もずのわくわく劇場日記 No.151


2006年 1月 9日 道後ミュージック

渡辺理緒・新作「アイリッシュ・フェアリー」事前勉強会編


アイルランドのベルファストにあるハーランド・ヴォルフ社で建造された、当時世界最大の客船・タイタニック号は1912年4月10日、イギリスのサウサンプトン港から、処女航海に出航した。

フランスのシェルブール、アイルランドのクイーンズタウンに寄港し、アメリカのニューヨーク港に向かうコース。順調な航海を続けていたが、4月14日23時40分、北大西洋のニューファウンドランド沖に達した時、流氷群の中の高さ20m程の氷山をかすめるような形で激突。

多くの乗員乗客が船から脱出できないまま、衝突から2時間40分後の2時20分、轟音と共にタイタニックは真っ二つに折れ(海中で3つに分裂)、ついに沈没した。

意外な事に、実はタイタニック号には唯一の日本人乗客として、鉄道院副参事の「細野正文」氏が乗船していた。「細野正文」ん? 何となくどこかで聞いたことがあるような名前だね?

そう! タイタニック号に乗っていた「細野」氏は、元・YMOの「細野晴臣の祖父」なのでした!
まぁそれはいいとして。

このタイタニック号、唯一の日本人乗客「細野正文」さんは、他の乗客が書いた手記により、とんでもない濡れ衣を着せられる事になったのでした! 許せん・・・

「タイタニック号の乗客の中には日本人の細野と言う男もいたが、細野は、いや日本人は自分が助かるために、人を押しのけて救助ボートに乗った!」

これは事実無根のでっち上げ話である! と言うのは、タイタニック号が建造され、処女航海に出て沈没したのは今からおよそ94年ほど昔の話。その頃はまだ日本人は国際的地位も低く、単純に人種差別を受けていた。タイタニック号は大英帝国船籍の超豪華客船、野蛮な国に住むサルが乗るような船じゃない! 要はそう言う事よ。

細野氏の無念! 汚名を長いこと着せられてはいたが、彼の死後 1941年になって、細野が「救助直後に残した手記」が発見された! そして実は、1997年に「細野とその乗客は別のボートに乗っていた」という調査報告がなされたため、彼の名誉は回復された!

ところがだ、この事件が長く喧伝されたのに対し、名誉回復が行われてから日が浅いため、いまだにこの件を持ち出して、日本人男性を非紳士的と主張する人間も少なくないと言う事である。この話ってすげぇ、ムカつかねぇ?

で、なんであるかな・・・

つまり、タイタニック号はアイルランドで造られた船であると言いたかった。(笑)
今回の渡辺理緒さんの新作「アイリッシュ・フェアリー」では、作品の背景や、テーマが「アイルランド」である。なので、新作の作品レポートへ行く前にだ、最近流行の? 「アイルランド」って言う国の、歴史と伝統・文化について、ご一緒に学習してみようではないかと、実にアカデミックなもずさんのレポートである。

えぇ? だってさぁ、案外「アイルランド」って国の歴史や文化ってのは、みなさんの身近にゴロゴロ転がっているのに、知られていない事が多いのよ。それに、渡辺理緒さんだって言ってみれば「たかがストリップ」の小さなステージなのに、それを「されどストリップ」と言う、レベルにまで昇華させている訳で、これほどの作品・ショーなんて、ストリップ劇場では普通、お目にかかれないと思うよ?

アイルランド共和国は、北大西洋のアイルランド島に存在する、立憲共和制国家である。
アイルランド島に、はじめて人類が居住したのは、紀元前7500年ごろの旧石器時代であるとされる。

おぉ、ここから書くんかいな。長くなりそうだから途中省略。(爆♪)

「ネイティヴ」つまり、原住民は「ケルト人」。そこへ、侵略者達が押し寄せて来る訳だ。
バイキング! 8世紀から300年以上に渡って、西ヨーロッパ沿海部を侵略したスカンディナビアの武装船団(海賊)である。しかし、1014年 アイルランド上王(High King)ブライアン・ボルーがクロンターフでヴァイキングを破り、これ以降ヴァイキングの侵入が収束する。 が、その勢力は拡大し、単独では国を守りきれないと感じた豪族達は、1171年にイングランド王・ヘンリー2世の支配下に下った。うん、そう言っても本当は協定による、一時回避だったはずなのね。

でもそうなると、でかい顔して来るのはイングランド王のヘンリーさん。ヘンリー8世の代になると、オレがこの国の王様であると、1542年にアイルランド王を自称する。そう、自称ね。自称と言うのは自分で勝手に言ってるだかだから、アイルランド貴族は認めてはいない。するとどうなるのか?

当然、認めろ! 認めない! とゴタゴタ始まっちゃうんだけども、そんな最中、1588年イギリスがスペイン海軍を打ち破ってしまった。イギリスの海上帝国の時代が始ってしまった訳ね。こうなると、アイルランド貴族もイギリスに対して手出しが出来なくなり、1652年イギリスの大将・クロムウェル護国卿がアイルランド平定。事実上の植民地化・・・

うん、こんな歴史的経緯があって、現在でもアイルランド島の南側6分の5はアイルランド共和国、北側の6分の1はイギリス領になっている。

何となくはわかった? でね、ちょっと私は面白い事に気がついた。
アイルランドの首都は「ダブリン」、言語は第一公用語が「アイルランド語」、第二公用語が「英語」と言う事になっているのだが、現実的には一般的に「英語」をつかっている人が多い。最初にタイタニックの話から始まったじゃん? レオナルド・デカプリオの映画の「タイタニック」は知ってるよね? あの映画の色々なシーンを見てると、英語じゃない言葉を話してる人達がいるのね。主に労働者階級の平民。

