もずのわくわく劇場日記 No.134 神崎 雪乃 編「 Danger Zone ! (危険地帯!)」 ここ、とあるストリップ劇場では、これから危険なショーが始まろうとしている。 嵐の前の静けさか、はたまた寝ている高齢客の寝息か吐息・・・ おい、そこのおじさん! 申し訳ないが、今から叩き起こしちゃうぜ! そう、ここは劇場、エイキサイティングで、ファンタジックなスペシャルワールド! ほら! 始まるぜ! 大阪で最も危険な踊り子・神崎雪乃のお出ましだ! 短くスタッカート気味のオンベース、うなりをあげるディストーションギター! 一瞬、幻惑する光の中から神崎雪乃は登場した。 シックなブラックドレスには、右の胸から銀河のスターダストを模した、派手やかな装飾が施され、ショッキングピンクのフリルが胸元と腰、そこから右下がりに流れてる。 大きなピンクのリボンが、目に飛び込んで来る。 その下で客席に微笑みかける神崎雪乃の新鮮な笑顔・・・ 見とれている場合ではなかった! 手の中に握り締めたタンバリンは、この瞬間のためにこそあるのだ! 吠えろ! タンバリン、YAMAYO 1998 もずさんスペシャル! シャーシャカ! シャーシャカ! シャーシャカ、タン! タン! タン! 神崎雪乃がドレスのスソを、足先でサバキながら軽快にダンス。 ドレスから露出した神崎雪乃の白い肩が、腕が、手が、指先が、生めかしく宙をかき乱す。調子は絶好調のようだ。神崎雪乃ならではの軽快なダンスが、スッキリと気持ちいい。気持ちいいとタンバリンのノリも良く、気分爽快だ。一人で叩いている事すら忘れ、私は絶好調♪ 神崎雪乃が私をあやつっているのか、私のタンバリンが神崎雪乃をあやつっているのか、二人はテレパシーで語り合いながら、操縦かんをグイ!っと引き寄せて空高く上昇して行く。二機のF-16 は高度7,000m でランデブー飛行。近づいたり離れたり、旋回したり気分は益々上昇する。 と、その時! 突然、目に見えない敵の攻撃が私に襲い掛かった! 神崎雪乃のダンスを見ながら、自分だけの世界にハマっていた私は、うかつにもカミテ側の黒幕、楽屋とステージをつなぐ通路になっているカーテンに近寄り過ぎていた。 シャーシャカ! シャーシャカ! とタンバリンを一心不乱に叩く私は、近づきつつある敵に気が付かなかったのだ。突然、即頭部を何者かの手のひらによって、押されて私はコケそうになる。タンバリンの手が止まりそうになる。うぉっ! かろうじて私は踏ん張り、幸いにも事なきを得た。 体制をととのえてステージを見た時、神崎雪乃はあさっての方向を見ながら微笑みを、客席へと投げかけている。私は安心して黒幕のカーテンをにらみ返して言う。 あぶねぇーじゃねぇかツーの! もう少しで目の前にいる他のお客さんの頭を、タンバリンでブッ叩く所だっただろ! しかし、なんで人間ってのは、通路を歩く時に手でカーテンを押しながら歩くんだ? それにしても強烈な一撃だった。ちょうど、漫才で「いいかげんにしなさい!」と突っ込みを入れる時の、あの衝撃と同じ強さだった。 そう言えばあの時、SNAの「渡辺理緒 vs もず」のカーテン事件の時と、同じシチュエーションだった。しかし、今日こんな所にリオさんがいるはずも無く、カーテンをまくり上げて、敵が誰なのかを確かめるには至らなかった。(苦笑) 気を取り直し、再び神崎雪乃のステージに見入る。 二曲目〜三曲目と映画「TOP GUN」をイメージするダンスが繰り広げられる。 やっぱサントラのCD買ってよかったと、密かに含み笑いする私。 でもホント言うと、映画の方は見ていない。そのうち見るよ♪ そしてベットの曲も、もちろん愛のテーマだね♪ ここは盆がまわらない仕組みになっているので、神崎雪乃は自分で体の向きを変えながら、うまくキレイに見える方向をチョイスしながらのベットになる。そして立ち上がり。厚底の白いサンダルを履いてのブリッジから微笑♪ 拍手喝采♪ ポラショー♪ ホルダーネックの真っ赤なワンピースの胸に、おや? どこかで見た「黒い十字架」が・・・ 二人ともどこかでリンクしとる。(爆♪) なんやそりゃぁ〜 と言いながら、神崎雪乃ちゃんにおやつを手渡す。 「なぁ、もずさん。おねぇ〜の薔薇の封印見た? すごかったやろ?」 「うん、あれはすご過ぎ! あれをレポートに書くのはむずかしすぎるでぇ〜!」 「そやろなぁ。でも雪乃も今度、薔薇の封印やるねん♪」 「な、なんやて?! やめとき! 10年早いて。」 くちびるをツン! と、とがらせて雪乃が言う。 「なんでぇ〜? 」 「あれはリオさんにしか、踊れへん! だいいち、あの横にスライドするような踊りの時、けっつまづいてコケたらどないすんねん? カッコ悪いゾォ〜! 」 「そないな事言うても、もう遅いねん♪」 「なんでや?」 「ふふふ・・・♪ もう衣装出来てるやもん♪」 「マジ? 本気でやるつもりなんか?」 「無理かナ? 」 「いや、無理って言うより、雪乃ちゃんはもっと雪乃ちゃんらしい、個性の出る出し物を考えた方がええんとちゃう? 自分が好きな事と、自分が出来るモンとは、必ずしも一致するもんじゃあらへんよ?」 「そっかなぁ〜・・・」 「そう思うよ。リオさんに見てもらって、雪乃ちゃんの良い所を引き出してもらえるような出し物を考えた方が、良い物が出来ると思うけどなぁ・・・」 「う〜ん・・・ そやなぁ、おねえに相談してみるか・・・」 「そう、リオさんならきっとオリジナルですごいの考えてくれるよ♪」 と言う事で、神崎雪乃ちゃんの新作に乞うご期待! |