もずのわくわく劇場日記 No.143


2005年 7月 10日 道後ミュージック 開館20周年記念大会

若林はるな・限定復帰 編「織姫」



それでは花のトップステージを飾って頂きますのは、若林はるなさんの登場で〜す♪

と書いたのは、初めて若林はるなちゃんと出会った「2003年2月16日・大宮」でのレポートの書き出し。ポラを撮らせてもらって、飴玉をいただき、大喜びした私。

あの時の事は今でも、昨日の事のように鮮明に記憶に残っている。
ポニーテールの髪を揺らし、ハッピーにアメリカングラフティーを踊る姿に、とても良い印象がある。

私もベッタリとポマードを塗りたくり、リーゼントスタイルの髪に銀のクシを入れ、にわか仕込みの 50'S で、一緒にツイストを踊りたいと妄想した。似合わねぇ〜(爆♪)

その後、風の便りに「あの子、長期休業に入ったってさ。」そんな噂を聞いた。
えぇ〜! もう一度あの子のステージ見たかったのに・・・

とても残念な気持ちがしたものだ。

ところがぎっちょん! この度の道後ミュージック開館20周年記念大会で、限定ではあるが復活すると聞き、ビックリした。ホントにはるなちゃんの顔を見るまでは、半信半疑だった。

ところがぎっちょん! うん、このフレーズ二回目の使用 (爆♪)

すでに私にとっても、なじみになっている道後の入り口を入ると、ウホホホホ♪ の笑い声が聞こえる。この声は! 間違いない、若林はるなちゃんの声だ♪ 懐かしい〜なぁ〜♪

って言うか、そんなには昔の話でもないのに、そう感じた。(爆♪)

けれど、はるなちゃんが笑ってるって事は、ポラか。やはりホテルで風呂に漬かっている時間が長すぎたな・・・ って言うか、道後ミュージック開演時間繰上げってのは、遠征組にとってはあんましありがたくないよな。

次の回を待つしかない。
でも私は美味しいものは一番最後までとっておく主義なので、それもまた良しとする。

話を先へ進めよう。

それでは大変長らくお待たせいたしました。本日第二回目のショーを開演いたします。
華のトップステージを飾るのは、若林はるな嬢。
登場の際は、盛大なる拍手を以ってお迎え下さい。

見事なまでにマニュアル通りの場内アナウンスが響き渡るさなか、若林はるな嬢は上手のソデから、いそいそと暗がりのステージを走り、盆の床に座り込み、さらに持っていた薄手の布を頭からかぶると、スタンバイOK! 盆がゆっくりと回りだした。

その時、腹に重く響く太鼓の音! 津軽三味線がベンベラ! ベンベラ! と力強く鳴る!
ズンドコ・ドッコイ! ドテシャン、ドン!
ズンドコ・ドッコイ! ドテシャン、 せいや!

粋のいい男たちの掛け声が、若林はるなのステージを盛り立てる!
それにタイミングを合わせ、場内の四隅にスタンバイしたタンバリンが、一斉に吠える!

チッチキ、チッタン! チキチッタン!

若林はるなは、羽織った布を両手で下から支えるようにして、盆から立ち上がる。
フワリと回りながら客席に見せたどこか憂いを含んだ顔。
細い目をさらに細めるようにして、視線を流す。

う〜ん・・・ 実にシリアスな演技の作品だ。これは一体なんだ!
私が想像していたものとはまったく違い、今まで抱いていた若林はるなの、別な一面が垣間見える。シモテ後方でタンバリンを振り回しながら、盆からステージへと踊る若林はるなを見つめ、こんなシリアスなダンスもこの子はできるんだなぁと関心していると、タンバリンをたたく手が空振りした。(笑)

ピンクと黄色のツートンカラーの着物、髪はきつく結い上げて、リボンを模った光をはねる髪飾りを頭に乗せている。そ、そうか! 分かったゾォ〜! そう言う事か♪ ムフ♪

曲が二曲目に移ると、音楽と言うよりも、掛け声とリズムだけのSEと言う方が近い感じのするもので、着物のスソを振り乱しながら、クルクルと狂気乱舞、テンポの速いリズムに合わせて踊っている。そわそわ、ドキドキ、はぁ〜・・・

そんな若林はるなを下から見上げ、客席から手拍子ではやし立てるお客さん達の眼は、優しく見守るように、たった一人ステージで奮闘する若林はるなを見つめている。

以前にも見た若林はるなショーを、思い出しながら楽しんでいると言う人、初めて若林はるなのショーを見て真剣に見入る人、名も知らず登場した踊り子を見てストリップってこう言うものなのかと、興味深々として席から身を乗り出してカブリつく浴衣のお客・・・

