もずのわくわく劇場日記 No.147-4-2


★年末特番★ Get's !

2005年 12月17日〜18日 道後ミュージック

渡辺理緒&ゆきみ愛! 夢の競演! チーム”Dreaming Waves”編 Vol.2






























さぁ、ここからはゆきみ愛のオリジナリティーあふれるソロダンスショー! 飲んだ暮れの恋人・渡辺理緒から酒瓶を取り上げ、それを片手に持ったまま踊り始めるゆきみ愛。

このままではあの人がダメになってしまう! そう危機感を抱いたゆきみ愛は、自分の出ている劇場のオーナーに掛け合い、どうにか渡辺理緒をこの劇場のステージへ出させてくれと、必死に頼み込んだ。

しかし、劇場のオーナーは「渡辺理緒? あぁ、才能のあるダンサーだが、スランプに陥って酒びたり、まだどこかで生きているのか?」と呆れ顔で言う。

ゆきみ愛は「あの人にもう一度チャンスを下さい!」と涙ながらに食い下がり、渡辺理緒を起用する事に難色を示す劇場オーナーから、やっとの思いで出演の許可を取り付けたのだった。

たった2〜3分のソロダンスでの出演ではあったが、ゆきみ愛は渡辺理緒の事を信じていた。あの人ならこのチャンスを生かして、必ず再起してくれるはずだと・・・

オリジナルのジャズ「TAKE FIVE」をハードロック調にアレンジした TAK MATSUMOTO の曲に合わせて、ゆきみ愛が踊る。引き寄せるような、タメのあるダンスは、渡辺理緒には無いゆきみ愛の独特な振り付けであり、これは自分で考えた振り付けだそうだ。

この作品は、1998年頃によく踊っていたもので、あの頃の木内雪美ファンにとっては、非常に懐かしい作品である。私にとってはタンバリンが叩けなくて、泣きに泣いていた時代である。

酒瓶を片手に、ぐいっ! っと飲むシーンは、今回のチームショーのためにアレンジした振り付けであり、渡辺理緒の再起のために影で力を尽くしたゆきみ愛にとっての前祝いと言う設定か。

さて、「オレ、酒はもうやめるよ!」と再起にかける渡辺理緒は、ひそかに練習を積み、劇場のステージに登場する。

出し物は、ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲、トッカータとフーガ・ニ短調・作品番号565番・宝塚トリビュート・・・

まばゆいスポットライトを全身に浴びて、渡辺理緒はステージに戻って来たのだ。その姿は凛々しく、悠然とした存在感に満ち溢れ、とても酒びたりの毎日を過ごしていた渡辺理緒とは別人のような姿だった。

背筋を伸ばし、鋭いステップをステージの床にたたきつけながら、凛として踊る渡辺理緒の事を、ゆきみ愛は眼に涙を浮かべながらカミテの袖で見つめていた。

「とても素敵なダンスだわ・・・」

ステージでは渡辺理緒のソロダンスが続いている。
この場面で使ってる曲は、私が渡辺理緒嬢にこの曲で踊ってみない? と推薦した曲で、渡辺理緒嬢本人もやりたいと言って、決まった曲である。

そう、道後シリーズ・インサイダーレポートの中で、「湖月わたる」と言う名前に、拒絶反応を起こした渡辺理緒嬢が、ダンスだけなら元々やりたかったと言った曲がこれなのだ。

本来この曲は、数十名の多人数で踊るチームショーの場面なので、渡辺理緒嬢は一人で踊ると、ショボくなりはしないだろうかと、心配していたのだが、「いや、見に来るお客さん達は、元もとの場面知らないし、気にしなくても大丈夫なんじゃない?」と、気軽に言ったのだが、やはりそんな心配は無用だったね。

自分の部屋でこの曲と「湖月わたる」の踊ってるシーンを見ながら、頭の中で「湖月わたる」を「渡辺理緒」に変換して、「渡辺理緒」がこの曲で踊っている所をイメージしていると、これは絶対「渡辺理緒」の方が綺麗に踊るに違いない!

そう思ったから私は渡辺理緒嬢に「この曲で踊ってみない?」と薦めた訳だが、実際に目の前でこの曲を踊る渡辺理緒のステージは、想像以上の出来栄えで、感動的だった。

でも、ちょっと遊びでもいいから、「フゥッ!」って言うあの気合のような声を入れてもらえると、宝塚ファンはすごく嬉しかったかも知れない。(笑)

さて、ソロで踊っている渡辺理緒のステージを、こっそり袖で見ていたゆきみ愛は、渡辺理緒の踊りっぷりに、失いかけた愛の炎をあらためて燃やし、どうしてもこのステージで渡辺理緒と踊りたいと思い、衣装を替え、渡辺理緒の踊る後ろからステージに出て来た。

渡辺理緒は踊りながら、何気なく後ろを振り返る。
そしてそこで渡辺理緒が見たのは、まぎれも無い自分の恋人、ゆきみ愛の踊る姿! はっ! と渡辺理緒のダンスのステップが止まる! 時間が止まる!

ステージの上はもう二人だけの世界・・・

ゆきみ愛の踊る姿を見つめ、渡辺理緒の脳裏にひとしきり、これまでの自分の姿がフラッシュバックして映し出される。

今こうして、まばゆきスポットライトを浴びながら、ステージで自分が踊る事が出来るのは、かけがえの無い恋人、ゆきみ愛がいるからなのだ。

酒におぼれて地獄へ落ちて行こうとする自分を、何も言わずに影から手を差し伸べて、引き上げてくれたのは・・・

渡辺理緒は胸が熱くなり、体が震えた。ゆきみ愛に対する感謝の心は元より、自分にはゆきみ愛が必要なんだ、運命の赤い絆で二人は固く結ばれているんだ! と思った。

渡辺理緒はその気持ちをダンスのステップに込め、踊りながらゆきみ愛の元へと歩んで行く。ゆきみ愛は、そ知らぬ素振りで踊っている。渡辺理緒はゆきみ愛の背中へ回り込み、後ろからそっとゆきみ愛の肩を抱き寄せ、自分が胸に付けていた真紅の薔薇の花を、ゆきみ愛の前でひざまずき、差し出した。

ゆきみ愛は一瞬戸惑いを見せるが、その薔薇の花の意味を理解して、差し出された真紅の薔薇の花を、渡辺理緒の手から受け取ったのである。ステージは文字通り、ゆきみ愛と渡辺理緒の二人の世界、愛と感動の奏でる愛の二重奏・デュエットとなったのである。

この場面で特筆すべきは、なんと言ってもゆきみ愛の女性らしい優しくしなやかなダンスである。正直言って、ゆきみ愛が渡辺理緒とからみながら、こんなに美しく優雅に踊れるなんて思っていなかったので感動した。この景はかなり良い構成と仕上がりだと思う。

するといずこからか波のさざめきと、カモメの鳴き声がして来る。ここは海辺? いやそうではない。愛し合う恋人達の愛の世界を擬似的に比喩した空想のロケーション。中々凝った演出。

そんな空想の背景設定の中で、寄り添いながら浜辺を散歩する二人。渡辺理緒は、ゆきみ愛の肩に腕を回し、やさしく髪をなで、手で愛撫するように背中をいつくしむ。

そして、ゆきみ愛のドレスのジッパーを、ゆっくりと下ろして行く渡辺理緒・・・




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