もずのわくわく劇場日記 No.141-5


アンサンブルローズ2005年 6月 10日 川崎ロック座

新庄愛&渡辺理緒 TEAM SHOW!
アンサンブル・ローズ レパートリー
Vol.5

「運命の二重奏(ディユエット)」

                      楽日・ステージレポート第四景
                終章「運命の二重奏(ディユエット)」


地鳴りがするほどの耳をつんざく雷鳴がし、ドド、ドドっと言う心臓の鼓動音がする。
すると地の底から沸き上がって来るような、重厚なオーケストラの旋律!

古い柱時計から発せられるゴーン、ゴーン! と言う時の鐘が響いた。

チャカポコ、チャカポコ・・・ 無限ループのリフレイン、テクノサウンド。
ぐるぐると万華鏡の光が回りながら、ズットト! ズットト・・・ っとリズムを小刻みに刻み
ながら流れる、ここはいずこであろうや!

新庄愛、そして渡辺理緒は時間と距離の観念がない世界、四次元空間に現れる。
まずは新庄愛が舞台セットから一人で登場。

黒いメッシュのボデコン、黒に蜘蛛の巣のガラが描かれたアームカバー、ガードル付きの黒いストッキングとエナメルのハイヒールと言ういでたち。ボンデージを思わせるその衣装は、精神世界の象徴、身体を拘束する様々な戒めを意味している。

そして新庄愛の首に巻きついている太く白いロープ。
それは蜘蛛女・渡辺理緒と侍・新庄愛との魂をつなぐ、運命の絆そのものである。

男女を結ぶ赤い糸の伝説はご存知か? それは運命の人と人を、細く目には見えない赤い糸がそれぞれの左手の小指と小指に巻きついて、どんな障害も乗り越えて、やがていつの日か二人は出会い、その運命を共にすると言われている。

しかし、新庄愛と渡辺理緒は、太い白いロープで結ばれているのだから、その絆の強固である事は申し上げるまでも無い。

さて、ステージに一人登場した新庄愛は、カミテ側のキャタツの中で、カミテ側を向いて立ち、苦しげに身悶えている。首に回している白いロープを手につかんで、それを胸の前で交差させ、そのままお腹に巻きつけた。とても苦しげな表情で、そのロープから抜け出そうとして、舞台の真ん中辺りへヨロヨロと歩み出る。

その時、新庄愛が出て行ったセットの後ろから、渡辺理緒が新庄愛と同じコスチュームで現れた。すると舞台の上で、ロープと格闘する新庄愛の背中越しに、近づいて行く渡辺理緒。

ヒザをついてロープと格闘している新庄愛は、ほどけて来たロープで輪を作り、それを頭上に高く掲げる。渡辺理緒は新庄愛の背後から、新庄愛が作ったロープの輪の中に、左の手を差し入れると、輪の上の部分をその手首で軽く押し上げた。これは準備完了の合図。

新庄愛は渡辺理緒からの合図を感じると、その輪になっているロープの両端を左右に引く。
渡辺理緒の手首にきつくロープが食い込む。すると無機質に立っている渡辺理緒の前で、背後を振り返り、ヒザまづくようにしながら、渡辺理緒の左手首に白いロープを手早く、正確に、鮮やかに結びつけた。

新庄愛はそのロープをぎゅっ! と引き絞るように引き寄せる。ロープはゆるみが無くなり、さらに渡辺理緒の腕は引っ張られて体ごと、一歩、二歩と前へ足を踏み出した。

絆 新庄愛はたぐり寄せたロープの端を、
 今度は自分の左手首にきつく縛る。

 新庄愛と渡辺理緒とを結んだロープは、二人の
 左腕をつなぎ止め、運命の太い絆(きずな)と
 なった。

 第四景は、この二人の魂のさだめを、ストイック
 に描く、奥深い幻想的な場面である。

 一本の白いロープは、伸びたり、からまったりし
 ながらも、時を経て徐々に新庄愛と渡辺理緒を
 引き合わせ、その距離をどんどん近づけて行く。

 新庄愛と渡辺理緒は、初めは反発しあい、それぞ
 れ運命の魔力から脱出しようとしてもがき、
 苦しみ、壮絶な葛藤を繰り広げる。

 しかし、そうしながらも、白いロープの長さは益々短く、二人の腕にからんで行く。そして二人の距離をさらに近く詰めて行く。運命とは、どれほど反発してそこから逃れようと、もがいても、決して逃げおうせるものではないのか拒絶して逃れようとすればするほど、深みにハマる底なし沼のごときものなのか・・・


