もずのわくわく劇場日記 No.162


2007年 1月13日(土) 大和ミュージック劇場

瀧川詩織・満月に笑う女・・・



瀧川詩織さんのショーを初めて見たのはいつだったろうか?
そう思って自分のページで調べて見たら、2003年2月24日の渋谷道劇だった。
あの時はリオさんから、瀧川詩織のショーを見てあげて下さいと言われて見に行ったのだったが、今回は違う。自分で瀧川詩織さんのショーが見たくて、思い余って車を飛ばし、大和ミュージック劇場まで足を運んだのである。

スタンプがあと一個で満券だ♪ いや、そんな事はどうでも良いのだ。

瀧川詩織さんとは、去年の夏の銀映で渡辺理緒引退興行ファイナルの時に会っている。もっとも最初私は、その人が瀧川詩織さんだと気が付かないでいた。Tシャツにジーンズ、キャップを目深にかぶり、モップでステージを掃除する所しか見ていなかったからだ。

正直言って、これ以上はないってくらい地味なスタイルだったし、元踊り子やってた銀映の女子従業員さんくらいにしか見えなかったからだ。(失礼!)

でも、その銀映楽日の前日の19日、舞台がハネてから遠征とは言うものの、ホテル等の予約をまったくせずに名古屋遠征してしまった私を始め、同様な遠征状況の応援さん達がたくさんいて、宿無し応援隊の寝床を確保するべく、リオ隊のTさんとSさんが采配を振って銀映の駐車場で色々面倒を見てくれていたのだが、その時に瀧川詩織さんも、みんなの心配をして出て来てくれていたのだった。

うん、これって秘話だよね。(爆♪)

でその時、私のすぐそばにいた友達が、「この人誰だか知ってる? もずさんだよ。」と瀧川詩織さんに言ったのだが、瀧川詩織さんは 「もちろん知ってますよぅ、もずさんには渋谷道劇に出た時にレポート書いてもらったし、あの時はお世話になりました♪」と私を見て深々とおじぎしてくれたのだった。

私はこの時、初めてこの人は瀧川詩織さんだったのか!全然気が付かなかった・・・ と焦った。なので、あわてて 「あぁ、失礼なレポ書かせてもらいましてスミマセンでした。」と恐れ入ったのだった。

そっかぁ、この人が地味に黙々と渡辺理緒さんのステージを影から支えてくれてたんだぁ。そうなのかぁ・・・ リオさんは何があっても自分のポリシーを貫き通す人だから、こう言う風に裏方に回って、影から支えてくれる人がいないとダメなんだよね。ほんとにスポットライトの当たらない、地味な役回りなんだけど、よく働いてくれましたよね・・・ 感謝です。

で、そんな事も踏まえて、せっかく大和に詩織さん来てるから、しばらくぶりにステージを拝見しようかなと思ってね。まぁ、大和へ行く事自体がすごく久しぶりなんだけどさ。(爆♪)

さて、それはともかく・・・

私が入場したのは2回目のトリ前から。まずまずの時間だな♪
今日の私は「一般客」と言うスタンスなので、と言うか今年はそう言うスタンスで観劇をするつもりなので、「タ」は叩かずにカブリツキの一列後ろのイスに居場所を確保した。やっぱ座って見る方がいいや♪

2回目が終わり、フィナーレとなった。今週も年代を問わず?素敵な踊り子さんが出ているので、華やかなフィナーレとなっているようだ。すると、真っ赤なカウボーイハットをかぶり、長い髪をなびかせている踊り子さんが、やたらに目を引く。なんでやろ? なんか他の踊り子さんとは、立ち居振る舞いが際立っていると言うか、オーラがオーロラのように静かに輝いて見える。うん、輝くと言ってもダイアモンドのようなギラギラした光ではなく、真珠のような奥ゆかしく上品な温かな輝きと言うのかな・・・

踊り子さんの名前がコールされて、瀧川詩織さんがその人である事を確認した。
遅いって!(苦笑)

へぇ〜・・・ きれいな人やなぁ・・・ じわぁ〜として見つめてしまう。

そして3回目が始まり、城さん、潤奈さんと香盤は進む。潤奈さん、すっげー久しぶりにステージ拝見した。前に見た時は、旧・野毛劇場の時だった。うん、新生野毛劇場じゃなくって、その前の野毛劇場だった頃。あれからもう何年たつのかな? ちょっとテンポの速い「ダンシングクイーン」を踊ってたんだけど、私ともう一人、劇場常連のタンバリンさんで、ガンガンはやし立ててタンバリン叩いていたら、若い子には負けられないぞ!とばかりに、メッチャ息を切らして踊ってくれたやさしい踊り子さんなのだ。