デカプリオ扮するジャックと相棒が、有り金全部賭けてポーカーをし、タイタニックの搭乗券をゲットするシーンとか、賭けをしている相手は、アイルランドの地元民、だから話してる言葉も英語じゃなくて、アイルランド語なの。言葉は通じなくても、ポーカーはできるんだね。(爆♪)

でも見方を変えると、平民はアイルランド語、支配者層は英語。
そんな所に歴史的背景が見え隠れしてる。

さて、もうちょっと話を渡辺理緒さんの新作の近くへ持って行こうか。
タイトルが「アイリッシュ・フェアリー」と言う事になってます。

このタイトルは、珍しく玉さんが「これにしようよ!」とプッシュ♪して決まった。
邦題にすると「アイルランドの妖精」と言う意味ね。ピッタリとハマってるよね。

でね、このアイルランドって国には神話がとても多くて、妖精誕生の地でもあるの。
フェアリー(英:fairyまたはfaery)は、妖精の事で、神話や伝説などに登場する気まぐれな存在で、絵画や文学では羽をもつ非常に小さな人型の姿で描かれている。フェアリーという言葉は彼らが住んでいると言われる場所の名前・フェアリー(Faerie)に由来しているそうな。神話というものは、さまざまな文化や環境にあっても、共通する面があるのと同じように、フェアリーもまたさまざまな名前や姿形をとって現れる。

とするとですよ? 今回の作品の中で渡辺理緒さんが演じている「妖精・フェアリー」は一体何なのか、誰なのか? そう考えてみると・・・ 居た♪ この妖精にしよう。

ダグダとボアーン(ネフタンの妻)の間に生まれた子。
ボイン河の畔にある妖精の丘の王、愛と若さと美の神・オイングス。アイルランドの神話「フィン物語群(オシーン物語群)」に出て来る。なんかピッタリときそうな感じ。(爆♪)

まぁ、でも神話って大した話は書いてないので、「ボイン河の畔にある妖精の丘の王、愛と若さと美の神・オイングス」ってイメージだけをレポの中では借りる事にして、作品中に登場して来る一風変わったあのダンス、「アイリッシュ・ダンス」についてもちょこっと勉強してみましょう。

【アイリッシュ・ダンス】

取り合えず、みなさんはこの「アイリッシュ・ダンス」と言うダンスを見た事がありますか?
どんなものか見た事がないと言う方は、今からレンタルビデオ屋へ行って、「タイタニック」のビデオを借りて来て下さい。二本組のヤツだと前半のテープの中に、アイリッシュ・ダンスを踊っているシーンがありますので、こ〜ゆうヤツかぁ〜♪ って感じで参考にして下さい。

えっとね、テープをデッキに入れて、1時間6分40秒くらいの所から始まる。
場面で言うと、ジャックがローズにメモの紙をさりげなく渡し、ローズがそのメモを見る。
「今を大切に。時計台のところで待っている・・・」と言うシーンの後の部分ね。
曲もアイリッシュ・ダンスの曲なので、具体的にどんな感じなのか参考になるはずです。

さて、アイリッシュダンスって一言で言うと何かといえば、アイルランドのダンス。(笑)
これは、みなさんも良くご存知のフォークダンス、マイムマイムとかの原型だったり、タップダンスの原型だったりと、このアイリッシュ・ダンスを源として発生したダンスは色々あるらしい。

で、色々なダンスの源になっているくらいだから、ステップの種類も数が多いようで、

■最も古いベージックな、昔のスタイルで全身を自由に使って踊る「シャンノース」

■フォークダンスの素になった「セットダンス」

■数人のダンサーで輪になったり、8の字を描いたりする「フィギュアーダンス」

■伝統的に伝わって来た「トラディショナルダンス&ミュージック」

■上半身は一切使わないで、足だけで踊る「ステップダンス」

■イギリス兵に窓越しに見られても分からないよう腕の動きだけをしない「オールドスタイル」

■ステージ用に競技用に発展した高度な足さばきの「モダンスタイル」。上半身はビシッときれいに固定して足の動きだけで観せる為の工夫がふんだんに盛り込まれる。

■靴底がやわらかいシューズで、女性用はとても可愛らしく靴底はバレエシューズとそっくり。男性用のシューズはジャズシューズにヒールがついたもの。だから男性はソフトシューズのダンスを踊るとき時折ヒールを当てて音を出す。「ソフトシューズ」

■しっかりとしたシューズで、つま先とかかとの部分に音の出る素材がついてる。その素材と言うものはグラスファイバーやプラスティック。ハードシューズのダンスがアメリカに渡ってタップダンスになった。「ハードシューズ」


おおよそ上のようなものが、アイリッシュ・ダンスと言う物にはあるそうだ。

では、渡辺理緒さんが今回の作品の中で踊っている、アイリッシュ・ダンスをモチーフにしたステージでは、一体どんなステップをしているのかと言うと、「モダンスタイル」の「ステップダンス」と言う分類になると思われる。
しかも、かなり自由なステップやフォーメーション、それに加えてアームス(腕振り)を使った作品として観る事が出来る。これはもう、渡辺理緒の“モダンスタイルのアイリッシュ・ステップダンス”と言うオリジナルなカテゴリーとして分類される作品と言っても過言ではないだろう。

さぁ、もうお勉強はこの辺りにして、次回は渡辺理緒さんの究極のストリップ・アイリッシュ・ダンスをじっくりとレポって見ようと思う。私にとってもこれは渡辺理緒さんのステージにどこまで肉薄できるのか、チャレンジのレポートとなる事だろう。

「神よ! 我がパソコンのキーボードに、主のご加護を〜!」

次回へと続く→


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