もずのわくわく劇場日記 No.155-2 エリザベート


[最後のダンスは俺のもの!]

場面は急展開、幸福と不幸はいつも背中合わせに存在する。

少女時代のエリザベートが不慮の事故で死にかけ、黄泉の国の帝王・トート閣下と出会った。
そして、エリザベートに「死の承認」をするべきトート閣下は、どう言う訳かエリザベートに一目ぼれをし、生きたお前に愛されたいんだ! と、タブーを犯してエリザベートを生き返らせてしまった。トート閣下は本気で、生きたエリザベートから愛されるその時を待ち、二人仲良く黄泉の国で暮らす事を望んでいる。

ところがだ、トート閣下がエリザベートから愛される時を待っている間に時は流れ、生き返ったエリザベートは成長した。そしてヒョンな事から、時のオーストリア皇帝・フランツヨーゼフと結婚する事になる。あせったのはトート閣下。

「な、なんでやねん? 黄泉の国の帝王・トート様の愛をほったらかして結婚? フランツ・ヨーゼフ?
 誰やねん? 許さん、許さへんよ! お前が結婚するんは、この俺、トート閣下以外にはおらんのや!」

大阪生まれのトート閣下は、激しく狼狽し、ハプスブルグ家・フランツヨーゼフを呪い、妨害工作にヤッキとなるのだった。その第一弾、ウィーン・アウグスティン教会、1854年 4月24日 午後6時半、エリザベートとフランツ・ヨーゼフの結婚式。どう言うわけか、たそがれ時の結婚式。

なぜって? それはトート閣下が影の司祭だからさ・・・


幼い頃から自由奔放に育ち、堅苦しい事や強制される事が大嫌い。そんなエリザベートがオーストリア皇帝・フランツ・ヨーゼフと結婚し、皇后陛下に納まった。いや、納まれるはずがない。厳しい姑・ゾフィー皇太后との確執、壮絶な嫁姑戦争の勃発、エリザベートが頼りにする夫・フランツ・ヨーゼフはマザコン皇帝・・・

エリザベートは自室に引きこもり、毎日泣いて過ごしていた。
そんな時、ふとトート閣下が何処からともなく現れた。

「覚えておいでですか・・・」

ベッドに横たわり、泣いているエリザベートは振り返ると、けげんな表情で恐る恐る言う。

「いえ、どこかでお会いしたような気もしますが・・・」

「あなたの愛を巡って皇帝陛下と争う。あなたは彼を選んだ、私から逃れて・・・
 二人の愛は見せかけ、陛下の腕に抱かれて、あなたはそっと私へもほほえみかけている。」

「ウソよ!」

「最後のダンスは俺のもの! おまえは俺と、踊る運命!(さだめ)」

トート閣下の言葉におびえ、戸惑うエリザベート。


さぁ、ここから渡辺理緒と新庄愛のステージに入る!

 トート閣下役の渡辺理緒がマントをひるがえし、エリザベート役の新庄
 愛を指差すように手をきつく差し伸べて歌う!

 ハプスブルグは朽ち果て、広間の客は息を止め・・・
 お前と俺のデュエットを、じっと待ち焦がれる。
 最後のダンスは俺のもの!
 お前は俺と踊る運命!(さだめ)
 闇の中から見つめている。
 最後に勝つのはこの俺さ!

 エリザベート(新庄)に強くプレッシャーを掛け、高圧的な態度でステ
 ージを踊り始めるトート・渡辺理緒! そして言われている言葉の意味が
 理解できずに苦悩し狂おしく悶絶するダンスのエリザベート・新庄愛。

 新庄愛、渡辺理緒のそれぞれの演技力が光る場面。

 攻める者と、攻められる者との対照的な立場の演技が、良く表現されて
 いるのだ。この辺りになると、二人の感情移入も熱くなっているので、
 どんどんステージに引き込まれてしまうのだ!

 さらにステージは展開して行く・・・

[エリザベートの自立] へとつづく・・・


■これまでのバックナンバー

No.0 表紙ポスター
No.1 [エリザベート開幕!]
No.2 [最後のダンスは俺のもの!]



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