絆2とうとう、新庄愛と渡辺理緒の二人の魂をつなぐ、
運命のロープは完全にその距離を奪い、二人を引き
合わせたのであった。

新庄愛と渡辺理緒の腕に巻きついた白いロープが、
奇妙な光の珠となって発光する。

運命を拒絶する事に、その命を燃やして来た二人で
あったが、すでにそれは不可能な事を悟る。

しかし、運命を拒む事を乗り越え、むしろその運命
を直視して、あえて受け入れる事により、新庄愛と
渡辺理緒の魂は、開放され、身が軽くなったのだ。

魂が開放されると視野が広がり、これまで見えては
来なかった、お互いの存在がリアリティーを増し、
優しく見つめ合う事が出来るようになって来た。

愛すると言う事を考えるようになった。
感じ合うと言う事が、どう言う事なのか分るように
なって来た。

それぞれを取り巻く環境、しがらみ、無意味な現実
のプリズナー(囚人)として、とらわれる事無く、
ありのままの魂を素直に見つめ、受け入れられる事
の素晴らしさに気がつくのだった。


運命の二重奏(ディユエット) 今まで運命との葛藤を繰り広げ、お互いの存在を
 認めつつも、それを受け入れられずにいた、侍の
 魂を持った新庄愛。

 そして魔物と呼ばれ、苦悩し続けた蜘蛛女の体を
 持った渡辺理緒の二人は、幾千年の時を越え、
 時代を越えて、ここにその魂の戦いの旅を
 終えたのだ。

 もはや傷つけあう事もない・・・
 何も恐れるものもない・・・

 二つの魂は開放され、ようやく二人は結ばれた。
 繰り返す運命のわだちに足をすくわれながらも、
 重い体を脱ぎ捨て、軽やかな魂と言う姿になり、
 結ばれる「愛」もある。

 肉体とは借り衣でありその姿は永遠の形ではなく
 幾ばくかの時間を経れば、必ず衰え、朽ち果てて
消滅するもの。しかし、魂とは元々形のない光の珠なのである。

後退催眠と言うものをご存知であろうか。
催眠術をかけて、記憶の軌跡をたどって行くと、最終的に人は自らを一筋の光であると宣言する。これこそまさに魂・生命の根源なのだ。

新庄愛と渡辺理緒が今回ステージで演じた物語は、いくつもの時代、場所、場面をオムニバス形式で描き出した愛と生命が、運命と言うステージの中で、どのように出会い、寄り添い、そしてどう結ばれて行くのかと言う物語を、蜘蛛女と若侍の姿を借りて比喩的な表現で、チーム・アンサンブルローズの結成五周年記念作品として、ストリップの舞台で上演した、実に奥の深い作品である。

ステージのラストシーンでは、新庄愛と渡辺理緒が寄り添い合いながらポーズをする。その姿はまさに「運命の二重奏(デュエット)」と呼ぶにふさわしい。そしてポーズをする二人には、ものすごい量の桜の花びらが舞い散り、それに混じって銀のラメも投げられ、それがキラキラと照明の光を跳ねて、それはそれはこの世のものとは思えないくらいの美しいラストシーンとなった。

チーム・アンサンブルローズが、ストリップと言うステージに追い求める、究極の美の世界は、それを応援するファン達の爆発的なエネルギーによって、さらに完成度の高いものになって行くのだ。また今回のステージ写真の撮影は、サンスポのカメラマンさんが、アンサンブルローズのために協力してくれたそうだ。

周囲の人をどんどん巻き込んで、大きく成長を続けているアンサンブルローズ。
彼女達の繰り広げるステージに寄せられる期待と声援は、今後もさらに大きくなって行くに違いない。次回の上演はいつ、どこで行われるか未定だが、その時には、またさらに飛躍した素敵なステージを魅せてくれるものと思う。

今後もチーム・アンサンブルローズから目が放せない!



[参考資料]

チーム・アンサンブルローズ 川崎ロック座 2005年6月1〜10日
 チーム・アンサンブルローズ
 (左:渡辺理緒 右:新庄愛)

 楽日のチームショーのステージを無事に
 踊り終えた直後のアンサンブルローズの
 渡辺理緒と新庄愛。

 髪は乱れ、化粧も流れているがとても
 満足気な表情の渡辺理緒、放心状態の
 新庄愛。
 
 彼女達のステージがどれ程多くの
 エネルギーを必要とするものなのか、
                     すごいステージであったのかを見て取れる。

10日間、本当にご苦労様でした。
そして、素敵なショーをありがとう!



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