのだ。

 静かに四曲目は始まった。ピアノとストリングスから、しゃ
 がれた声のヴォーカルが甘く囁くように歌う。神崎雪乃は銀
 ラメのロングドレスの衣装で、右腕を上げてバックスクリー
 ンにタッチしてうつむきながら登場。ドレスのスソを足でさ
 ばきながら、ステージへと進み、軽く踊ったのち、盆へと拍
 手の中を進む神崎雪乃。


回らない盆の上、正面を向いて両ひざをつき、狂おしく手で頭を押さえて顔を左右に振る。ここから神崎ベットに踏み込んで行くのだ。BGM のバラードに感応するように、まったりとジンワリと進んで行く。盆のすぐ脇に設置された踊り子冷却装置、別名を扇風機とも言うがその装置の効果で、風が盆で踊る神崎雪乃の衣装を、髪を揺らし、まるでモンゴル草原の風の中で踊るかのような演出を与えている。

風の中に立つ神崎雪乃! 風の中で踊る神崎雪乃! 素敵なイメージだ♪

ステージの幕裏で今まで神崎雪乃の脱いだ衣装を片付けていた一人の踊り子がいた。彼女もまたステージの隅っこから盆で踊る神崎雪乃のベットショーを、人知れず見ていたのだった。甘く切ないバラードの中、神崎雪乃が腕を回し、体を横たえ、しっとりと踊るさまを見ながら、彼女は胸に熱いものが込み上げて来た。カーテンの端をぎゅっ! と手で無意識のうちにつかみ、唇をかんでどんどん神崎雪乃の世界に引き込まれて行く自分を感じながら、身を乗り出すようにして見ていた。

神崎雪乃のベットショーはクライマックスへと進んで行く。

長い髪を後ろにかきあげて目を伏せ、口元を何か言いたげに動かしながらポーズを繰り出す。その度に客席から拍手が起こる。風になびく髪、うるんだ瞳、濡れた唇・・・ BGM が一度エンディングになるのかと思わせながら、フェイドインするようにエレキギターのかんだかいフレーズが再び盛り上げてくる。神崎雪乃は盆の正面に頭を下げて背中を反らし、足を高々と立てる。伸びやかに真っ直ぐに伸びた足は、神崎雪乃の胸を焦がす切ない気持ちを表現したポーズだ。

ステージのカーテンをにぎりしめながら、神崎雪乃を見つめている彼女は込み上げて来る熱いモノに必死で耐えている。場内で見ている踊り子さん達も、堂々と切なく踊る神崎雪乃に言葉も無く激しく拍手を贈っている。そして・・・

BGM がこれ以上は無いと言う盛り上がりのところで、のけ反って足を真っ直ぐに上げている神崎雪乃が、そのヒザをガクッ! と折る。その瞬間! カーテンをにぎりしめていた彼女は絶頂に達し、カーテンをもぎ取ってしまいそうな雰囲気で、泣き出した。一度泣き出したらもう後は止めども無く涙は続く。神崎雪乃は体を戻しながら、厚底10センチ以上ありそうなサンダルのまま、ブリッジをし、グッ! と立ち上がる! 激しい拍手が神崎雪乃のために贈られる。

神崎雪乃は正面に向き直り、両腕を広げて満面の笑顔を浮かべ、ステージへと戻って行く。そしてもう一度一礼をし、カミテへと消えた。「終わった♪ 終わった♪ 」と袖に戻ると、さっきまでカーテンを握っていた彼女がヒック、ヒックと目をこすりながら立っていた。
「雪乃姉さぁん...」ありゃ?と神崎雪乃は彼女の事を見た。

「どないしたん? みみちゃん。目、真っ黒やん。」
「ステージとっても素敵でした。私感動しちゃって、涙が止まらなくて...」
「感動? ホンマに? で、泣いちゃったの? 」

山咲みみは目をこすりながら、「うん。」とだけうなづいた。神崎雪乃は山咲みみの事が無性に可愛く思えて、両腕でそっと抱きしめる。

「そっかぁ〜、感動してくれたん♪ ありがとうなぁ。そんなん言うてもらったら、一生懸命踊った甲斐があるわぁ。あのなぁ、ステージ言うのはなぁ、踊り子が一生懸命踊ったら、必ずそれはみんなに伝わるもんなんや。みみちゃんも一生懸命踊ったら必ずそれはみんなに伝わるから、お互いにこれからも一生懸命頑張ろうな♪」

大先輩の神崎雪乃からそんな言葉をかけてもらって、また山咲みみちゃんは泣き出した。あ〜美しい楽屋裏での美談♪

神崎雪乃はポラセットを持って再びステージに戻る。

「はぁ〜い、ポラでぇ〜す♪ 一枚500円ですぅ〜。って言うか、女の子泣かしてしもた♪ あかんなぁ、女の子泣かせたりしちゃ♪ みみちゃん泣いてしもた。」

「なに? みみちゃん殴ったんか?」

「そやないよ! ステージ見て感動して泣いた... あのなァ、いっぺん蹴ったろうか!」

「雪乃が女の子泣かした言うから、殴ったんかって。」

「もぅ〜、そんなんやったらまたネットでヤンキーって書かれるやん!」



神崎雪乃ちゃん、ホンマにデビュー9周年おめでとう♪

って事でこれにて一件落着!


                    今回のおまけ。分る人には笑える (爆♪)



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