もずのわくわく劇場日記 No.139-4


アンサンブルローズ2005年 6月 5日 川崎ロック座

グランド・アモーレ!
偉大なる愛の名のもとに・・・
誕生日おめでとう〜♪

新庄愛&渡辺理緒
W バースデーイベント Vol.3
「渡辺理緒・涙の記念日」


ステージの上でプレゼントされた枕に、ほろ酔い気分の渡辺理緒は、放って置くとホントにそのまま熟睡してしまいそうなので、新庄愛がホレホレ!と起こす。ムギュ〜と起こされた渡辺理緒は、それでも立ち上がる事無く、その場で横座りしたままだ。

投光室のマイクから「お花が届いてますので・・・」とステージの司会者、新庄愛へアナウンスが入る。そして新庄愛のアシスタントをかって出ている風間ゆずが、お花を運んで来た。
そして風間ゆずは司会の新庄愛に耳打ちをすると、花の贈り主を発表した。

「えぇ〜、博多のTAKAKO嬢より、渡辺理緒さんへと言う事でお花が届きました。拍手!」
うぉ〜♪ と言う歓声と拍手が起こる。ボ〜・・・として座っていた渡辺理緒がピクリ!と反応する。さらに続く。カミテ側の壁伝いにまたしても大きな花が運ばれて来る。これは花束でもアレンジメントでもなく、鉢植え。それもそのはず、花の女王と言われる「蘭」の鉢植えである。マジ、高価な花であり数万円はするグレードのものだ。

ざわざわと場内のお客さんがざわめき、花の女王はステージ中央へと運び込まれた。

「雅麗華ねぇさんより、アンサンブルローズへ、そして渡辺理緒へと言う事です。」

そう紹介された。ひときわ大きく場内がどよめき、盛大な拍手が沸き上がる。
花も女王なら贈り主も女王である。さすがに新庄愛も渡辺理緒も、あせる! 新庄愛も渡辺理緒もアンサンブルローズも、この世界では、すでに押しも押されもしないひとかどの踊り子であり、チームであるのだがそれでもなお、麗華姉さん、「雅麗華」の名前はそれ以上の偉大な巨星である。その姉さんから直々のお祝いの品とあっては、これ以上のものは無いだろう。
アンサンブルローズの二人が動揺するのも、無理からぬ事である。

なんかこうなって来ると、映画の「極妻」みたいな感じになって来るねぇ・・・
さらに花は続く。

「えぇ、平松ケイさん、相沢かれんさん、そして、水月涼・桜澤まみ・金沢文子をはじめ、浅草のメンバーからも、お祝いとして届いております。」

感動するアンサンブルローズ。
そしてさらにお祝いの記念の品と言う事で、道後ミュージック様より、渡辺理緒さんへと黒ベースの陣羽織、金銀の刺繍で縁取られ、胸元の右側に「太陽の踊り子・渡辺理緒」、左側に「ニュー道後ミュージック」そして背中に「渡辺理緒、聖徳太子、弘法大師、夏目漱石」と
キラびやかに縫いこまれている。まぁ、それはすごいんだけど、渡辺理緒と聖徳太子・弘法大師・夏目漱石が同列に刺繍されていると言うのもどうなの? すごいと言えばすごいと思うけど、普通、道後所属の踊り子さん達の名前だと思うのだが・・・ さすがわ道後ミュージック、考えてる事が良く分んない。(爆♪) この場を借りて観光PRなんでしょうか。(爆♪)

場内のごった返したような騒ぎの中、渡辺理緒は雅麗華さん、TAKAKOさんから贈り届けられた花をじっと見つめ、一人自分の世界にハマってしまっている。

雅麗華さん、TAKAKOさんと言えば、渡辺理緒が踊り子としてこの道に入ってから、ずっと目標として来た大先輩の踊り子さん達だ。そして、渡辺理緒はこれまで歩いて来た中で、思うようにうまく踊れない時、ステージのアイディアに煮詰まった時、ステージを勉強させてもらったり、アイディアや様々な悩みの相談に乗ってくれたりと、今でこそベテラン、天才踊り子と言われるようになった渡辺理緒を、ここまで影から温かく見守ってくれ、「渡辺理緒」と言う踊り子をこれまでに育ててくれた恩ある姉さん達である。

渡辺理緒がじっと見つめる二つの花を通して見えるものは、決して私たちお客の目には見えない、渡辺理緒だけにしか見て取れない「踊り子・渡辺理緒」の軌跡。彼女が人知れず傷だらけになりながらもコツコツと積み上げて来た、苦労と葛藤の歴史が、心のスクリーンにフラッシュバックされた渡辺理緒の世界ではないだろうか。

おそらく今、渡辺理緒の両方の耳に、場内のざわめきなどはまったく聞こえていない。胸に大切に抱きしめた花束のゴワゴワとした感触、大勢の人達から寄せられた温かな気持ちが、柔らかなベールとなって自分の事を優しく包んでくれている。ほとんど訳もわからず踊り子としてデビューして、自分なりにがむしゃらになって頑張って来た。自分の事だけで精一杯だったのに、仲間の踊り子が、劇場のスタッフが、いずこからともなく劇場にやって来てくれるお客さん達が、私が知らない所で私の事を見守っていてくれた・・・

渡辺理緒は、2005年6月5日、川崎ロック座のステージの上で初めて泣いた。これまでどんな事があっても絶対に涙など流して泣いた事などなかった。けれど、今日は我慢しようにも勝手に胸が熱くなり、流れる涙を止める事は決して出来なかった。

うつむき加減に目を伏せた渡辺理緒の頬を、朝露のような光る雫が瞳からこぼれ落ちる。
そして渡辺理緒はそれを細い指先でぬぐい、左手で顔をそっと押さえた。

新庄愛がそんな渡辺理緒の姿をじっと見ながら、しずかにつぶやくようにそっと声をかける。

「仲間って、いいもんだ。仲間って大切だね・・・」

渡辺理緒は新庄愛の言葉に、涙の止まらない顔を無理に笑顔に変えて、「うん♪」とコックリうなづき、立ち上がる。新庄愛は道後ミュージックから贈られた陣羽織を広げて、渡辺理緒の肩に掛ける。渡辺理緒は様々な想いを込めて、道後ミュージックの陣羽織に腕を通す。

しっかり陣羽織を着た渡辺理緒を見てから、新庄愛は「自分のホームの劇場、大切にしようね。」と一言言うと、「はい!拍手〜♪」と唐突に叫ぶ。場内のお客はそれぞれの話で歓談したいたので、なんだか分らないけれども、拍手! と言われたので、うぉ〜! と拍手をする。

うん、これでいいのだ♪ い〜んだって。分らなくてもいいのよ♪ ネッ♪
かくして今日はバースデー記念の日と言うだけではなく、渡辺理緒・涙の記念日にもなったのだ。しかし、まだまだイベントはこんなもんじゃ終わらなかった。とにかく3回目の香盤の2時間半を全部使ってのイベントだから、長いんだよ。(爆♪)
次回へ続く・・・



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