もずのわくわく劇場日記 No.163-3


2007年 4月 1日(日) 若松劇場

牧瀬茜&若林美保「MAW MAW(マウマウ)」
〜蝶と桜の物語〜 本編2



さて! 穏やかな春の到来、それを知らせる桜の木・若林美保、眠りから目覚めた蝶々の牧瀬茜。二人は仲良くうららかな春の陽を浴びて、楽しくたわむれ合っていたが、春の嵐は突然やって来た。

元気に飛び回っていた幼い蝶々の牧瀬茜は、吹き荒れる風に飛ばされそうになり、茜の事を風にさらわれまいとして必死に茜の手つかみ、自分の元へ引き寄せようとする桜ママの若林美保!

間一髪! 危険を回避したかのように見えたが、春の嵐は治まらず、さらに二人に激しく襲い掛かった!

固く握り締め合った牧瀬茜と若林美保だったが、ますます勢いを強めて行く風に、命の絆とも言うべき二人の手は、ジリジリとすべり出し、幼い蝶・牧瀬茜を支える桜の木・若林美保にも限界が近づいていた!

お互いにそう叫びながら必死に耐えるが、運命は非情にも二人の絆を断ち切った・・・
スルリ! と桜の木・若林美保の手の中から、蝶々・牧瀬茜の手が抜た。

「あかねーっ!」
「桜ママーっ!」

狂おしい二人の絶叫! 離れて行く手と手! 幼い蝶々・牧瀬茜の体は風に飛ばされ、桜の木・若林美保からどんどん遠ざかる。

「あかねーっ! あかねーっ!」

すでに届くはずもない手を必死に伸ばし続ける桜の木・若林美保・・・

「ママーっ! 桜ママーっ!」

大好きな桜ママの事を呼びながら風にさらわれ、どこまでも飛ばされて行く蝶々・牧瀬茜・・・

まるで暗い闇の穴の中に吸い込まれて行くような恐怖と孤独の中、蝶々・牧瀬茜は気を失いかけたその時! ふわりとした感触を背中に感じ、何かにやさしく抱き止められたような気がした。

「はぁ・・・ なに? 助かったのかしら・・・」

蝶々・牧瀬茜は少し落ち着きを取り戻し、今まで吹いていた風も納まっている事に気が付いた。

「どうやら生きているみたいだ・・・ 桜ママがきっと心配しているから帰ろう・・・」

そう思って背中の羽をパタパタと動かそうとした。だが羽は動かない。あれ? どうしたのだろうと思ってもう一度羽ばたこうとする。いや、そればかりではなかった。全身が動かない! なにかベトベトしたものが、ねっとりと自分の体にまとわりついて来て、動こうとすればするほど身動きが出来なくなって行く!

ステージの中央奥に、牧瀬茜が張り付くにはちょうど良い大きさで、クモの巣のセットが組まれており、盆の上に立つ若林美保が、花道の上に立つ牧瀬茜と手を差し伸べあって、ファイトー! いっぱぁ〜つ! の要領で、悲哀の満ちた迫真の演技を演じ、お互いの手が離れて風に飛ばされる牧瀬茜が、花道からステージへとまわりながら、あらかじめ用意されていたクモの巣に張り付くと言う場面なのであるが、中々計算されていて、ハラハラ、ドキドキ! の名場面。

動けない、動けない、うごけない! 気も狂わんばかりにもがく蝶々・牧瀬茜。
そこへ蜘蛛女・若林美保がやって来て(チームは二人しかいないし♪)もがいたあげく、客席に背中を向けた格好でクモの巣に張り付いている蝶々・牧瀬茜の衣装を次々と剥ぎ取って行く。
多分、クモに食われてると言うストリップ芝居ならではの描写なんだと思う。

牧瀬茜は、白いTバックに羽を背負っているだけの状態になる。
さて物語の続きを・・・

助かったと思ったのもつかの間、事もあろうに風に飛ばされた蝶の茜は、クモの巣に捕らわれ、クモの餌食となる。がしかし! 蝶の茜は必死で抵抗し、もうこれで一巻の終わりかと言うギリギリのところで、クモの巣から脱出した。

だがその代償は大きく、羽もボロボロ、体は傷つき、両腕も失った。辛うじて意識はあるが瀕死の重傷、気力で何とか逃げ通したと言う状況だった。茜の逃げたあとのクモの巣を見れば、引き裂かれた羽の断片や、ちぎれた綿毛の冠が残骸として張り付いている。これは本当にクモの巣のセットに張り付けてあって、冷静に観劇してると結構グロい感じ。すごいリアリティーで再現してたよ? マジ、そこまでやるんかいと思える・・・

身も心も文字通りボロボロなり、クモの巣から地面に落下するような表現で、逃げた蝶々の牧瀬茜は、その場に倒れたまましばし動かない。照明がたそがれた雰囲気のものに変わり、なんとも重苦しい情景描写がなされた。すごいこだわりの構成・・・ すると静かに音楽が流れ始める。



この続きは、次回更新をお楽しみに!!

次回へ続く・・・


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