もずのわくわく劇場日記 No.141-2


アンサンブルローズ2005年 6月 10日 川崎ロック座

新庄愛&渡辺理緒 TEAM SHOW!
アンサンブル・ローズ レパートリー
Vol.5

「運命の二重奏(ディユエット)」

                      楽日・ステージレポート第一景


ステージには暗幕が引かれ、投光室から「ステージの準備の為、しばらくお待ち下さい。」と言うアナウンスが流れている。どうやら今回も舞台装置が必要なショーのようである。
期待を持って楽しみにアンサンブルローズの登場を待とう。

ちょっとした中休み程度の時間を要し、アンサンブル・ローズ結成五周年の記念すべきステージの幕は開いた!

ステージの上には、川崎ロック座としては大掛かりなセットが組まれている。高さ 2m 程のアルミのキャタツが二つ、Aの字型に立ててあり、そのキャタツとキャタツの間隔は、やはり約 2m 程の間隔を置いて並べられている。しかも、その二つのキャタツの間をつなぐように、水平に板が掛けられていた。

また、それぞれのキャタツには、白いシースルーのカーテンが張られており、これは後にある役目を果たす事になる。そして、キャタツの端、上り口に沿うように、造花のオブジェの白い木の枝が括り付けられている。

二つのキャタツの間の空間は、四次元空間。時間と距離の無い世界と言う設定。
エスケープゾーンとも言えるその奥には、まあるい時計台。
この時計も後に、あるキーワードとなる。

さぁ、舞台装置の説明はこれくらいにして、先へ進むとしよう。

薄暗いほのかな照明のステージ上では、ショーがすでに始まっていた。
始まっていたとは?

通常のショーはステージの中央に踊り子がスタンバイしているか、カミテ、若しくはシモテのソデから踊り子の登場となるのだが、アンサンブルローズの今日のステージでは、幕が開くと同時に、新庄愛が舞台装置の上、二つの高いキャタツの間に渡された板の上で、あぐらをかき、座りながら腕を泳がせる場面でのスタートとなる。

ステージの天井から釣り下がっている照明と、照明の間にうずくまっている新庄愛が見える。
つまり、川崎ロック座の天井では、かなり高さが低い。そのくらい高い位置に新庄愛はいた。

ん〜、濃いいなぁ・・・ 濃すぎる。
と言うのは今レポを書いている、私が飲んでいるコーヒーの話。(失礼!)

さて、薄暗いステージの上で、これから一体何が始まるのか。
新庄愛は、黒い着流しの着物に身を包み、額には白い鉢巻を巻いている。
どうやら武士のようだ。
それも胸に強い意志を秘めた、若侍である。

そして場内に響いているのは、琵琶のビヨ〜ン♪ と言うどこか、おどろおどろしい怪しげな雰囲気の曲。スモークマシーンが、シュルシュルシュル〜! と、うなりを上げて煙を噴出し、さらにステージはオカルトティックな様相を呈してくる。

新庄愛は高い所で着物のソデをさばきながら、両腕を広げ、何かを招くような誘うような動き。その新庄愛のところから、緊迫感が場内に波紋を広げ、次第に大きな輪を描き出す。

蜘蛛女 新庄愛に気を取られていると、シモテ側の奥から夜の霧を引き
 裂くようにして、黒い衣を広げて身を隠すようにした渡辺理緒
 が、スススス〜! と進み出て来た。

 うん、新庄愛扮する若侍が待っていたのは、これであったか!

 渡辺理緒は黒い衣で身を隠したまま、カミテの端までそのまま
 進むと、クルリと身をひるがえしてシモテ側へ向き直り、立ち
 止まる。

 するといつの間に降りて来たのやら、新庄愛がシモテ側の端に
 立ち、渡辺理緒を鋭い視線で見据えている。

 「とうとうやって来たな・・・ ひとつ、人の世の生き血を吸い
  二つ、ふらちな悪行ざんまい。三つ・・・ 醜い浮世の鬼を、
  退治てくれよう新庄愛之介!」

              およそそんな緊迫感が広がる。

すると、一定の距離を保っていた二人が、いざ! と一気に場面は展開する!

新庄愛と渡辺理緒は、互いに走り寄り、舞台の中央で体を入れ替え、それぞれカミテ、シモテとまた分かれて静止。そこで新庄愛は腰の大刀を引き抜き、素早く二歩、三歩と進み、ギラリ! と光る刀の切っ先で、渡辺理緒が頭からかむっている、黒い着物を突き上げ、引き剥がす!衣を跳ね上げられ、その姿をついにさらす渡辺理緒!

蜘蛛女 月光に照らし出された渡辺理緒の姿は、ザンバラな髪をした
 魔物の姿だ! ホホホ・・・ と顔に不敵な含み笑いを浮かべ
 少しもひるむ事無く、新庄愛を見下すような眼で見据える。

 それを見てギリリ! と歯を鳴らし、刀を中段の構えから頬の
 あたりに構えなおす新庄愛。「出たなバケモノ!」(失礼!)