若林はるなは、そんな人達の視線を一身に浴び、これまでのブランクをまったく感じさせない堂々とした踊りっぷりで、ステージを進めて行く。

星のかけら達が無数に集まり、銀河の宙(そら)にキラキラと輝き、それはやがて大河となってうねり、若林はるなの前に横たわる。

星の大河のまばゆい流れは、若林はるなと愛する牽牛とを深く引き裂く、渡れぬ涙の川だ。
けれども一年に一度、一晩だけ、星の川はそのうねりを鎮め、穏やかな凪となる。

この日が来る事を、一日千秋の思いで待ちわびていた若林はるな。
けれど、二人会えずにいた時間とディスタンスに、若林はるなは大きな不安を感じていた。
それは愛する事への取り止めもない恐れ。想像と現実との狭間で揺れる女心。

私は本当に今も牽牛の事を愛している。けれど・・・
牽牛に再会し、彼にこの身を無条件にゆだねる事が出来るのだろうか。
心をお互いに通わせ合い、温め合う事が出来るのだろうか。
愛することがこんなに怖いものだなんて、考えたことは無かった。

愛し合う恋人達が一年もの間、離れ離れになる。
時が経てばかみ合っていた愛の歯車も、少しづつ音を立ててギクシャクとキシむ。
今、若林はるなはそんな思いを抱えたまま、今年も星の河を渡り、牽牛の元へと一歩、また
一歩と歩いて行くのだった。

一瞬の間を置いて静かに流れ出すピアノのイントロ

〜 鬼塚ちひろのヴォーカル

〜ステージ中央にうつむいて立つ若林はるな・・・

斜めに差仕込む照明が、若林はるなの頬をなでるように照らす。
幾分やせたかも知れない若林はるなの立ち姿に、なぜかホロリとするものを感じる。

若林はるなと一年ぶりに再会した牽牛が、喜びに満ちた眼で嬉しそうに、若林はるなを抱きしめる。しかし、牽牛は腕の中に抱いた若林はるなに、いつもと違う何かを感じて言った。

♪足りないなら〜 そう言って 与えるから〜 そう言ってよ
 キミはどこを見てるの〜 ボクの眼を見ずに・・・

盆に進み出る若林はるなは、BGMの歌詞をなぞるようにして、ベットを踊るために盆にはべる。ベット着が若林はるなの体からすべり落ち、まぶしい素肌が露出される・・・
眉と眉の間に深くシワを寄せ、もどかしく、狂おしい女のサガと官能が体の中を駆け抜ける。

牽牛の問いに答えず、無言のまま体をあずける若林はるな。
いたたまれない牽牛は、若林はるなを押し倒し、体を重ねて愛のほころびを探し出すように、若林はるなをまさぐる。

牽牛の肌のぬくもりは、若林はるなの心までは温める事が出来ない。
若林はるなの体は反応するものの、冷ややかな風がどこか吹き抜けて行く。
あせる牽牛。とその時、若林はるなは体を起こし、呆然としている牽牛を振り返る事無く歩き出した。

若林はるなは気がついてしまった。
もう、牽牛に自分の心の空白を埋める力は無い。

一年に一度しか会えない人ならば、存在しないのも同じ事。
いつもそばにいて、私の事を見つめて欲しかった。
うずまくしぶきにためらわず、星の河に飛び込んで私の所へ泳いで来てくれたなら、あなたの事を愛していられた。

もしあなたが力尽き、星の河に飲み込まれたなら、私もこの河に身を投げ、あなたに命を捧げた事でしょう。でもあなたは何にもせずに、時を待っていたわ。そう、何もせずに私の愛だけを欲しがったのよ。

さよならは言わない、私はあなたの前からただ消え去るだけ・・・

若林はるなはステージに灯る光に向かって一人、迷いの無い、しっかりとした足取りで歩いて行く。そして強く大きな光の中で振り返り、遠くを見つめながらラストポーズを決め、限定復帰のステージはフィニッシュとなった。

うぎゃぁ〜! な、なんて身につまされるストーリー作品。(爆♪)
七夕の週だもんね、これは「新説・織姫と牽牛」と解釈出来る。
しっかし、こんな作品を復帰のステージにぶつけて来るとは、恐れ入りました。

すごい迫真の演技と言うか、ダンスと言うか、ベットで見せるはるなちゃんの顔の表情が、なんと色っぽかった事でしょうか! 関心しましたよ。今回限定復帰なんて言わずに、どうかまたステージに戻って来て欲しいものだと思いました。

次回は仁科ちあき嬢のステージレポートです♪



[ INDEX ] [ 観劇日記 ]