潤奈さん昔と全然変わってないと言うか、明るくて楽しくて素敵な人ですね。何気に私は潤奈さん好きなんだよね。「お客さん」とか呼ばずに、みんなお客の名前呼んじゃう所が笑えるんだけどさ。それだけお客さんたちにも馴染みのある踊り子さんって事です。

って事でいよいよ次は瀧川詩織さんの出番である。どんなショーを見せてくれるのかな♪


では瀧川詩織嬢による華麗なるソロダンスショーです。登場の際には拍手を以ってお迎え下さい。なお、この回はビデオ撮影をしたしますので、ご場内のみなさまのご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

するとカブリツキや、最前列の席に座っていたお客さん達が、さりげなく壁際のイスに移動しはじめた。みなさん理解のある人ばかりですね、お気遣いありがとうございます。
何で私がお礼を?(笑)

場内は静まり返って心地よい緊張感が流れている。そんな中で瀧川詩織はステージに登場した。少しビデオ撮りを意識しているのか、緊張感が伝わってきた。とっちゃん、かぁちゃん、じっちゃん、ばぁ〜ちゃん♪みたいなフランス語?のウキウキするような曲が流れ始める。

黒いドレスで金糸銀糸のラインで装飾されたミディアムドレスと言ったら良いのかな? スカート丈がヒザのあたりくらいまである、腰のところからフワリとふくらみを持った貴婦人スタイル。髪は結い上げてやはりドレスと同様の黒いプチ帽子をピンで止めている。オープニング曲としては、ゆっくりめの曲で、腕と手先の動きが主体のダンスで、大きな体の動きは無いが、腕の動きはフランスの北部をながれるセーヌ川で、友禅流しをしているような清らかで美しい動きだ。

瀧川詩織のその楚々としたセーヌ川の流れのようなダンスは、ディジョン近くのラングル高原から北西へ、トロア、フォンテンブロー、パリ、ルーアンと進み、やがてイギリス海峡にそそぐ・・・

そんなダンスが終わると一旦ソデに消え、曲が替わると今度は真っ白いウサギ耳を頭につけて、バニースタイルの衣装になって、物語は進行して行く。この場面でもスローテンポな流れで激しく踊るような事は無く、ただただものすごく丁寧に一つ一つの振りを踊っていると言う印象がする。

なんだか4年前に見た瀧川詩織とは、かなり印象が違う。そりゃ4年も経てば変わるでしょ、と言うようなものじゃなくて、何か根本的に変わったって気がする。もっとじっくり見てみよう。

う〜ん、何だかリオさんが踊っているようにイメージがダブる。でもこのままの流れで行っちゃうと、少し平凡な作品になっちゃうかな? と思っていたのだが、ベットの導入部から場面はおや? と急展開を始める。

純白のドレスに、網のベールのプチ帽子と言うのか、ほとんど髪飾りに近い感じのもので、その白い網のベールが顔を隠すようにあり、イメージ的には花嫁のようだ。これから幸せな結婚式に望む、初々しい貴族階級の娘、瀧川詩織・・・ それにしては流れる曲がやけに寂しく聞こえて来る。この曲、ミレーヌ・ファルメールかなぁ? フランス語の耳にやさしい、ささやくような女の歌声・・・

どうやら幸せになるはずの、花嫁の身に何か事件が起きたようだ。

ヨヨと盆に伏せ込んだ花嫁・瀧川詩織は、顔を曇らせて遠くを見る。幸せ色の純白の花嫁衣裳が、どこか冷え冷えとして体を包み、花嫁・瀧川詩織は心の中で自問自答を繰り返し、やがて輝きを失った黒い瞳で呆然として体を起こす。じっとして動かない花嫁の瀧川詩織・・・

その時! 真っ赤に紅が塗られた唇がわずかにゆがみ、おや? と見ていると、その唇から真珠のような白い歯がこぼれた。えっっ! 笑っている・・・ そうだ、あれほどつらく悲しそうに見えた花嫁が、薄笑いを浮かべている!