 エイヤ! と踏み出し刀を大上段に振り上げた新庄愛は、渡辺
 理緒に斬りつけた!

 しかしその切っ先を、軽々と右へ左へと体をかわす渡辺理緒!

 再び体を入れ替えてカミテに渡辺理緒、シモテに新庄愛。
すると今度は魔物・渡辺理緒の反撃が始まる!

刀を中段に構える新庄愛に対して、カミテ側からシモテ側を向き、頬の両側の髪をつかみ、身体を前に折って、長く尻尾のようになった髪を、前方に跳ね上げてから、首を振ってグルグルと振り回し、嵐を巻き起こす!

天はにわかに掻き曇り、月は黒雲に覆われ、激しい稲妻と風を呼び、雷雨はあたかも狙いを定めたように新庄愛めがけて襲い掛かる! うぅ・・・ 刀をにぎった腕を額に当て、吹き付ける雷雨をしのぎ、ギリギリの所で耐え忍ぶ新庄愛!

新庄愛之介激しい魔物・渡辺理緒の攻撃に、どう戦うのか新庄愛! 刀を地に突き立て、片ヒザを着く。もはやこれまでか! 若侍・新庄愛はチカラ尽き、魔物・渡辺理緒の魔力に下り、敗戦の将となって命奪われてしまうのか!
立て! 立つんだ! シンジョー!

するとその時、黒雲はいづこかへ消え、月の蒼い光が新庄愛の体を照らす。ふと気がつくと魔物・渡辺理緒の姿はそこには無く、一人残される
新庄愛。

「魔物よどこへ消えた! 姿を現せ! まだ勝負は終わってはいないぞ!」

そう叫ぶようにして、舞台の上をカミテへ、シモテへと探し回る新庄愛。
その時魔物・渡辺理緒は、ステージに組まれたセットのシモテ側のキャタツを、足元をじっくりと確かめるようにして、一歩づつゆっくりと登っていた。

新庄愛は刀を振り回し、花道を渡り、盆へと走り、盆の上で片ヒザを着きながら、歌舞伎のごとき仕草の舞を演技している。客の視線を引き付け、渡辺理緒がセットの上にスタンバイするための、時間を稼ぐ。

ようやく渡辺理緒が、キャタツとキャタツの間に渡された板の上に登りつめ、オープニングの時の新庄愛のように、天井近くの所で座り、スタンバイ完了。新庄愛がBGMを聞きながら、タイミングを図ってステージに戻って来るまで、渡辺理緒は時間を持て余す?

盆の上で、気合の入った侍の演技を繰り広げている新庄愛!
ところがだ、渡辺理緒はまだしばらく新庄愛の独り舞台が続くのでヒマである。(笑)
私はカミテ側の花道と舞台の付け根の位置に、席を取って座っていたもので、盆の新庄愛はずっと後ろの方になるから、舞台のセットの上に座っている渡辺理緒を見ていた。

すると、渡辺理緒は高い所から私を見つけ、私に向かってピースサインを送っているではないか。新庄愛はチカラのこもった迫真の演技をしているので、他のお客は新庄愛に眼が釘付けになっている。

渡辺理緒は高い所から「もずさん♪ イェ〜ィ♪ 」とピースサイン・・・
私も低い客席から「リオさん♪ イェ〜ィ♪」とピースサイン。

新庄愛も知らない、もずさんとリオさんの内緒のワンシーン。(爆♪)
この事を知ったら、さぞや新庄愛は、あきれ果てる事だろう。
「君たちさぁ〜、あたしが一生懸命踊ってると言うのに、何してンのォ〜? アホか! 」
ってね。(^o^)

そんな事を私達がしている間に、盆から新庄愛が戻ってくる。
新庄愛はまだ魔物を探しまわるように、舞台のセットのまわりを一周してから、渡辺理緒の真下へ片ヒザを着いて、正面を向いたまま刀を頭上高く振り上げる。その時、魔物・渡辺理緒は手に持っていた蜘蛛の糸を、真下の新庄愛に向かって投げ、フワっと無数の白く細い紙テープが広がり、新庄愛を包み込むのであった。

蜘蛛 そう、魔物の正体は、実は「蜘蛛女」であった。
 そして、舞台のセットは、高い立ち木と言う設定だったのである。
 さらに言うと、この場面で蜘蛛女・渡辺理緒は、新庄愛に対して
 トドメは刺していない。
 
 ただ蜘蛛の糸で、新庄愛を捕えた所で第一景は終了している。
 この事も、のちの場面に続く重要な点であるので、くれぐれも注目
 しておいて欲しい。



ステージレポート・第二景へ続く!



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