フフフ・・・ ははは・・・ あははは・・・

唇に含んだ笑いは、静まり返った湖の水面に一滴のしずくを落としたように波紋を広げながら、やがてそれは花嫁・瀧川詩織の身体の中を走り、増幅されて高笑いへと変わって行った。

立ち上がった花嫁・瀧川詩織をピンスポットが射抜く! すると瀧川詩織を射抜いた強烈なスポットライトは、ステージのバックスクリーンに真ん丸い大きな月を描き出したのだ! モンゴルの大平原に昇った不吉な光をたたえる満月の中に、花嫁の瀧川詩織の影が浮かび上がり、目前では何が可笑しいのか肩を震わせながら、瀧川詩織が真っ赤な血がにじむような唇を手で覆い隠すようにして、笑っている・・・

怖わぁーっ!

背筋に寒い震えを感じさせたまま、そこで暗転してステージは終わった。
これと言ってポーズを取ることも無く、つづく・・・と言う感じで幕が引かれると言う、考えオチのエンディング。この結末はあなたのイマジネーションの中にあるのよと表現を演出したのかも知れない。

すこしおとなしすぎるかな? と思っていた前半のステージから、まさかこんな結末が待っていようとは、まったく考えもしなかった。意外な結末!

いいの、あなたが何をしていたとしても、許してあげる。
私はずっと、あなたと一緒。
私たち結婚するのよ。
そうでしょ? 愛し合っているんだから。

こっちにいらして、何を震えているの?
あなたの事は何もかも、許してあげるって言ってるのよ?
だから・・・ 死んでください。
私と一緒に死にましょう?

だって苦しいでしょ? このままじゃ。
私があなたを守ってあげる。
あなたを狂わす誰のどんな誘惑からも。

私があなたを守ってあげるから、私の事だけを永遠に愛し続けてくれるわよね。
さぁ、わたしたちの結婚式を挙げましょう?

あなたの白いタキシードと、私のウェディングドレスが真っ赤に染まるよ。
そしてやがて訪れる鮮やかな死が、わたしたちの永遠の幸せを祝福してくれるはずよ。

フフフ・・・ ははは・・・ あはははは・・・

私は瀧川詩織のステージを見終わって、暗転した闇の中でステージのラストシーンの続きに、こんなイメージを思い描いた。

悲しみの中で湧き上がってくる微笑の怖さ、また微笑む女が美しければ美しいほど、背中に走る戦慄もまた激震である。男性諸君、結婚前には身辺をきれいに整理しておこうな。笑いながら何もかも許すから、一緒に死のう♪ あなたの事、誰にも渡したくないんだ♪ と身をすり寄せてくる女にご用心!(爆♪)

え〜さてさて、初対面から4年の月日を経て再会した瀧川詩織さん。
マジ、びっくりするくらい、きれいになっていたのと、ストーリー物を見事に演じ、表現力あふれる踊り子さんに変貌していました。

2003年に渋道で初めてショーを見た時は、リオさんの振り付けで、ダンスを間違わないように踊る事に神経を集中させていたように見えましたが、今はすごいッスね! ホントに今回見せたベットショーでの微妙な演技は、渡辺理緒も真っ青! になるくらい、絶妙な名演技です。

渡辺理緒さんと瀧川詩織さんとを、比較するような書き方はしたくないんだけど、なんかこの二人、見た目がすごい似てるんだよね。そして演じられ、表現できる踊り子と言う面も。

でもガンガン感情移入して来る渡辺理緒さんに対して、どこかスッと一歩退いて冷静なんだけど、心理的に追い込んで来るような表現力のある瀧川詩織さん。

多分これは二人の性格の違いなのかも知れないな・・・
瀧川詩織さんのドリンク販売の時のトークや、フィナーレでの行動や目配りの細やかさとかも良く見ていたんだけど、「オトナの踊り子」って言うのかな、きれい・かわいい・それなりに踊れる踊り子さんって言う人はたくさんいるけど、「オトナの踊り子さん」って思える人は、そうはいないよね。

まわりに心くばり出来て、しかも自分のステージにも集中して、舞台の上で自分の世界をキッチリ!作っちゃう人。こう言うのが私が思う「オトナの踊り子」さん。

私が知らない4年間で、瀧川詩織さんはすごく成長したね。
踊り子さんとしても、人としてもさ。
今回大和へ行って、瀧川詩織さんのショーを見られてホントに良かった♪
もずさん大満足、瀧川詩織さん素敵な時間をありがとうでした。

おしまい!


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